Defiについて
Defiトークンの盛り上がりが最高潮に達してきていると感じています。
私も先週はいろいろなDefiを試してみていました。
現在のDefiのトークンの配布形式と、収益性、リスクなどについて書きます。
配布形式について
DefiトークンはICOという形ではなく、Firming(ファーミング)という方式で配布されているものが多いです。
これは、Defiのプラットフォームに流動性を提供することで、インセンティブとしてコインを付与するという形になっています。これはICOというややこしいことを避けるという目的と、プロジェクトの立ち上げ時に注目をあつめる手段として、配布が行われていると考えられます。
先例としては、先日おこなわれた、COMPUNDのトークン(COMP)があります。
Coumpoundは、ERC20トークンを中心に、ステーブルコインなどを、貸し借りするためのプラットフォームです。
貸し借りが出来るためには、貸す人、借りる人の双方がいないといけません。このために、常時Coumpund内に貸し借り可能なコインが存在することが必要です。これを「流動性」と呼びます。
この流動性を提供することのインセンティブとして、運営からコインが付与されるというのが、基本的な仕組みです。
ICOのようにコイン買う必要はなく、単に流動性を提供するすればOKです。流動性というのは、つまり、Coumpoundのコントラクトにコインを預けておくことになりますね。
ですので、基本的には(DefiのGoxリスクを勘案しなければ)無料でコインを貰えるという形になります
そして、そのコインは、すぐに上場されて高い金額で取引されています。Compoudにおいては、BATというトークンも流動性の提供ができました。しかしBATもというのは、あまり一般に流通しているものではなく、大口(つまり運営者)が大半をもっているトークンです。
そして、発行済みBATの半分以上がCompoundに預けられてファーミングがおこなわれました。つまり、これは運営が自分たちの死蔵コインをあずけて、トークンを貰ったということになります。
ステーブルコインMintingの例
具体的な例をもうひとつだします。
Kavaというステーブルコインの生成プラットフォームがあります。いまのところBNBを担保に入れておくと、USDXというステーブルコインを自分で生成することができます。分散型のステーブルコインでは、ステーブルコインを生成するひとがいなければ流通量は増えませんので、初期に生成したひとにインセンティブとしてKavaトークンを配るという仕組みになっています。コインを生成してリワードを得ることを、Minting(ミンティング)とよびます。
Kavaは、BNBを担保にUSDXを生成するひと向けに、毎週74000Kavaというリワードを用意しています。1kava=2.4ドルとして、約18万ドルです。
この18万ドルを、USDXを生成したひとで毎週山分けします。貰える額は、「自分が生成したUSDX/すべてのUSDX生成数」の割合に応じてということになります。
仮定として、自分が1000USDXを生成、全体では4,000,000 USDXが生成されたとします。この場合、自分の生成比率は全体の1/4000ですから、貰えるリワードは、74000*18.5/4000=Kava(約44ドル/週)という仕組みです。
※なおこれは、Mintingの仕組みを事例をもとに一般に説明したもので、Mintingを推奨するものではありません。Mintingなどの実行に際しては、かならず自分で数字を計算し、収益性や下記に述べるリスクなどを勘案しておこないましょう
他にも、Curve.fiという主にステーブルコイン同士を交換するプラットフォームが、流動性を提供した人にたいして、コインの配布を予定しています。
ガバナンストークンの価値
さて、ここで配られるコインは、ガバナンストークンといわれるものです。つまりネットワークの意思決定に参加できる投票券。株式会社でいえば、配当が得られないが、株主総会の議決権だけがあるような株式に相当します。これは、証券法対策で、証券とみなされるものを配ってしまうことを防ぐという運営側のリスクヘッジで、あくまでガバナンストークンであり、なんらの価値もありませんよ、ということを強調しているプロジェクトも多いです。
しかし、これに値段がついてしまい、高騰しているというのが現在のDefiの現状です。
こうした、Defiまわりのマーケットの現状は、一種のお祭り騒ぎです。
確かに現状では、お金がまさに落ちている状態です。ICOとくらべて、元本がへることなく、コインだけが貰えるのですから、リスク少なく、落ちているお金をひろう状態です。
Defiへのハードルが生んでいる「分断」
しかしながら、Defiのトークン配布を受けるには、ICOへの参加とくらべるとハードルが高くなっています。
まず、
i. プロジェクトの内容がわかりにくい(金融知識力)
ii. どのような仕組みなのか技術的内容や、預けるコイン、貰えるコインといったコインの区別などもややこしい(技術理解力)
iii. イーサリアムのGas台が高騰しており、預けるだけで20ドル、引き出すのに8ドルといった手数料がかかることがある。大口でないと利益がでない(資金力)
iv. メタマスクほか、各種ERC20トークンやコントラクトの実行といったことを理解し、事故なく実行できる必要が有る(ツール操作力)
v. リソースが英語。しかも、わざとわかりにくいように広報している。運営が発する情報をTelegramやDiscardのチャットから拾っていく必要が有る(英語と、原文をあたる力)
ということで、参加できているひとも少ないわけです。
こういうことが出来る人(とくに資金力がある大口)がタダでトークンを得る一方、それを取引所で高値でつかむ一般層がいるという、非常に非対称な市場になっています。
まあこれは、伝統的に金融市場というのが、知識と資金力が有る大口が、初な養分をカモることで収益をだすというのが伝統である以上、他の金融市場となんらかわりがあるかというと、ない気もしますが(皮肉)
Minting Rewardを得る際のリスク
当然リスクがありますので、主なものをあげておきます。これはDefiでのリワードの仕組みにすべて共通する一般的なものになります。
i. リワード低下リスクFirmingやMinting、貰えるリワードが減っていきます。どのくらい生成されるかは読めません。また、リワードが運営によって突如変わる可能性もあります。
ii. コントラクトのリスクDefiの特有のバグというか仕様の甘いところをついた攻撃が今後も起こるとおもいますし、それを常に狙う人が世の中にはいます。非常に複雑化しているDefiで、バグがゼロというのは考えられにくく、古くはThe DAOのような大型の事件がおきてもおかしくありません。
iii. Defi商品の複雑化リスクDefiの中には、非常に複雑になっている商品があります。複数のステーブルコインやDefi商品を組み合わせたプールであったり、さらにそれを組み合わせたり、そのガバナンストークンを組み込んだり、つまり、現実世界のデリバティブやファンドのように、急速に商品が複雑化しています。
こうなると、リーマンショックのときと同様に、どこにどのくらいのリスクが潜んでいるのか評価できず、あるひとつのDefiがハッキング他の問題で飛んだときに、連鎖的に他のDefiに影響が及び、その影響が算定できにくいという状態になっています。何段にもリスクが積み重なっており、ほんものの砂上の楼閣のようです。(大石)
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