Vol.277 ビットコイン個人投資家の親友となるか?金曜日先物BFFがCMEに誕生(2024年9月17日)
ビットコイン投資の世界に、新しい個人投資家の資金を呼び込む扉が近く開かれる可能性が出てきました。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は、2024年9月30日に「ビットコインフライデー先物(BFF)」を導入する予定です。
先物の略称であるBFFは、Bitcoin Friday Future(ビットコイン金曜先物)の略であると同時に、英語で「永遠の親友」を意味するBest Friend Forever も掛けたネーミングとなっています。
当記事では、BFFが市場の親友となり、新しい資金を引き寄せる可能性について考えてみたいと思います!
300ドルから始められるビットコイン・トレード
CMEが新たに投入するビットコインフライデー先物(BFF)は、より短期間で、より小さいサイズの契約を可能にするものです(規制当局の審査結果待ち)。
BFFで特に目を引くのは最小取引単位で、なんと50分の1ビットコインから取引できるようになります。ビットコイン価格が6万ドルなら、1,200ドルから売買できる・・・ということですね。
さらに米国でのビットコイン先物は、およそ4倍のレバレッジで規制をされています。よって必要な証拠金は300ドル、日本円に換算して5万円未満です。
従来のCMEビットコイン先物と比較をしてみましょう。こちらの標準ロットは5BTCですから、6万ドル×5BTC=30万ドルが取引の単位となります。必要な証拠金も(そもそも日本からは規制で取引できないのですが)1,000万円を超えてしまいます。
これと比較すれば、BFFの最低必要資金である5万円の魅力は明らかです。
トレードを始める最低資金が1,000万円だと敷居が高く敬遠しても、5万円なら始めようという人も増えてくるでしょう。
参考;Introducing Bitcoin Friday futures
個人投資家の新規マネーはビットコインの値上がりにつながりやすい
さて、このCMEが投入したフライデー先物・BFFは、ビットコインにどのような影響を及ぼすのでしょうか?少し考察をしてみたいと思います。
まずトレードに参入する個人投資家が確実に増えることになります。5万円あれば取引できるわけですから、保有している株式の配当金とかでも流用できることになります。
ビットコインを実業で苦労して稼いだ金で買うのは微妙だけど、労せず手に入れた余剰資金でなら買ってもいいや・・・という参加者を取り込むことができます。
次に先物契約ですから、買いだろうと売りだろうと、どちらのポジションを取ってもいいわけです。だったら価格形成にはプラスにならないのでは?
いえいえ、個人で新規に参入する方たちは、ほとんどが「買い」から参入を始めます。だって取引したことのないビットコインを空売りして、いきなり青天井の損失リスクを背負いたい人なんて少数派です。
もちろん、2017年にCMEがビットコイン先物を上場したときは値を下げました。ただ当時は信頼できる(これ大事)取引所で「空売り」できる環境が皆無でしたから、売りたくて仕方ないファンドが一気に売ったわけですね。
2024年現在、空売りしようと思えばCMEが提供しているマイクロビットコインやイーサリアム先物を使って、いくらでもすることができます。
こう考えるなら、新しく投入される金曜日先物が捉えるのは、「新たな空売りニーズ」よりも「新たな小口の買い意欲」の方に傾きやすいでしょう。
流動性が向上してビットコインの地位も値段も向上する(かもしれない)
小口の参加者が新しい資金を持ち込むことになれば、それだけビットコインの流動性も向上することになります。
流動性とは、資産をすぐに売買して現金化できる度合いのことです。流動性が高いほど、(自分が出した注文による影響で起きる)大きな価格変動なしに素早く取引できます。
大口のファンドなどは、この流動性を最も重視します。いざという時に売り逃げできない市場ほど怖いものはないですからね。
さらに今回のBFF先物は、毎週金曜日に納会が来ることになります。当然、期日をこえて持ち越したい参加者は、次の限月に乗り換える売買を行います。
この「乗り換え売買」が定期的に起きるということは、そこに収益機会を見出すディーラーを市場に呼び込みます。
こうなると、さらに流動性が上がり、より大口のファンドが資金を入れられるようになり、結果的に値上がり圧力が働きやすくなります。
もちろん、BFF先物だけで一気に変わることはないでしょう。それでも、新しい市場参加者のすそ野を広げるという意味で、マイナスではない新しい挑戦となるのではないでしょうか。優しく見守っていきましょう。
まとめ:CMEの金曜日先物(BFF)がもたらす新たな可能性
当記事では、CMEが導入予定のビットコインフライデー先物(BFF)は、ビットコイン市場に新たな風を吹き込む可能性を秘めているのでは?という観点から考察をしてみました。
以下、BFFによる影響の可能性を簡単にまとめておきますね。
個人投資家の参入障壁を大幅に下げる:
- 50分の1ビットコインという小さな取引単位
- 約5万円という低い必要証拠金
新たな買い需要の創出:
- 個人投資家の新規参入は主に買いポジションから
- 余剰資金での投資機会を提供
市場の流動性向上:
- 小口参加者の増加による取引量の増加
- 週次の満期による定期的な乗り換え需要
市場の成熟による大口資金の呼び込み:
- 大口投資家にとっての魅力向上
- より安定した価格形成メカニズムの構築
BFF先物の導入は、ビットコイン市場の裾野を広げ、より多様かつ新しい投資家を呼び込むかもしれません。これにより、ビットコインの流動性が向上し、長期的には価格安定性や市場の信頼性向上につながる可能性があります。
もちろん、当局によって認可がどんでん返しされる不確実性もあります。また、これらの優れた先物契約も、日本から取引できるようになるかは、時期も可能性も未知数です。
ビットコイン市場の発展に、このBFF先物の導入がどのような変化をもたらすか、興味深く観察していきたいですね。
今週は以上です。引き続き、ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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