こんにちは。暗号通貨の市場で2番目の時価総額規模となるイーサリアムも、最近は少し値動きに元気がないような印象を受けますね。下の図は暗号資産の時価総額ランキング上位5者を並べたものです。

↑イーサリアムは直近30日間の値動きでも下落率が大きい(時価総額Top5をランキング~coinmarketcapから)

この記事では、イーサリアムが少し正念場に差し掛かっているかもしれないね・・・ということを書いてみたいと思います。

もちろん、将来の値動きのことは分かりません。あくまでも「ああ、こういう見方もあるのだな」程度で、思考の踏み台にしていただければ幸いです。

※ 本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言や推奨を意図するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが伴います。投資判断の際は、自己責任で十分な調査と専門家への相談を行ってください。

イーサリアムを買い始めている投機市場もあるけれど?

まず最初に見ておきたいのは、イーサリアムの値動きに一定の影響を与える、投機市場の動向です。

いわゆる「大口投機筋」などと呼ばれるカテゴリーの参加者が、どの程度の買いや売りを市場に残しているかを追っていくと、示唆を得られることがあります。

下の図は、彼らが残している買いポジションから売りポジションの枚数を差し引いた「ネットポジション」の推移をチャートに表示してみたものです。

↑イーサリアムの大口投機筋のネット枚数は、直近で買い越しへと移り変わっている

図中でハイライトした部分は、その投機筋の参加者が保有しているポジションの残高が、売りから買いへと切り替わったタイミングです。

これだけ見ると、切り替わった後は微妙に下げたのちに、反発上昇へと転じています。いいんじゃね?

いやいや、少し違った角度から見ると、また別の動きが見て取れたりします。

トレーダーは売り越しに転じている

さて上記で取り上げた大口投機筋の保有ポジションである「枚数」では、ネット残高が強気な推移を見せていることがわかりました。

ところが市場でポジションを保有しているトレーダーの「数」で比較をしてみると、少し違った景色が目に入ってきます。

下のチャートは、同じ大口投機筋のロング保有トレーダー数から、ショート保有トレーダー数を差し引いたものになります。

↑イーサリアムの大口投機筋のネット「トレーダー数」は、直近で売り越しへと転じている

あくまで2023年8月以降の傾向でしかないのですが、上記の数字がマイナス圏へと転落すると、そのあとのイーサリアムは下落での調整が起きていることも分かります。

今回がどうなるかは分かりませんが、弱気なポジショニングを取っている大口も一定数はいることは、頭の片隅に残しておいてよいのかもしれません。

※ トレーダー数の説明は、こちらのYouTube公開動画で説明しています。必要に応じて、参考にしてみてください。


まさに正念場に来ている先物曲線

もう一つの気になる材料は、イーサリアムの先物曲線です。

基本的に暗号通貨の先物曲線は、将来価格の方が高い「コンタンゴ」の形状になります。

※ もし用語が分かりづらい方は、以下のClaude補足説明を参照ください

補足説明:

  1. 先物曲線とは: 先物曲線は、現在から将来にかけての商品(この場合は暗号通貨)の価格予想を表すグラフです。横軸が時間、縦軸が価格を示します。
  2. コンタンゴとは: コンタンゴ(contango)は、先物市場で見られる現象の一つで、将来の価格が現在の価格よりも高くなっている状態を指します。つまり、時間が経つにつれて価格が上がっていく傾向を示しています。
  3. なぜコンタンゴになるのか: 暗号通貨の場合、以下の理由でコンタンゴになりやすいです:
    • 保管コストがほとんどかからない
    • 将来の価格上昇への期待
    • 投機的な需要
  4. 初心者向けのたとえ: コンタンゴは、スーパーでの果物の価格に例えるとわかりやすいかもしれません。今すぐ食べられるリンゴより、来月食べられるリンゴの方が少し高い価格で売られているようなものです。
  5. 反対の現象: コンタンゴの反対の現象を「バックワーデーション」と呼びます。これは将来の価格が現在の価格よりも低い状態です。

以下のチャートは、イーサリアムのコンタンゴ動向を簡単に表示してみたものです。

グラフが上に向かえば「コンタンゴ」、下に向かえば「バックワーデーション」に近づくと考えていただければOKです。

↑イーサリアムのコンタンゴが20を割り込むと分岐点に到達している

これを見ていくと、2023年の11月以降では、イーサリアムのコンタンゴが20を割り込むと以下のような動きが見て取れます。

  • 上昇局面;買い場として機能している(赤い矢印)
  • 弱い局面;支えきれずに大幅下落の起点になってしまう(青い矢印)

直近、8月16日の終値では、この分岐点に到達をしてしまっています。仮に市場が支えきれなければ、さらなる下げもあるのかもしれません。

なお、上記のような簡易チャートを見る場合の注意点があります。それは、「終値以外は無視すること」です。

たとえばチャート内のコンタンゴ右側は、なにか派手に下げしているような顔をしています。ですが、これは終値ではありません。

CMEの暗号通貨先物市場は、あまり流動性がありません。そのため終値以外では値が飛んで、え?となるような見た目を作ることがあるのです。

覚えるのが面倒であれば、CMEの暗号通貨先物価格は、終値以外無視!でOKです。

まとめ:イーサリアムの現状と考え方

イーサリアムの市場動向を分析した今回の記事から、以下のポイントが浮かび上がりました:

  1. 大口投機筋の動向:
    • ネットポジション(枚数)では買い越しに転じているが、
    • トレーダー数では売り越しの傾向が見られる。
  2. 先物曲線の状況:
    • コンタンゴが20を割り込み、分岐点に到達。
    • 過去の傾向から、支えられなければ大幅下落の可能性がある。
  3. 投資判断のヒント:
    • 単一の指標だけでなく、複数の視点から市場を分析することの重要性。
    • 特にトレーダー数の分析が、底値での売却を避ける助けになる可能性。
  4. 注意点:
    • CMEの暗号通貨先物市場では、終値以外の価格変動に惑わされないこと。

イーサリアムはビットコインとは異なる精神で生まれた暗号通貨です。前者は分散コンピューティングであり、後者は分散通貨です。

お互い、切磋琢磨しながら頑張ってほしいですね。

今週は以上です!

ココスタ

佐々木徹