いよいよ2019年も末ですが、ビットコインにとって今年もかなり濃い一年だったかと思います。様々な出来事や進展がありましたが、その中でも自分が今までに書いた記事で触れてきたいくつかのテーマについて振り返ってみます。

ライトニングの開発が進み、ウォレットなどが使いやすくなってきた

私の主観で今年最も重要だった進歩は、ダントツでライトニングネットワークのプロトコルやLN上のアプリケーションの開発が進み、以前と比してかなり使いやすくなってきたという点です。

1月にはLN Trust Chainと言って、ライトニングを使って聖火リレーのように順番に1万サトシずつ追加しながらお金を回す企画が流行り、日本人では大石さんやジミーさん、有名人ではツイッターCEOのジャック・ドーシーなどが参加しました。同じく彼の会社であるスクエアは、今年からSquare Crypto と称してビットコイン開発者を雇ってオープンソース開発に従事させており、今月も著名な匿名のライトニング開発者「ZmnSCPxj」を雇用しました。

ライトニングアプリの面でも、多くのゲームや、ペイウォールを作れるpaywall.link、VPSを借りられるBitClouds、noteの代替サービスとなりうるSpotlightなど、様々なサービスがローンチしました。Bitfinexを含むLNウォレットの増加と合わせて、Lappsも増加していくと考えられます。

今年のビットコインは一年を通して手数料相場は安く、トランザクション数が増加したときも取引所などが手数料最安値でUTXOを集約していただけで、概ね快適にオンチェーン取引をすることができました。しかし、限りあるリソースなのでライトニングの重要性はこれからも増す一方です。

鍵管理の方法やカストディ提供業者が増えてきた

マルチシグを使ったカストディソリューションを提供するCasaは顧客数を大きく伸ばし(Casa Nodeのライトニング対応がライトニングノード数にも貢献)、マルチシグとは異なる鍵の分割方式としてシャミアの秘密分散法が流行った一年でした。
また、「ブロックチェーンスマホ」はギミックだったとしても、シャミアの秘密分散法を利用した秘密鍵リカバリーアプリや、Nayutaが今月リリースしたモバイルフルノードが示すように、モバイル端末でブロックチェーンを利用することへの関心が高まっています。

さらに、待望され続けているETFこそ実現しませんでしたが、アメリカではBakktが現物決済の先物をローンチするなどし、それに伴ってアメリカではカストディ事業が本格的に動き出しています。(大手だけでも3社あります。)

この分野は、日本では来年から規制によってリーガルリスクが大きくなっていくと考えられますが、様々な解決策を思いつく素晴らしい技術者のいる界隈なので、うまいバランスを見つけられるといいなと思います。

マイニング業界の効率化が進んできた

昨年末のビットコイン価格低迷や、低迷を続けるBCHに積極投資する姿勢で一時かなり危機状態にあったと噂されたBitmainですが、その隙に新興ASICメイカーが多数現れ、昨冬からAntminer S9の次の世代のスタンダードをめぐる競争が激しく繰り広げられています。未だにどれもAntminer S9ほど圧倒的なシェアを取ることができずにいるという点で、ASIC業界が競争により健全化してきた一年と言えるでしょう。

また今年は秋頃から「マイナーの採算が取れなくなっている」という風説が流れる一方で、ハッシュレートが過去最高を更新し続けるという事態になっていましたが、現実にはマイニング業界の効率化が進んだことによって弱小なマイナーの多くが淘汰されているのではないかと思います。
マイニングされたブロックのナンスの分布でAntminer S9の特徴であった空白地帯がどんどん埋まっていることから、生き残っているプレイヤーにおいては機材の入れ替えが進んでいることも伺えます。これはつまり資金難ではないということを示しており、実際にビットメインが大規模な施設を新設したり、新参のマイニング業者が資金調達に成功したりしています。
また同時に、旧機材が置き換えられるということは、それで採算が取れるほどマージンが大きくないということも示しています。

さらに、効率化が進む一方で中国四川省に集中していたハッシュレートは、北米や産油地でのマイニングが多く検討されるなど、地理的な分散が進む可能性も期待させられるニュースのあった一年でした。

おわりに

2010年代はビットコインにとっても最初の10年ほどでしたが、振り返ってみれば自分の2010年代はツイッターやスマホとともにありました。ツイッターを開いて過ごした時間は下手するとそのうち1年くらいあるんじゃないかというほどです。笑
かといって、その数年前にはツイッターも存在せず、スマホもごく一部の物好きが持つガジェットだったことを考えると、個人のネット生活にかなり大きな変化があった時代だったと思います。

世間一般の今年の大きなトレンドの1つは、ばらまきによる電子マネーの乱立だったと思います。なんやかんやで電子マネー決済に対応したお店もかなり増えました。それを踏まえると、これから始まる2020年代はいよいよ個人とお金の関係に大きな変化が訪れるでしょうか。
年初には2020年の予想の記事も投稿する予定ですので、ご期待下さい。では皆さん、良いお年を。