ビットコイン、暴落シナリオVol.3 へようこそ!

この原稿を書いている1月20日現在、トランプ大統領は自身と奥さんのミームコインをローンチし、稼ぎまくっていますね。ビットコインは、暴落の気配すらありません。

さて注目のトランプ氏、就任演説でJFK暗殺文書の公開を実行すると発表しました。

おそらくこの背景には、閣僚の重要ポストを占めるロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr.)の立場を強くするという思惑が含まれているのでしょう。

仮にRFK Jr.の立場が政権内で強くなった場合、ビットコインにはかなりポジティブな影響が及ぶと考えられます。

なぜなら彼は、アメリカ合衆国がビットコインの総流通量2割の400万BTCを戦略備蓄する提案を出した張本人であるからです。

そしてRFK Jr. の立ち位置を強く維持しておくことは、米国内の暗号通貨保有者からの支持率を確実にトランプ政権に釘付けにしておくことに直結します。

米国内の有権者うち暗号通貨を保有する人々の割合は、2028年には有権者の35-40%にまで到達する可能性があります。

この数字は、もはや現在最大の投票ブロックであるカトリック教会(25-27%)を上回る規模となるわけで、政策立案者たちが暗号資産に対してより好意的なアプローチを取らざるを得なくなることには、疑念を挟む余地もありません。(Vol.293 ビットコイン暴落シナリオVol.2 ~トランプ大統領の政権交代リスク~ から一部抜粋)

トランプ氏のJFK暗殺情報の公開は、そこまで見通してのアクションなのでは無いかと筆者は感じました。

さて上記のように、ビットコイン市場には強気な政治要因が目白押しとなっています。

だからこそ、ビットコインに何か突発的な出来事が起きてしまうと、市場はパニックに陥り突発的にリスク回避で底値で売却をしてしまったりすることに繋がりがちです。

このシリーズは、ビットコイン市場に起こりうる様々なリスクに対して、事前に「耐性」をつけておくためのトレーニングとして書いているとご理解ください。

それでは行ってみましょう!

SATOSHIの初期コインが移動する

仮に今、ビットコインの大量保有者が一気に現物を売却することになれば、価格には下落圧力がのしかかることになります。

では現状、最もビットコインを保有しているのは誰なのでしょうか。

以下は「Who Owns The Most Bitcoin​?」という記事内でまとめられていた2024年12月時点での推定保有量のスナップショットです。

↑ Satoshiの初期採掘ビットコインは総流通量の4.6%に上るhttps://www.the-blockchain.com/2024/12/18/who-owns-the-most-bitcoin/?t

一番左下に Satoshi / Patoshi と書かれているものが対象ですね。

Satoshi本人から聞いたわけではないので、これらは全て推計となるわけですが、一般的には100万から110万BTCがSatoshiによる初期採掘分だと考えられています。

法人でのビットコイン最大保有者は、みんなご存知マイクロストラテジーで、2025年1月13日時点で45万BTCを保有しています。

つまり、誰ももう動かないと思っているSatoshi本人の初期採掘ビットコインが売却されることになれば、その量はマイクロストラテジー社保有分の2倍以上となるわけです。

以下はGPT4に計算をしてもらった価格下落のインパクトです。

「中本聡が保有する約1,000,000 BTCを一度に売却した場合、ビットコイン価格は現在の約半値($47,283程度)まで下落する可能性があります。ただし、市場環境や流動性によっては、それ以上の影響も考えられます。このような大規模な売却は、ビットコイン市場全体に深刻な混乱を引き起こすでしょう。」

まぁ、ざっくり半値落ちということですね。

では本当にそんなことが起きるとしたら、予兆はどこに出るのでしょうか?

またこのシナリオは起こりうるのでしょうか?

続きでちょっと考えて行ってみましょう。

Satoshiのビットコインアドレスを見てみよう

2009年1月12日にSatoshiがハル・フィニーに最初の個人間ビットコイン取引を送信した際のアドレスは把握をされています。

↑ Satoshiアドレス

https://www.blockchain.com/explorer/addresses/btc/12cbQLTFMXRnSzktFkuoG3eHoMeFtpTu3S

こうして公開台帳で、誰もがすべてのトランザクションを確認できる事は、ビットコインの利点ですね。

面白いのは、このSatoshiの公開アドレスには、結構な数の投げ銭が送り付けられていることです。

中には100ドル以上のトランズアクションも結構あり、Satsohi神社へのお賽銭はなかなかのものであることがわかります。

そして、このアドレスからの出金取引はSatoshiにしかできないことです。

つまり、このアドレスから1回だろうと1ドルだろうと送金トランザクションが発生した時には、市場ではビットコインを売却する動きが加速するものと考えます。

では、私たちはどう対処すべきか?

さて、ここまでは、Satoshi保有のビットコインが動かされることで、大量売却の思惑からビットコイン価格が下落するリスクについて考えてきました。

ところで大切なのは、ではこのシナリオがどの程度の確率で発生するかと言う点です。

例えばオプション市場であれば、ボラティリティーを計算することで、市場がどの程度の確率でどの値段がヒットすると織り込んでいるかを計算することができます。

ですが、Satoshiが実は生きていて、どの程度のビットコインを動かす意図があるのかについては、確率を計算しようがありません。

そして、計算することができないリスクは結局のところ考えたところで意味がないのです。

ちょっと乱暴な結論に思えるかもしれませんが、これはゴールドにも同じことが言えます。

例えば現在、2027年に米国がアルテミス計画を実行して月面着陸を成功させたとします。

そして月面を調査した結果、地表から40センチ下に最高含有率のゴールドが出てきたとします。

こうなれば、ゴールドの価格は一旦は激しく下落することになるでしょう。

ですが結局、この手の話は、リスクを計算しようとしても数値に置き換えることができないのです。

もしSatoshiが生きていて、ビットコインを売却する場合のリスクも考えておきたいということであれば、その時は50,000ドルを割ったところに指値を置いておくことも選択肢でしょう。

しかし現実問題として、その(指値用の)資金を放置しておくことによるコストをどう正当化するかと言う問題も出てきます。

つまり対策としては、① Satoshiのビットコイン移動リスクは無視する ②50,000ドル下の下落に備えるいずれかになると考えます。

こう考えていくと、リスクに備えすぎることのリスクもあるとわかります。

何事も、、、バランスですね。

まとめ:知っておくべきリスクと、備えすぎないことの知恵

当レポートでは、ビットコイン市場における最大の「ブラックスワン」とも言えるSatoshiの初期コイン移動について検証してきました。

約100万BTCという巨大な数量は、確かに市場に大きな影響を与える可能性があります。

しかし、重要なのはリスクの「認識」と「対応」のバランスです。Satoshiコインの移動という計算不能なリスクに過度に備えることは、かえって投資機会の損失につながる可能性があります。

これは、ビットコインのセルフ保管強度を上げすぎてセルフゴックスしてしまう問題とも根本は同じですね。

むしろ、こうした極端なシナリオを理解しつつも、長期的な視点でビットコインの本質的な価値を理解して信念をぶらさ無い人が残るものと考えます。

トランプ政権下での暗号資産フレンドリーな政策展開や、増加する機関投資家の参入など、ファンダメンタルズは依然として強いですからね。

引き続き、ハッピー・ビットコイン!

ココスタ

佐々木徹