Bitfinexがライトニングネットワーク経由での入金を開始しました。早速やってみましたので、使い勝手と考察を書きます。

1. 入金は5秒

入金ですが、0.0000001 BTCが最小入金です。100 satですね。金額を指定してinvoice発行をクリックするとQRコードが出ますので、ライトニングウォレットで読み取ればOKです。どのライトニングウォレットでも送れます。

送ると一瞬で着金表示がでます。その後5秒ほどすると入金完了の表示がでます。これは驚きです。ライトニングではマイニングなどがありませんから、これで完了です。何確認というのを待つ必要はありません。

Bitfinexでは、ライトニングで入金したビットコインは、LNXと表示されます。通常のビットコインと等価として扱われます。

今回は、100 satという超少額を入金してみましたが、特別な手数料は徴収されませんでした。通常のBTCの場合は1000ドル以下の入金は、0.0004 BTCのサーチャージがかかります。これは、ユーザーから送られたBTCを管理する際に、コールドに移動させたり、なにかと移動が伴います。そのための費用でしょう。

2. 出金は10分

出金ですが、やや時間がかかりました。まず出金したい金額のライトニングインボイスを自分のウォレットで作ります。それを出金フォームに貼り付けます。その後、2段階認証やメールでの確認などを経て、出金手続きが終わると、その後10分くらいで着金しました。このあたりの時間がかかるのはバッチ処理でやっているからでしょうか。

出金の手数料ですが、100satです。これも格安といってよいとおもいます。通常BTC出金が0.0005BTC= 50000 satですから1/500ですね。

3. キャパシティ

Bitfinexのライトニングノードの状況は下記のページで確認できます。https://ln.bitfinex.com/

記事執筆時点で、141 チャネル176 Peerインバウンドキャパシティ 909343545 sat = 9BTCアウトバウンドキャパシティ493139086 sat = 5BTCという数字になっています。現在のキャパは、インバウンドが9BTCで、アウトバウンドが5BTCとまだ少ないです。(全ユーザー合計でこの値になります)

面白いのは、特別な専用チャネルなどを設けているのではなく、ユーザーが勝手にチャネルを張っているという仕様であろうということです。141チャネルありますから、まだその数は少ないですが、多くの人がチャネルを貼れば、それだけキャパシティが増えます。また直接Bitfinexにチャネルを貼っていなくても、張っている人のチャネル経由で入金できます。

4. 考察

a. ユースケースの開発はこれから

現在のキャパが9/5BTCで、今後ふえるにしても、取引所のユーザーが欲しいキャパと比べると話にならないレベルです。これは今後も数千といった単位には決してならないでしょう。取引所の全ユーザーがライトニング経由で入出金するといいった未来はないと今から結論して間違いありません。少額のキャパしか扱えないとすれば、どういう場合にライトニング入金・出金をつかうのかというと、まだユースケースが見えません。とにかく早く少額を入出金したいというニーズが取引所にどれだけあるのかは良くわからないです。

いずれにしても、Bitfinexもまずは実験的にということでしょう。ただ、入金はともかく、小口の出金は便利であることは間違いありません。ちょっとした金額を支払いたい時にでも、取引所から直接送ることができれば、支払いが便利になるのは間違いありません。現在のBTC出金では数ドルの支払いに数ドルの手数料が掛かってしまうため、現実的ではありませんが、ライトニングなら、取引所の口座を小口のウォレットが代わりにつかうということも考えられそうです。

b. ウォレットを選ばない革新性

あたりまえですが、ライトニングの入出金ではウォレットは何でもOKです。スマホのウォレットでも、Telegramのlntxtでも、少額決済blogのSpotlightでもOKです。このオープン性はやはり魅力的でしょう。また直接Bitfinexにチャネルを張ってなくても入出金できるのもあたりまえですが、あらためて魅力的に感じるところです。

c. USDTのライトニング対応が待たれる

いますぐユースケースが見えないと書きましたが、これをテストケースに、即時入金のソリューションを拡充していくことは考えられます。最有力がUSDTです。現在USDTなどのアセットはライトニングは利用することができませんが、Liquidサイドチェーン上のUSDTであればライトニング技術が適用可能です。これはBlockstream社がすでに構想をだして売り込みをはじめています。

d. プライベートチャネル、取引所間チャネル

また、現在のパブリックなライトニングではなく、大口顧客や、希望する顧客むけのプライベートチャネルの提供も考えられます。顧客専用のチャネルを取引所との間に張ります。ここでは顧客が望む大きさのチャネルを張ることができるようにすれば100BTCといった単位でのチャネルも可能かもしれません。

ライトニングではなく、独自のチャネル技術を設ける方向性でノンカストディアルトレーディング技術の開発も進んでいます(Awen)。またその応用で、取引所間での太いチャネルも現実的に考えられるサービスです。とくにLiquidサイドチェーンでこれを行うことで、取引所間で素早いBTCとUSDTの利用が可能になるとみています。

結論

取引所のライトニング利用は、まだまだテストケースの段階ですが、その後のUSDTやプライベートチャネルなどの展開を見据えて考えると、小さな一歩だが、大きな一歩が踏み出されたと言えます。チャネルのキャパが少ない、使えない、と結論するのは拙速です。現在のライトニング利用だけを見ると、その先にあるチャネル技術の進展で何が可能になるのかが見えなくなってしまうでしょう。