はじめに

こんにちは!ビットコインが最高値の突破に手間取っている間、一部の資金はイーサリアムに流れ込んでいるようです。なんだか久しぶりに元気ですね、イーサ!

図1:イーサリアム/米ドル 日足チャート(2025年1月〜8月)

2024年につけた重要な水準である4,107ドルを明確に上抜けてきたイーサリアム。次の節目は2021年11月10日につけた過去最高値である4,868ドルとなってきました。

強いですね。

今回の記事では、今のイーサリアム上昇が単なる一時的な気まぐれなのか、それとも市場のセンチメントそのものが変わってきているのかを、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のポジション明細から探ってみたいと思います。

CFTCデータとは?基礎知識編

今回使用するのは、CFTC(Commodity Futures Trading Commission:米国商品先物取引委員会)が公開している建玉明細のデータです。

CFTCって何? 

CFTCは、アメリカの商品先物取引を監督する政府機関です。言い換えると、「商品や通貨の将来の値段を予想する取引のルールを決めて、監視している組織」というイメージです。まるで野球の審判のような存在ですね。

建玉明細とは?

 建玉明細とは「誰がどのくらいの量の取引をしているか」を示すデータです。

例えば、コンビニの売上データを見ると、おにぎりが何個売れたか分かりますよね。

それと同じように、ドルやゴールド、原油などの取引で「誰がどのくらい買いや売りのポジションを持っているか」が分かります。

そしてCMEで取引されているイーサリアム先物も、このデータを提出しているのです。

前置きはこのくらいにして、ちょっとイーサリアムに起きている変化を確認してみましょう!

市場参加者の3つのグループ

CFTCのデータでは、市場参加者を大きく3つのグループに分類しています。

図2:CFTCが分類する市場参加者の特徴

上記からも、「大口投機筋」とは、純粋な利益を市場から狙っている参加者の動向であるとわかります。

(小口に関しては誰か特定できるわけではないので、上記説明はあくまでも一般論と受け取っておいてください)

ネットポジションとは? 

大口投機筋が保有している買い残高から売り残高を差し引いたものを「ネットポジション」と呼びます。数字がプラス(買い残高の方が大きい)時を「ネットロング」、逆を「ネットショート」とも呼びます。

一般的な見解としては、投機筋がネットロングに切り替わると、市場全体としても強気な見方をする人が増えてきているということになります。

実際のデータで見るイーサリアムの動き

それでは、イーサリアムのポジション明細を見てみましょう。

図3:イーサリアム価格チャートと大口投機筋のネットポジション(枚数ベース)

ちょっとよく分からないことになりました。

過去の動向を見てみると、以下のようになっています。

ネットロングに切り替わった後にダダ下がり 

ネットショートに切り替わった後に上昇

ネットロングに切り替わったけど上昇?? ⇦ 今ココ

これだけ見ると、「大口投機筋が買い越しになろうが、売り越しになろうが、関係ないじゃん!」となりそうです。

もっと言えば、「なんか建玉とか難しそうな言葉でケムに巻いたけど、その程度なんじゃん!」ともなりそうです。

さらに言えば、「こんなんだったら、じゃんけんでいいじゃん!」ともなりそう、、、です?

「枚数」と「トレーダー数」の違いが見せる真実

このままだと、いつもお世話になっている建玉明細の面目が立ちません。ということで、ちょっとだけ別の見方を紹介してみます。

図4:イーサリアム価格チャートと大口投機筋のネットポジション(トレーダー数ベース)

どうでしょう?今回は以下のようになっています。

ネットロングになる → イーサリアムは上昇で追随 

ネットショートになる → イーサリアムは下落で追随

再びネットロングになる → 上昇?

図3と図4で何が違うかといえば、それは集計方法なんですね。

  • チャート2は「枚数」
  • チャート3は「トレーダー数」

を参照しています。

CFTCデータの2つの集計方法

CFTCデータを見る際、多くの人が「枚数が大きければ精度が高い」と単純に考えがちです。

でも実は、CFTCの集計データには「枚数」と「トレーダー数」という2つの異なる数え方があります。

この違いを理解しないと、市場の本当の姿を見誤ってしまう可能性があるのです。

枚数(契約数)とは、実際の取引量やポジション量のことです。言い換えれば、「どのくらいの量の取引がされているか」を示す数字というイメージです。

一方でトレーダー数は、その取引に参加している人数を表します。

レストランの例で理解する集計方法の違い

レストランで考えてみると、分かりやすいかもしれません。

「今日は料理を100皿出した」というのが枚数の概念です。「今日は50人のお客さんが来た」というのがトレーダー数の概念になります。

同じ100皿でも、50人が2皿ずつ注文したのか、10人が10皿ずつ注文したのかで意味が大きく変わりますよね。

2つの数字から見えること

枚数が多い+トレーダー数も多い場合 → 多くの投資家が幅広く参加している状況

枚数が多い+トレーダー数が少ない場合 → 少数の大口投資家が大きなポジションを持っている状況

イーサリアムに見る投資家心理の変化

チャート3に現れているのは、より多くの投機トレーダーたちがイーサリアムへの買いを入れ始めているという実態です。

レストランの例で言うなら、同じ料理が出されていたとしても、より多くのお客さんが来始めた方が、業績も上向く可能性がある、、、という考え方ですね。

これは単なる数字の変化ではありません。市場参加者のセンチメントの変化を示す重要なシグナルなのです。

トレーダー数という指標をみる限り、イーサリアムの強気は始まったばかりと言えるかもしれません。頑張ってもらいたいですね。

まとめ:CFTCデータを活用した暗号資産投資戦略

🎯 今回の分析から得られた重要な洞察

  1. データの見方を変えると見える景色が変わる
    • 枚数とトレーダー数、両方の視点で市場を見ることの重要性
  2. イーサリアムの現在の強さには根拠がある
    • 多くの専門投資家が参加し始めているという事実
  3. 市場センチメントの変化を捉える手段
    • CFTCデータは投資家心理の変化を読み取るための有効なツール

💎 最後に:暗号資産投資の醍醐味

CFTCの枚数とトレーダー数を組み合わせて見ることで、チャートだけでは分からない市場内部の圧力を把握できる可能性が上がります。

数字の裏側にある投資家心理や戦略を想像するのは、まるで推理小説を読むような面白さがあると感じることもあります。

イーサリアムの今回の上昇も、単なる価格の動きではなく、多くの投資家たちの判断と期待が積み重なった結果だと言えるかもしれません。

皆さんもぜひ、CFTCデータを活用して、市場の新たな一面を発見してみてください。データが示すストーリーの中に、次の投資機会のヒントが隠されているかもしれません。

ハッピー・ビットコイン! 🚀

ココスタ 佐々木徹