ビットメインの混乱と、マイニング産業の今
2017年あたりから仮想通貨をやっているひとであれば、ビットメイン、ジハン・ウー、ビットコインキャッシュといえば、懐かしい響きでしょう。
しかし、最近はあまり名前を聞きません。IPOの話しが延期になり、内紛が起き、ビットコインキャッシュへの投資も外れ、苦境になっているといわれます。
簡単にその流れをおさらいしましょう。
ビットメインの歴史
ビットメインの創業は2013年。ザン・ケチュアンと、ジハン・ウーにより創立されました。ザンがチップの技術者で、彼がチップを設計して、ジハン・ウーがサポートになっているような役割だったと言われています。
その後、ビットコイン業界を変えることになる専用のマイニングマシン、いわゆるASICを発売します。一時は市場シェアのほぼ100%占めており、ビットメインよりAISCを購入できなければマイニングができないため、市場に絶大なコントロール権をもっていたといわれます。
その力を示したのが2017年の、ビットコインキャッシュ分離です。もともとビックブロックか、スモールブロックかの論争が長らく続いていたことにシビレをきらしたジハン・ウーらが主導し、過半数を超えるハッシュパワーを味方につけブロックサイズを拡大するフォークを強行しようとしました。しかしその試みは結局失敗し、ビットコインキャッシュとして別のコインとしてスタートするということになりました。
その後香港でのIPOを画策します。一時期は、プレIPOの時点で、1兆5000億円ほどの企業価値がつき、大型のIPOになると目論まれていました。
しかし、その後の経営悪化、また香港市場との調整が難航している内に、時期を逃してしまいました。
泥沼の内紛へ
このあと、内紛が勃発します。IPOの失敗の責任をとって、ザンとジハンの2名はCEOを退任します。その後、2019年10月、突如、ジハンは、ザンの取締役の職も解任し、会社から追放してしまいます。
このとき、不正な株式操作(有効でない種類株の議決権の変更)をしたという話もでており、ザンは、本件をめぐりジハンらを訴訟して「彼らは不正により刑務所にいくだろう」と。このあたりから泥沼感がでてきました。
ザンは、会社復帰を主張し、ビットメインのチップの生産は、ザンの親族企業に委託されているものがあり、その出荷をストップするなどして、圧力をかけています。ザンは現在でもビットメイン社の最大の株主で36%を保有。ジハンが20%、他の創業時メンバーが15%だそうです。
この数字だけをみるとちょっと資本施策的には失敗な感じがします・・・。ザンは、4000億円の時価総額で、ジハンらの株の買い取りを提案するとのニュースもありました。
ASIC市場の変化
さて、こうしているうちに、AISCにおけるビットメインの市場シェアはさがり、マイニングも分散します。この流れをみてみましょう。
マイニングハードウェアメーカーですが、2017時点では、ビットメインを中心に、Bitfuly、Ebangなど、数社しかない状況で、ビットコインの95%独占状態といってもよい状況でした。
現在の状況でいうと、2019年のビットメインの社は55%-58%程度、Whatsminerが20-25%、Canaanが10%、Ebangが5-7%といわれています。いまだビットメインが6割程度のシェアをもっていますが、だいぶ分散してといえましょう。
マイニング市場ですが、Tokeninsightのレポートによると、中国のマイニングシェアは70%程度とのこと。
依然として中国がたかいものの、のこり30%は、アメリカ、カナダ、アイスランド、ロシア、ジョージア、ノルウェーといったところが占めていて、徐々に分散されてきています。
また、78%の電力が、再生可能エネルギーによるものだと言われています。
水力や風力、地熱などの自然エネルギーを中心に、送電線をひいたらコストだおれするようなところのそうした電力を格安で使ってマイニングをするという流れが、徐々に出来上がってきているといえます。
AICS供給の独占が、市場のコントロールにつながったという前例があり、ビットメインのシェアを下げていくことは非常に大事です。ビットコインが中立な資産として認められていくためには、ASIC供給の独占は解消されるべきものであり、ひとつの会社が30%以上を持つようなことがない形になるのが望ましいと言えましょう。
簡単なビットメインの歴史と、現在のマイニングの概観でした。わかりやすく簡単にかきました。キーとなる数字は覚えておくとよいとおもいます。
以上です。(大石)
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