Vol.333 脱預金でBTC担保レンディングが来る2026年 (2025年10月21日)
銀行との付き合いも見直すタイミング?
皆さんは、銀行はお好きですか?
綺麗な店舗に丁寧な案内、そして預けた預金を引き出すときには、丁寧な対応でマネーロンダリングの疑惑をかけてくれたりする、あの銀行です。
普段は電話もかかってこないのですけれど、たまに大きめの資金を入れたりすると、「資金の運用でお困りではないですか?」と、頼んでもないのに連絡をくれたりするところも、可愛らしいですね。
いや、使う予定があるから入れたんだけどね!
そしていざ、不動産の契約で手付金を送金しようとすると、口座をロックしてくれるのも、安全性ゆえのこと。ロック解除のために電話をしたら、丁寧に「お客様の安全のためにお止めしました」って。
いや、止められたら困るんですけど!
こんな経験、一度や二度はあるんじゃないでしょうか。コンビニでおにぎりを買うのは自由なのに、自分のお金を動かすのに許可がいるって、ちょっと不思議な話ですよね。
そんな愛しい銀行ですが、先日10月16日には米国のザイオン銀行とウエスタン・アライアンス・バンコープが同じ債務者に詐欺で損失を被ったと提訴したとか。
え、銀行って融資先の優劣を見極める目利きで商売してるんじゃないの?
トレーダーが株を買った瞬間に価格がドン下げしたからって、相手を訴える?それと何か違うの?
なんて疑問を感じたあなたは、もはやビットコイン以外の通貨は詐欺と思う準備ができている本物です!
さて今回の記事では、銀行が損失を出さないために融資条件を厳しくする結果、借り手は徐々に預金から手を引き、ビットコインの現物を購入し、資金が必要な際にはBTC担保ローンで金利を払い資金調達する動きが加速するのではないか、、、という内容について書いてみたいと思います。
通貨の価値は下がり、法定通貨の貸し出し条件は厳しくなる
まず、ちょっと興味深い言葉の話からしましょう。
今年10月3日にJPモルガンが報告書で「地政学的緊張の高まりや米国の選挙の接近により、金とビットコインの双方が有利に働く可能性が高い」と書いたことで、一躍注目を浴びた言葉があります。
ディベースメント取引です。
投資家が通貨価値が切り下がることを見越して、手元資金の価値下落を防ぐため、価値を内包するゴールドなどに資金を移すことですね。
歴史的に、このディベースメントという言葉は、古代の君主が貨幣の貴金属含有量を減らし、通貨の価値を切り下げることを意味した点です。当時は通貨の中にゴールドをはじめとする貴金属が含有されていたんですね。
現代では、法定通貨の発行量を増やそうとする政治的な圧力が、ディベースメントに該当するとも言えそうです。

上のグラフはFRBのデータが示す、ドルの購買力平均の推移です。
この10年間、綺麗な右肩下がりですね。現金の価値は、今日も元気に下がり続けています。つまり銀行に預けているお金の実質的な価値は、毎日少しずつ目減りしているということです。
さてこのように価値が下がり続けている通貨ではありますが、借入をするためのハードルは、徐々に高くなっています。
2025年7月発表のFRB「シニアローンオフィサー意見調査(SLOOS)」によると、米国の銀行は企業向け・家計向けともに融資基準を厳しくしている傾向が続いています。
参考記事:Senior Loan Officer Opinion Survey on Bank Lending Practices
特に商業ローンや不動産ローンでは「貸出の条件が厳格化」され、融資を受けたい企業や個人の需要も鈍化している状況です。
さらにこの状況で、冒頭に述べた米国地銀の損失発生です。 今後も融資条件が厳しく締め上げられることは、逃れられないでしょう。
つまり、こういうことです。
通貨の価値は日々切り下がり、銀行の貸出基準は日々切り上がっている状況にある。
おかしくないですか?
ラーメン屋で「麺の量は減らすけど、入店の条件は厳しくします」と言われているようなものです。価値が下がり続けるものを借りるのに、どんどんハードルが高くなるって。
いやもうビットコイン担保ローンでいいやん
さてこの状況が続くと、人々はどこかで(すでに?)銀行から借入を受けることに魅力を感じなくなると思われます。
ではどうすれば良いのでしょう?
