Vol.322:ゴールド53年分析で判明した「強い月」と「弱い月」 (2025年8月5日)
はじめに
こんにちは!
ビットコインが「デジタルゴールド」と呼ばれて久しい今日この頃ですが、今回の記事ではその「本家」であるゴールドの季節性について詳しく分析してみたいと思います。
果たしてゴールド価格には「上がりやすい月」「下がりやすい月」といったパターンが存在するのでしょうか?一緒に見ていきましょう!
ゴールドが変動相場制に移った日
まず過去のデータを遡るにあたって、分析の起点を明らかにしておきたいと思います。
もともとドルと金の間には固定相場制(ブレトンウッズ体制)が存在していました。しかし、アメリカがベトナム戦争の戦費に大量の資金を使った結果、通貨の裏付けに使える金の量が足りなくなってしまいます。そこで、金の固定比率でのドルとの交換を停止してしまったのが、歴史に名を残す**「ニクソンショック」**です。
これは1971年8月15日に起きた出来事で、米国大統領リチャード・ニクソンがテレビ演説で「金とドルの交換を停止する」ことを発表し、ブレトンウッズ体制は終わりを迎えました。
つまりこの日以降、ゴールドは変動相場制に移り変わっており、この起点から2025年現在までの価格データを振り返ったときに、どのような傾向があるのかを確認していきます。
💡 初心者向け解説変動相場制とは、通貨や商品の価格が市場の需給によって自由に決まる仕組みのことです。現在のビットコインと同じように、ゴールドも1971年以降は市場参加者の売買によって価格が決まるようになりました。
別の騰落率:データが語る驚きの事実
まず、ゴールドの月別騰落率を明らかにしましょう。端的に言えば、「何月のゴールドが最も値上がりする確率が高いか」を、過去53年間の平均値で明らかにしたものです。
【図1:ゴールド月別平均リターン(1971-2025)】

単なる月別の平均値ではありますが、一定の傾向を見て取ることができるのではないでしょうか。
例えば、最強の月は1月であることが見て取れます。これはおそらく、年が明けることで投資ファンドなどの資金枠が復活し、「1月に投資を行う」という業界のパターンがあることが考えられます。これを**「January Effect(1月効果)」**と呼びます。
また、11月と3月に関しては最も弱いわけですが、これらは期末や年度末に向けた現金化の動きであることも推測できそうです。
これを踏まえて、月別の上昇率を1位から12位までランキングし、その季節的な要因について分析したものをまとめた表を作成してみました。
【表1:月別平均リターンランキング(全データ)】

この結果を見る限り、最も有効な方法は「リターンが最悪となる11月の終わりに購入し、1月・2月の最強の2ヶ月を保有、2月の最終日に売却する」ということになりそうです。
これらの数字が明らかになったことだけでも、ゴールドを買うときの参考になってくるかもしれませんね!
勝率で見る月別パフォーマンス
ではもう少し突っ込んで、それぞれの月ごとの特性を見てみましょう。
つまり「1ヵ月を通して上昇した月と下落した月を比較し、その勝率を明らかにする」とどうなるでしょうか?
【表2:月別勝率分析(1971-2025)】

こちらの表は、1月から12月まで順に並べ、それぞれ過去に上昇した月数と下落した月数、それらを勝率換算した場合の傾向を明らかにした表です。
これを見ても、1月・2月の強さが圧倒的であることに疑いの余地はなさそうです。
特に1月に関しては、上昇した回数が下落した回数のちょうど2倍となっており、勝率も**66.7%**を超えています。やはり1月が最強の月であることは揺るぎがなさそうです。
📊 注目ポイント1月の勝率66.7%は、コイン投げ(50%)を大きく上回る統計的に有意な数値です。これは偶然ではなく、構造的な要因があることを示しています。
リスク・リワード比で見る本当の投資価値
では、上昇時の平均上昇率と下落時の平均下落率を比較し、それをいわゆる**「リスク・リワード比率」**で確認してみましょう。
💡 リスク・リワード比とは?投資において「利益の期待値÷損失の期待値」で計算される指標です。1.0を超えれば統計的に有利、下回れば不利な投資となります。
【表3:月別リスク・リワード比分析】

