BitcoinのDefiを実現する4つの方法
2019を振り返ってみるとDefiが本格的に立ち上がった年だといえます。現在、約700百万ドル程度のコインがDefiプラットフォームにロックされているといわれています。日本円で800億ですね。
※Defiとは?
分散型金融の略で、取引所を代表とする第三者を介さないで、
・コインの交換(DEX)
・コインの貸出
・デリバティブ契約
・ステーブルコインの発行
などを行うことができる仕組みを指します。
さて、Ethereumを中心にすすむDefiですが、ビットコインでDefiを行う方法はないのでしょうか?
ビットコイン本体に、イーサリアムのようなスマートコントラクト機能が取り込まれるということはないでしょうから、他の方法で行わないといけません。
リンクのブログがよくまとまっていて、4つの異なる方法を分類して挙げています。
1)ビットコインのスクリプトで実現
最初の方法は、ビットコインのスクリプトで実現する方法です。つまり、いますでに使えるビットコインの機能だけで実現する方法ですね。
HTLC(Hash Time Lock Contract)などを使うと、ライトコインなどの同様の仕組みがあるチェーンとアトミックスワップなどが実現できます。
この分野では、AWENやSummaがあります。
すでに稼働しているAwenは、ノンカストディアルトレードを実現するソリューションです。自分でコインのコントロール権利を100%持ったまま、中従来の取引所のオーダーブックをつかってトレードができるというものです。韓国のKucoinで試験的に導入されています。
主要プレイヤー: AWEN、Summa
2)セカンドレイヤーをつかう
ライトニングネットワークを使う方法です。
とりわけ、ライトニングの、Desceet Log Contractという機能を使うと、オプション取引や、予測市場などが実現できると考えられます。
また、複数のスクリプトをひとつの公開鍵にまとめるTaprootなどがあり、これらの新しい機能を組み合わせることで、さまざまなDefiの設計が可能です。
ただし、これらの技術はまだ企画段階であって、実際には実現していません。シュノア署名の導入も必要です。
今後のビットコイン技術の進展とともに徐々に進んでいく分野でしょう。
主要プレイヤー: Lightning Network, Desceet Log Contract, MAST, Taproot, Schnorr Signature
3)サイドチェーンでの実現
BTCにペグしたサイドチェーン内で実現する方法です。ビットコイン本体では実現できなかった処理をサイドチェーン内で施すことができるようになります。
代表的なものにRSKがあります。RSKでは、イーサリアムのSolidty言語によるコントラクトが記述できるため、これによってイーサリアムのDefiプラットフォームとインテグレートもできます。
Liquidサイドチェーンもすでに立ち上がっている代表的なサイドチェーンです。2-wayペグされたL-BTCがすでに実用になっています。
Liquidではスマートコントラクトは使えないものの、トークンの発行が可能で、Liquid上でUSDTが発行されています。L-USDTと、L-BTCの間で1のような技術を用いたDefiの可能性があるとおもいます。
主要プレイヤー: RSK, Liquid
4)他のチェーン上で実現するEthereumや、CosmosなどのチェーンにBTCをペグする方法です。イーサリアムであればWBTC(ラップBTC)というERC20トークンがあります。
BTCをこれにWBTCに変換すれば、ERC20ですので、イーサリアムのスマートコントラクトでコントロールできるようになります。
ただし現状のWBTCは、カストディによって発行されるものなので、Defiといってもカストディを信用しないといけない構造になっています。また、イーサリアム上での処理になるので、BTCのDefiなのに、ガスとしてETHが必要になるという2重構造になるのがネックです
次にCosmosのゾーンによるもの。
CosomosのBTCペグゾーンを作ると、Cosmosに接続される他のチェーン上でペグBTCが利用できるようになります。この際に、手数料はペグBTCで支払うことができるためスマートです。
また、ペグゾーンのセキュリティ確保のためには、ペグBTCをステークします。ペグゾーンの運用のために新しいコインを導入しなくて済むためスマートです。例えば、先日紹介したKavaなどが有力なアプリになります。
ただし、ペグゾーンのバリデータが十分分散されてない場合は、サイドチェーンやカストディとか大して変わらなくなってしまいます。
主要プレイヤー: Etherum, Cosmos, Kava etc
以上いろいろな仕組みがあるという感じです。
まとめ
イーサリアムはDefiの実現で一歩リードしてきました。
しかしながら、最も流動性があり、最も時価総額の大きな資産であるBTCを原資産としたDefiへのニーズやポテンシャルは非常に大きなものがあります。
開発者がビットコインでのDefiの開発に魅力を感じ、イーサリアムのそれと競争することで、より便利なものが実現していくことが望ましいとおもいます。
今後この4つのアプローチのどれが有利かということですが、4つは全く別のアプローチで、さらにそれぞれ適用できるシーンなども違うため、それぞれの目的とユーザーベースで進化していくような気がします。
個人的には、すでにある技術でできるAWENなどの広がりを期待しつつ、シュノア署名など新技術の未来をウォッチしながら、CosmosとKavaが切り開く市場に注目していきたい、というかんじです。Liquidも、Liquid内のUSDTが発行されたことにより俄然面白さを増しています。
(大石)

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