ビットコインの値上がりは2024年9月28日から本格化する・・・などと聞くと、怪しいなと思ってしまいますね。ただアノマリーの有効性を考えると、この予測も無視はできないんですよね。

※ 投資においてアノマリーとは、効率的市場仮説では説明できない、長期的に超過収益を生み出す可能性がある現象のことを指します。

本日の記事では、一般的な経済理論では説明しきれない市場の動きである「アノマリー」の有効性を確認する方法について考えてみたいと思います。

半減期終了から162日目にビットコインの力づよい価格上昇が始まるアノマリー

他の資産にはなくてビットコインにのみ存在するイベントのひとつが半減期です。これはビットコインの新規発行量がある日を境にして半減するものであり、新規の供給数が減ることで市場に出回る売り圧力が下がり、結果的に価格の上昇起点となりやすいものです。

この動きには特徴があって、半減期を経てしばらく日数が経過した後から分かりやすい上昇トレンドに入ることが観測をされています。まずは過去の事例を確認してみましょう。

最初の事例は2016年の半減期後(図①)です。

↑図①: 2016年の半減期から162日後に力づよい上昇を開始するビットコイン

「力づよい上昇」を定義する方法として、半減期前の高値を超えたタイミングを使いました。当年の場合は2016年12月17日が該当します。半減期からカウントして162日目ですね。

次の事例は2020年(図②)です。このときは少しトリッキーでした。半減期前の高値を7月に一度超えているのですが、そのあとに一度押し戻されています。

↑ 図②:2020年の半減期から162日後に力づよい上昇を開始するビットコイン

よって押し戻しの起点となった12,436ドルを超えた2020年10月21日を上昇起点と考えてみました。すると、こちらの事例も半減期から162日目に上昇を開始していることがわかります。

もちろん、半減期直前の高値を越したところが正解じゃん!という案もあり、その場合は75日ですね。ただ今回は、あくまで「市場がどう考えるだろう」という視点で捉えてみました。

2024年のビットコイン価格上昇の起点は9月30日?

では先述の半減期アノマリーが今年も当てはまるとするなら、その時期はいつになるのでしょう?下のチャート(図③)で示しました。

↑ 図③:2024年も過去2回と同じなら半減期から162日後の9月30日が「力づよい上昇」の起点

4月20日に完了した2024年の半減期から162日後は、9月30日となります。もしも過去2回と同じ価格アクションとなるなら、同日には半減期直近の最高値である7.3万ドルを抜き去っていくことになります。

仮に本当なら、今日から21日後の9月30日に向け、毎日920ドルほどの上昇が見られることになります。実際はどうなるでしょうか?頑張ってほしいですね!

アノマリーの有効性を確認する方法

ここまでで、ビットコインの半減期アノマリーが有効なのであれば、2024年の本気上昇は9月30日から始まることになるよね・・・という内容を確認してきました。

ここからは、その「アノマリー」が有効かどうかを判断するにはどうしたら良いか?という点を深堀してみたいと思います。

アノマリー自体は「一般的な理論では説明しきれない市場の動き」ですから、とくに決まった評価方法があるわけではありません。

ここで考えるべきは、「市場の参加者がアノマリーをどの程度信じているか」という点に集約されるでしょう。

みんなが信じてお金を投下すれば「そう」なりますし、信じていなければなんの脈略もない動きになります(これがアノマリーを信じすぎるリスクにもなります)

ということで、ここからは市場が考えているであろうビットコイン・アノマリーの有効性を確認する方法について考えていきましょう。

2024年も月次アノマリーを再現する市場

半減期を経た後の価格同行アノマリーは母数が小さく評価がむずかしいんですよね。そこで次善の策として、ビットコインの月次リターンという「アノマリー」を確認していきたいと思います。

以下の図④は2020年1月〜2023年12月までの4年間、ビットコインの月次リターンをランキングした結果となります。

↑図④:2020年~2023年のビットコイン月別リターンの平均値と中央値

10月がダントツの優等生、5月6月8月9月はしんどい感じですね。

では2024年の月次リターンが実際にどう推移しているのか、図⑤で確認してみましょう。

↑ 図⑤:2024年のビットコイン月次リターン(8月まで)

上昇傾向の続くビットコインにおいては、マイナス月次リターンの方が少数派となります。その少数派うち、2024年実績でマイナスを記録しているのは、①4月②6月③8月の3カ月です。

つまり、②6月③8月の2か月は直近4年間のアノマリーどおりの動きを示していることが分かります。さらに①4月は、アノマリーで最下位の5月と単に入れ替わっただけとなっています。

でもって、この記事を書いている9月9日現在の月次リターンは「9月-7%」となり、今のままフィニッシュすればアノマリーどおりマイナス月が完成することになります。

相場は「他の参加者がどう思うかを当て合うゲーム」でもある

よく「株式市場は美人投票である」という言葉を耳にすると思います。

これは 投資家は自分が最も優れていると思う株を選ぶのではなく、他の人々が優れていると判断すると思われる株を選ぶ傾向があることを言い表したものですね。

では、ここまで確認してきたようなビットコイン月次アノマリーを市場が見たとき、市場はどのように「他の人が」考えていると評価するでしょうか?

①「うわ9月マイナスの次は10月ドッカーン来るじゃん。絶対買わなきゃ!」

②「アノマリーなんか信じないけど、でも他の参加者はコレ見るでしょ?付き合わないと仕方ないよね」

③「さいころが過去に5を10回出し続けたとしても、次に5がでる確率は1/2でしかないんだよ。無視!」

月次リターン・アノマリーを信じる人にとっては、9月30日からの上昇と10月の最大月次リターンは整合性があるものに映るでしょう。

まったくアノマリーに意味を感じない人にとっては、ここで書かれていることは単なる素人の戯言にしか映らないでしょう。

ビジネスでも投資でも、相手の気持ちを汲み取ってポジションを取れる人が成功を収めるのは、今も昔も変わらないものであると筆者は考えます。

あなたは、このアノマリーを「他の人が」どう考えると思いますか?

まとめ:ビットコイン・アノマリーの理解と活用

本日のレポートでは、ビットコインのアノマリー、特に半減期と月次リターンに関するパターンについて深く掘り下げました。主なポイントを振り返ってみましょう:

  1. 半減期アノマリー:
    • 過去2回の半減期後、162日目から力強い上昇が始まっています。
    • 2024年の場合、この162日目は9月30日に当たります。
  2. 月次リターン・アノマリー:
    • 過去4年間のデータから、10月が最も好調で、5月、6月、8月、9月が比較的弱い傾向が見られます。
    • 2024年のデータも、これらのパターンとある程度一致しています。
  3. 市場心理の重要性:
    • アノマリーの有効性は、市場参加者がどの程度それを信じているかに大きく依存します。
    • 「株式市場は美人投票である」という考え方が、ここでも適用される可能性があります。

このビットコイン・アノマリーについて、皆さんはどのようにお考えですか?

また、これをどのように自身の投資戦略に取り入れる(あるいは取り入れない)予定でしょうか?ご意見をお聞かせ頂けると嬉しいです。

引き続き、ハッピー・ビットコイン!

ココスタ

佐々木徹