ついに手紙とはがきの値上げが決まりましたね。総務省によれば、定形外郵便の手紙は84円から110円になるとのこと。

インフレが日常風景のアメリカでも、郵便代は値上がりを繰り返してきたようです。

あまりに改定回数が多くなったためか、2007年には値段の書かれていない永久切手(Forever Stamp)が登場します。

値上がり後でも追加料金なく郵便を送ることができる切手を見たときに、物価が上がり続ける前提のシステムに自分も組み込まれていることに、なにか出口をふさがれたように感じたことを覚えています(そのときはビットコインを知りませんでした)。

さて、物価が上がり続けることは、手持ち現金の価値が下がり続けることと同じです。現在の「買う力」を維持しようとするなら、通貨以外の何かに財産を移しておく必要があります。

ですが、アメリカの永久切手に全財産を入れるわけにもいきません。

それよりも私たちがすべきことは、まず通貨の代わりに安全な資産の退避場所を知っておくことだと考えました。

そこで、当記事では米ドルの増え方に、もっとも価格が追随しやすい資産クラスを探してみることにします。

ドルの量に最も追随する資産はイーサリアム

先に結論を書いておきますね。ドルの増量・減少に最も価格が追随しやすい資産は、イーサリアムでした。

つまり、イーサリアムが最も、、、

〇 ドルが増えれば↑、最も値が上がりやすい↑

〇 ドルが減れば↓、最も値が下がりやすい↓

ということになります。

理由は、、、「市場がそれを選んだ」ということに尽きますね。もちろん、これが未来も続く保証はありません。

それでも、過去の傾向を知ることで、次に変化が訪れたときに対応を取りやすくなると考えます。

ですので、ここからは少し結果に至った経緯を辿ってみたいと思います。

債権・株価指数・通貨・コモディティ・暗号通貨で比べてみる

調査の方法自体は簡単です。市中に流れている米ドルの量と各資産の価格変動の相関係数を比較しています。期間は100日・500日・1,000日での結果を加重平均しています。

比較対象は、債権・通貨・株価指数・暗号通貨・コモディティから代表的な銘柄を選出しています。

ちょっと縦長ですが、結果を貼っておきますね。

以下、簡単に結果をまとめておきますね。

① トップグループは暗号通貨

トップグループの暗号通貨内では、イーサリアムとビットコインが全期間を通して最強でした、これにBNBとDOGEコインが続きます。

ただ直近100日間では、ADAやSOLANAがビットコインを上回る相関係数を見せています。

このカテゴリの特徴は、期間によって浮き沈みが激しいことです。10年間のデータを見ようとしても、ETHもBNBもSOLもADAも当時は存在していませんでした。

時間という障壁に最も耐えているのは、ビットコインとドージコインですね。

② 2番手は債権、しかし10年間では全滅

2番手の債権グループ内では、社債ETFとハイイールド債ETFの相関係数が高くなりました。これは、ドルがあふれることで市場のリスク選好度が上がり、より高い利回りを求めて市場が動いたということでしょう。

ただ、10年間という長期間にスコープを変えると、債権グループは全滅します。長期債のTLTでも相関係数は0.054。なんの関係性も見出すことができません。

どちらかといえば、「カネに余裕がある時だけ付き合ってもらえるグループ」と考えてよいのかもしれません。

③ 株価指数は3番手、気を吐くマイクロストラテジー

株価指数では、アジアの新興企業指数・ドイツDAXあたりが好スコアとなりました。これらも債権と同じく、市場のリスク選好が高まると、高ボラティリティの指数が選ばれるということかもしれません。

ただしトップはマイクロストラテジー社です。指数ではないものの、ビットコインの事実上ETFとして君臨していますから、やはり強いですね。

ただし、この株価指数グループも10年間で見るとトップの顔ぶれがガラッと変わります。

日経平均225がトップ(!!)、ダウ平均30が2番手です。

つまり長期で見る限り、米ドルの増量に影響を受けているのは日経平均ということになります。為替の影響ですかね?

④ 外為では英ポンド、しかし10年間で相関プラス維持はスイスだけ

通貨は人為的に制御されるから、あまり興味ないんですよね、、、と思っていたら、ヤバい発見がありました。

今回のランキングでは、英ポンドのみ6割の相関係数を確保しています。ただ、、、10年間で確認すると、プラスの相関を維持できたのはスイスフラン(0.66) だけなのです。

主要国の中で米国の通貨政策から独立できているのは、スイスだけということになります。

それ以外の通貨はすべてマイナスの相関となっています。以下は500週(10年間)で確認した相関です。

これが一番、個人的には戦慄を覚えました

あまり考えたくはないですが、米国の通貨発行益が原資としているのは、他国通貨の減価であると言い換えられるからです。

そして最も米国の通貨発行益を拠出しているのは、逆相関トップの日本ですね。現時点で米国債の最大保有国は日本ですからね。。。

この10年間で米ドルの流動性は、760Billion→6.4 Trillionへと、5.64 Trillion 増えています。ドル円の直近10年間の平均値は106円ですから、円換算で600兆円ですね。

2012年と2022年のアメリカと日本のGDPを円換算して比較すると以下の通りです。

米国

日本

2012

510.3兆円

491.2兆円

2022

1,184.7兆円

553.0兆円

GoogleBardしらべ

米国のGDPは674兆円の増加、日本は60兆円の増加。その差は614兆円ですね。これだけ見れば、日本の稼ぎが米国の通貨発行益に付け替えられているような。。。

いや、気のせいですね。偶然の一致でしかありません。忘れましょう。

10年間の相関ランキング&まとめ

最後に10年間(500週=9年10か月)の相関ランキングをこちらに貼っておきたいと思います。

ここまで長期にすると、納得感のあるところに落ち着きました。

ビットコイン・ゴールド・銅・銀・日経225・ダウ平均・スイスフランの順は・・・なるほどですね。

それでは今週はこの辺で。引き続き、ハッピー・ビットコイン!

ココスタ

佐々木徹