ここのところビットコインはエコでないという言説がどんどんひろまっています。

昨日の暴落に引き金になったらイーロン・マスクのツイートもそれでしたね。環境問題は反論がしずらい(ポリティカルコレクトネスで押し込まれる)に加えて、

政治運動にも使われがちで、ビットコインに対して批判的な勢力が、これを上手く利用することで、効果的なネガティブキャンペーンをはることができるといえます。過去にはビットコインはマネロンに使われているなどのネガキャンがありましたが、エコでないというのは、もっと強くてやっかいなネガキャンだとおもっています。

もちろん、イーロン・マスクですらビットコインは石炭火力を使っているというように誤解をしているところもあり、一筋縄ではいきません。

さて、ビットコイン派の企業であるスクエア社が、ビットコインと環境問題というレポートを出しています。環境に悪いという話への見事な反論になっていて、一読の価値が有ります。

https://assets.ctfassets.net/.../e7b.../BCEI_White_Paper.pdf

レポートは長いので、要点を解説します。

i. 自然エネルギーのコストが最も安い

レポートではいくつかのエネルギーのコストを比べていますが、いまや自然エネルギーのコストが最も安いということが書かれています。自然エネルギーであれば、kwhあたり4セント以下というのが実現可能です。火力(石炭)では、6セントから10セントかかるとしています。

ビットコインのマイニングで利益を出すには6,7セント以下、半減期の厳しい時には3,4セント以下で電力を調達する必要がありました。つまり、ビットコインのマイナーは必然的に自然エネルギーを使わないと"利益がでない"のです。まず、この前提がめっちゃ大事だとおもいます。

ビットコインのマイナーは利益を出すために、自然エネルギーのみによって採掘せざるえない。これは世間が理解してないおおきなギャップです。

ii.自然エネルギーの問題をビットコインで最適化する

自然エネルギーの問題は、端的にいって、出力の不安定さと、送電にあります。出力の不安定さというのは、たとえば太陽発電であれば、昼間しか発電できません。あたりまえですね。風力も自然任せです。

つまり常に安定した電力が得られるわけではないのです。しかし夜間にも電力が必要ですね。太陽光だけだと、夜間は停電してしまいます。つまり電力需要に合わせて、自然エネルギーの出力はミスマッチがおきます。

となると、キャパシティに余裕をもって停電しないように沢山発電しおくしかないわけですが、余ったエネルギーはとっておけません。もちろん蓄電技術(電池)も進んでいるのですが、すべて解決するわけではありません。

そこで、余剰電力でマイニングすることで、その余剰を一旦ビットコインに変えておく。そしてビットコインを売るということで、過剰な電力投資をしても、調整ができるわけです。さらに、自然エネルギーが得られるのは僻地です。

たとえはサハラ砂漠の真ん中は太陽光発電に最適ですが、送電が難しい。しかしそういうところでも、まずは施設をつくることができます。送電可能になるまでは、ビットコインを採掘していればよいのです。そしてそのビットコインを売ることで送電網を作ることができる。ほかにもいろいろ例がありますが、自然エネルギーの不安定さ、僻地、という問題にたいして、蓄電池にくわえて電力をビットコインへ変換することで蓄えるという組み合わせを加えると、より柔軟な発電計画が汲むことができ、発電の収益性があがり、結果として、自然エネルギー発電への投資が進み、電力シフトがおこるのです。

つまり、ビットコインは、自然エネルギーの問題を解決し、自然エネルギーを後押しするものだというものです。非常にスマートな反論ですね。ビットコインは従来の貨幣や銀行システムより電力がかからないというような反論より効果的とおもいます。スクエア社は、事業戦略として、このあたりの電力、電池、マイニングを組み合わせた、電力会社の収益性向上ソリューションをビジネスとして考えているようです。頭がいいですね。さすがとしかいいようがありません。というのが要約です。

まとめ

さて、この話は重要な点がもうひとつあります。

電力をビットコインに変えて貯蓄するという話のところです。つまり、ビットコインは、電力というリアルのリソースが形をカタチをかえたものであるということを言っています。

つまり、電力コストを費やしたことによりビットコインが生まれ、価値を別の形態として貯蓄できるようになったという話です。

このストーリーは、まだ理解できるひとは少ないとおもいますが、この話が通説として定着すれば、ビットコインになぜ価値があるのかという話にストレートに答えがでます。それは、「ビットコインを作るためには、同じだけのコスト(電気リソース)が必要であるから」です。

私はビットコインについて調べた当初から、なぜビットコインに価値があるのかという本質について考え、ビットコインの価値の源泉はマイニングに費やした電気代であると結論にいたりました。この結論に至ったから、ビットコインに大量投資したのです。

しかし、これは大石理論といわれて「ビットコインの価値は電気代〜(笑い)」といったように、沢山のひとからバカにされてきました。しかし、ビットコインがエコであり、価値を持つためには、ビットコインの価値の源泉が電気代である必要が有るのです。多くのひとはまだこれを理解できていません。しかし、徐々に世の中が理解するようになれば、ビットコインの価値について疑問を投げるひともすくなくなるでしょうし、そしてエコでないへの反論にもなるでしょう。なぜビットコインは価値の貯蔵手段なのか。

ビットコインへの理解を深めるということは、こうしたことを考えて、長期的なビジョンをもつことであります。(大石)