ビットコインも米国株も、現在ひたすらに売り込まれている状況です。

原稿を執筆している2025年3月11日現在、暗号通貨のヒートマップは真っ赤になっています。

↑ TradingViewヒートマップより

しかし、暗号通貨よりもさらに厳しい状況に置かれているのが、ビットコインのマイニング関連株です。

投資状況でわかりやすいのは、主要なビットコイン採掘関連企業に投資する ETFの代表格であるWGMI(CoinShares Valkyrie Bitcoin Miners ETF)でしょう。

このETFは、主に採掘事業や関連サービスから収益を得る企業に8割以上を投資していて、ビットコイン自体は保有していない、ナスダック上場の投資商品です。

以下のチャートは、2024年8月10日のビットコイン半減期以降の騰落率を表示したものです。

↑WGMI vs ビットコイン:BTC半減期後の価格動向(%変化)

このチャートは、マイナー株のWGMI ETF を黒いキャンドルで、ビットコイン (BTCUSD)価格をオレンジ線で描画したものです。

右軸は%変化を示し、BTCは現在+32.34%で推移するも、WGMIは現在-16.92%となっています。何よりもプラスとマイナスで明暗が別れた格好ですね。

なぜこのようなことが起きるのかについては、2024年2月に書いた以下の記事が参考になるかもしれません。

Vol.248 マイニング株は構造的な不利さを抱えている(2024年2月27日

せっかくですから、ここで書かれていた内容をClaude aiに読み込ませてポイントをまとめてみました。

↑ビットコイン vs マイニング株:構造的不利と投資判断の分かれ道

今のマイニング株の推移は、まさにこのリスクが体現化したものだと言えそうです。

ここからは、現状をもう少し詳細に掘り下げてみましょう。

2024年8月 vs 2025年3月:ビットコイン価格とマイニングコストの変化

まずビットコインの半減期である2024年8月10日と2025年3月10日時点でのビットコイン価格、WGMI ETF価格、ビットコイン採掘コストの比較分析を以下にまとめました。

↑ 三要素の比較分析マトリックス:2024年8月10日と2025年3月10日 (Perplexity作図担当)

(ご注意:3番目のBTC採掘平均コストは、あくまでも推定の平均値です。マイナーさんが保有しているマシンや拠点によってコストは千差万別ですので、あくまで時間が推移した中での比較とご理解ください)

この7ヶ月間の推移を見ると、ビットコイン価格は年率換算で77.28%上昇しているのに対し、マイニングコストは155.13%も上昇しています。一方、WGMI ETFは31.70%の下落となっています。

ちょっと分かりづらいので、年率換算のCAGR比較をビジュアル化してもらいました。

↑ 7ヶ月間の増加率と重要ポイントに焦点を当てたインフォグラフィック(claude作図)

こうしてみると、、、

すごく分かりやすくないですか?

ビットコインの価格上昇率よりもマイニング費用の平均値が急速に上昇したため、採掘業者の株価はマイナスに転落しました。

さらに2025年3月現在、米国の株価指数であるS&P500も下落傾向にあります。

ビットコイン採掘企業の株価は、以下の要素で大まかに決定されると考えられます:

(BTC価格 - 採掘費用)× 米国の株価指数

これに各企業の間接費、税金、経営者への報酬などが加わり、最終的な株価が形成されていきます。

安物買いの銭失いにならない(自戒を込めて)

2024年の半減期頃には、「ビットコインより株式保有の方が税金面で有利」という理由でマイニング株が注目されたこともありました。

しかし、一見お得に見える投資機会には何らかの理由があることが多いものです。

筆者は、奥さんにしょっちゅう「安物買いの銭失い」と叱られます。100均に行くと、全部お得に見えて、買いすぎてしまうんですね。。。

でも、お得に見えるものには、何かの理由があることがほとんど。

それを正しく値付けできる知識がないのであれば、割高に見えてもビットコインという原資産を保有しておいた方が、結果的にリスクは小さいともいえます。

さらに、各マイニング会社の内情や経営者の素行・感情など、我々は知りようもありません。

投資で稼ぎを得ることも大切ですが、同じくらい「安物買いの銭失いにならない」ことも大切ですね。

筆者も100円均一で買いすぎないよう、気をつけます。

AIまとめ:

この記事では、半減期後のビットコインとマイニング株の明暗を分けた主要因を分析しました。

  1. 明暗を分けたマイニングコスト:ビットコイン価格が年率77.28%で上昇する一方、マイニングコストは年率155.13%と倍以上のペースで急増しました。この収益構造の悪化が、WGMI ETFの31.70%の下落に直結しています。
  2. 構造的不利の現実化:2024年2月の分析で予測した「マイニング株の構造的不利」(競合の増加、報酬の減少、参入障壁の低さ)が、2025年の市場で顕在化しました。現在のP/C比1.01は、多くの採掘業者が損益分岐点付近で苦戦していることを示しています。
  3. 効率格差の拡大:効率的なマイナー(コスト約$27,000)と業界平均($87,471)の間で収益性の差が拡大しており、今後も淘汰が進む可能性があります。
  4. 投資判断のポイント:「ビットコインの方が税金面で不利」といった理由だけでマイニング株を選ぶよりも、原資産であるビットコイン現物を保有する方が結果的にリスクを抑えられる可能性が高い。

マイニング株は一見「お得」に見えますが、「安物買いの銭失い」とならないよう、コストと収益構造を冷静に分析することが肝要です。

半減期後の市場では、ビットコイン価格上昇だけでなく、マイニングコストの動向にも注目していく必要がありますね。

引き続き、ハッピー・ビットコイン!