DeFi 裏話
引き続きDefiの実験・実体験をいろいろしています。あまりにおもしろいことが次々起こるのではまっています。今回は裏話的に2つのエピソードを書きます。
※今回はすこし面白おかしく書いてみました
その1 コントラクトの引き出し手数料が90ドルだった件
ここのところ注目をあつめているステーブルコイン同士の交換をするCurve.fiというプラットフォームをいじっていました。ここにコインをあずける(流動性)を提供してみるという体験をしてみました。もちろんイキナリやるのはあぶないので、少額でテスト。USDTを使ってやってみます。100USDTを預けてみました。預ける時のETHの手数料は、3ドルくらい。そのあとステーキング云々とかがあり、プラス5ドル。7ドルくらいでした。
まあまあ、ひどく高いけど、まあ悪くないか・・・
さて、元に戻るか引き出してみよう・・・。Metamaskの手数料表示をみると・・・・。
「え?」
90ドル!
「は?」
ガスプライスは最高潮に達していたときなので、その影響もありますが、アホみたいな額をとおりこしていました。
でもテストなので、やるしかありません。90ドルの見積りでトランザクションをしました。(※実際にConfirmされると45ドル程度で済みました)
ガス代負けという話は本当でしたね。
では、このガス代だと、どのくらいのロットなら利益がでるのでしょうか。仮にこのDefiがAPR(年利)で10%の利益があるとします。
預入と、引き出しで、100ドルかかるとしましょう。となると、1000ドルを原資に1年間あずけて、トントンということになります。利益のすべてが手数料で飛んでしまいます。
では、利益のうち何%が手数料ならがまんできるでしょうか?という解いをたててみます。1%?0.5%?
かりに1%とするなら、原資は10万ドル、0.5%なら20万ドルほどの原資が必要です。
Uniswapなどの統計でもユーザーあたりの平均が20万ドル?とか聞いてます。つまり、はやりこのくらいの資金力がひとつの目安だということなのでしょう。Defiやるなら20万ドルから!大口が有利だというのは知っていましたが、数字をみると、如実すぎでした。
その2 鯨と遭遇した話
先月末から、KavaというプラットフォームがBNBを原資にステーブルコインを生成するとコインがもらえるキャンペーンをがはじめました。
私もこれに参加しようとしてBNBを用意して、ウォレットに仕込んでおきました。さて、キャンペーンも近づいたしそろそろコインの生成しようかと、といざやってみると・・・やられました。
「エラー。すでに生成上限に達しています」
生成できない。そうです。上限があったのです。知らなかった。ミスりました。その値は4百万USDでした。
そして、どうもその4百万USDのうちの3.5百万USDを、たった一人の鯨が生成していることがブロックチェーンの記録からわかりました。
OMG...
運営側はこの上限を徐々に広げていくとアナウンスしました。そして、4百万から5百万にひろげるぞ!というアナウンスがでて、みんなその時をまちかまえていたのです。
そして、実際に枠が広がってみると・・・・
30秒後。
「生成上限に達しています」
は???
今回もこの鯨が全部生成していました。みんな激怒!
はい、ということで、大口さんのプレイによって市場が独占されてしまっています。こういうことはクリプトの世界ではよくあるので、驚くことでもないんですが、見事なのは大口の手口です。
つまり、この大口は、資金力に加えて技術ももっているようで。自動でやってるんですね。
自動の方法は想像するのは容易です。
まずKavaのフルノードを立てる。上限を確認するAPIを叩いて枠が拡大されてないかをブロック生成毎に確かめる。拡大されていれば、直ぐに用意していたTXを流す。TXはその場で作るのではなく、念の為事前に生成しておいて、オフラインでサインだけしておく。
間違ってブロードキャストされても、上限が拡大されてなければエラーになるだけで問題なし。事前にサインしておけば秘密鍵をオンラインにのせる必要なし。といった感じでしょうか。
個々のステップの技術的な面だけみると、私もやればできるほどで、ちょいとしたスクリプトを作ればよいです。これができないブロックチェーン技術者はいないレベルです。
しかし、Kavaというマイナーなチェーンのフルノードを立てて同期する、Rawトランザクションを作る、オフラインサインする、チェーンのモニターとTX発行を自動化する、この4つの要素の掛け算になると、とたんに出来る人が激減します。
つまり、ひとつひとつの知識は平凡でも、それが4つ重なる領域では、きわめて差別化できるという。まさに、技術者のキャリア形成のお手本のような話なわけですね。
加えて6億円を超す資金力。(この鯨は6億円分のBNBを弾として用意していることが判明しています)。この鯨の正体は不明ですが、ファンドかVCでしょうか。たいした鯨です。
株の世界でも、いわゆるフラッシュボーイズ・高速取引のヘッジファンドが、ノーリスクで落ちている鞘を拾ったのと一緒ですね。
つまり、まあ、こういうタイプの競争に入ってきているというわけで、素人が早押し競争で勝てる時代ではおわり、金融知識、最新のトレンドを追う能力に加えて、技術と資金力がないと勝てない時代になりました。このあたりも、リアルな金融業界と一緒かも知れませんね。
今回はコラム的にかきました。ひきつづきDefiいじりを継続する予定です。みなさんもよいDefiライフをひきつづき。(大石)
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