おそらく参考になるのは、ビットコイン・トレジャリー企業のボスであるストラテジー社の戦略です。
同社の哲学はシンプルです。バランスシートの資産側にBTCという価値が減耗しない資産を建て、負債側に価値が下がり続ける法定通貨を建てる、というものです。
そして資金を借りるための金利コストに10%超を支払ったとしても、ビットコインの歴史的な年率成長率は50%程度で推移していますから、仮にその勢いが続くのなら「借りれば借りるだけおトク」ということになります。
実際、これは机上の空論ではありません。結果、ストラテジー社は企業価値1,010億ドル(約15兆円)を超える巨大な存在となりました。
「でも、それって企業の話でしょ?」と思われるかもしれませんね。
いいえ、これを個人に落とし込むと、こうなります。
銀行に法定通貨を預金することは今すぐに止め、その現金を使ってBTCを購入し、法定通貨が必要なときにはBTCを担保にして法定通貨を借り入れた方がバランスシート上は健全になる、、、はずです?
もう少し細かく見ていってみましょう。
日本でもBTC担保ローンは存在する
さて上記のような戦略を実行するには、BTCを担保として受け取り、現金を融資してくれる相手が必要になります。
日本では、フィンターテック社などがBTC担保ローンの提供を行なっています。
サイト上の情報では、BTCの担保評価は5割、金利は4〜8%とか。
仮にビットコインが円建てで1,600万円なら、1BTCを担保にして800万円を借りることができるということですね。そして重要なのは、借受であれば、利益確定にはならないですから、最大5割を超える税負担もありません。
ただし注意点もあります。BTC暴落で追加担保を入れないと自動売却され利確扱いになる模様です。ここはリスク管理が必要ですね。
ストラテジー社は社債の利回りで10%超を平気でオファーしているので、それと比較すれば調達コストは安い?
まあ、これもビットコインの年率成長がどの程度に収まると判断するかによりますね。
過去には記事の中で、ビットコインの価格上昇率は年率26%程度に収まるのでは?などと書いたりもしました。
参考記事https://coinkeninfo.com/26percent-tag-for-information/
仮にこの通りにビットコイン価格が推移するなら、8%の金利コストで必要な法定通貨を調達する、という考え方も、悪くはないと判断できるかもしれないですね。
26% - 8% = 18%の実質リターン。 銀行預金の金利が0.1%以下であることを考えると、大きな差です。
この変化の背景にある3つの構造的要因
なぜ今、このような動きが現実味を帯びてきたのでしょうか。
ここには3つの構造的な変化が重なっていると考えています。
第一に、法定通貨への信頼の揺らぎです。 各国政府の財政赤字拡大と金融緩和政策により、通貨の価値希釈は避けられない状況にあります。これは一時的な現象ではなく、構造的なトレンドになっている可能性があるんじゃないでしょうか。
第二に、銀行システムの硬直化です。 規制強化とリスク回避姿勢により、銀行は「リスクがあるなら貸さない」状況を選択しています。冒頭の米国地銀の提訴は、この傾向をさらに加速させるでしょう。
第三に、ビットコインインフラの成熟です。 BTC担保ローンサービスの充実、規制環境の整備、機関投資家の参入が進むことで、BTCを資産として活用する現実味も少しずつ増えてきています。
これらが同時に進行しくなら、2026年は「脱預金」の年になるかもしれません。
「銀行預金が安全」という常識を疑ってみる
「銀行預金が安全」「借金は悪」。
こういう常識、ある時代には正しかったかもしれません。でも、通貨の価値が年々下がり、借りるハードルが年々上がる今の状況では、その常識を疑ってみる必要があるのではないでしょうか。
ストラテジー社のマイケル・セイラー氏は「借金は悪いものではない。悪い資産を持つことが悪いのだ」と言いました。この言葉の意味が、これからの数年でより明確になっていくかもしれませんね。
一般的に言われている「お金は銀行に預けておくのが安全」というアドバイスは、確かに元本保証という意味では正しいです。でも、「安全」の定義って、もしかすると変わってきているのかもしれません。
名目上の金額が保証されていても、その価値が日々下がり続けているなら、本当に安全と言えるのでしょうか?
2026年、私たちの資産管理の常識は変わるかもしれない
というわけで、2026年は「脱預金」の動きが少しずつ加速していく年になるかもしれない、という話でした。
もちろん、全員がビットコインを買うべきだ、なんてことは言いません。
でも、少なくとも「お金との付き合い方」について、選択肢が増えてきているのは確かです。
銀行預金だけが唯一の正解ではなくなってきている。ビットコインを担保にしたローンという新しい手法が、徐々に現実的な選択肢になってきている。
そして何より、「通貨の価値は下がり続け、融資のハードルは上がり続ける」という矛盾した状況に、多くの人が気づき始めています。
2026年、私たちの資産管理の常識は、大きく変わる可能性があります。
その変化に備えて、今から柔軟な思考を持っておくこと。そして何より大切なのは、「当たり前」を疑ってみることです。それが、これからの不確実な時代を生き抜く一つの鍵になるのではないかと考えています。
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