ここまで見てくると、5月の興味深いパラドックスも発見できました。勝率は最低(38.9%)なのに、上昇時のリターンは+4.70%と非常に高いです。
これは**"Sell in May"**の格言通り下落しやすいものの、上昇する時は大きいという特性を示しています。
またリスク・リワード比率で考えると、3月が最低となっています。
下落時の平均が年間を通じて最大となっていることが影響していますね。やはり3月末に決算を迎える会社が多いため、機械的な売りが発生してしまうということでしょう。
期末売りの影響、半端ないですね...。
月別の総合評価
ここで各月を総合的に評価してみましょう。
🏆 January Effect(1月効果)の優位性
疑う余地が小さいですね。勝率66.7%、平均リターン2.65%、そしてリスク・リワード比1.85という三拍子揃った数値は、投資戦略の中核に据えたいと考える人が多いのではないでしょうか。
⚠️ 3月の構造的弱さ
同様に見事な一貫性を示しています。リスク・リワード比0.91という数値は、決算期の機械的売りという明確な理由があり、今後も続く可能性が高いパターンかもしれません。
🎲 5月の二面性
勝率38.9%だが上昇時リターン4.70%という特性は、"Sell in May"格言の統計的裏付けとなっており、ある意味ではギャンブル性の高い月と評価することもできそうです。
これらのパターンが明確に出ていることで、1月・2月の強さが圧倒的であることに疑いの余地はなさそうです。
それにしても法定通貨の価値下落速度よ...
さて、今回の調査を通じて月別の騰落率の輪郭はわかったのではないでしょうか。
それよりも筆者自身が感じたこととしては、「法定通貨の価値はこれだけ下落をしているのか」という驚きの方でした。
今回のデータは、1971年から2025年までの期間の月別騰落率を計算して出したものです。この結果、月次リターンの平均値は0.8%ということがわかりました。
【表4:月別リターン詳細データ】

このほぼ54年間にわたるゴールド価格の月次リターン平均値が0.8%に収束するということは、1年間に換算すれば約10%の価格上昇率が続いてきたということになります。
これは言い換えれば、法定通貨の価値は金に対し毎年10%ずつ下がってきたということになります。
もちろん、今後これと同じことが続くかどうかは分かりません。しかしながら、50年間という一定の期間の中で、これだけの数値が積み上がっているということは、やはり法定通貨とは価値が下がり続けることを宿命付けられた存在であると考えた方が実態に近いのではないでしょうか。
今回の調査を通じて、このようなことを感じました。
まとめ:ゴールドの季節性から学ぶ投資の智慧
皆さん、いかがでしたか?今回の53年間にわたるゴールドの季節性分析から、本当に多くのことが見えてきましたね!
🎯 今回の重要な発見をおさらい
- January Effectは本物だった!1月の勝率66.7%、リターン2.65%は圧倒的です。「新年から金投資」は統計的に正しい戦略と言えそうです。
- 3月は要注意月間リスク・リワード比0.91は全月中最低。決算期の売り圧力は想像以上に強力でした。
- "Sell in May"には一理ある5月の勝率38.9%は格言を裏付けています。ただし、上昇する時は+4.70%と大きいのが面白いところ。
- 法定通貨の価値下落ペースに驚愕年平均10%の上昇ということは、ドルの購買力が毎年約10%ずつ低下していることを意味します。
🚀 最後に:データは道しるべ、直感は推進力
とはいえ、忘れてはいけないのは、過去のパターンが将来も続く保証はどこにもないということです。「1月は必ず上がる」「3月は必ず下がる」といった短絡的な解釈ではなく、確率論的な優位性として理解し、常に謙虚な姿勢で市場と向き合うことが大切です。
データを尊重しながらも固執しすぎない柔軟性こそが、長期的な投資成功の秘訣と言えるでしょう。
🎊 皆さんへの応援メッセージ
ビットコイン研究所の皆さんは、きっとすでに「従来の金融システムの限界」を感じてデジタル資産の世界に足を踏み入れた方々だと思います。
今回のゴールド分析で改めて確認できたのは、法定通貨の価値下落は何をどう楯突いても反論しようのない事実だということです。
年10%の価値下落が続いているということは、現金で資産を保有している人は毎年確実に貧しくなっているということです。
皆さんがビットコインや暗号資産に注目しているのは、まさに正しい直感だったのかもしれませんね!
ゴールドという「古い価値保存手段」の分析を通じて、ビットコインという「新しい価値保存手段」の価値がより鮮明に見えてきたのではないでしょうか。
皆さんの投資ライフが、データに裏打ちされた知識と、未来への希望に満ちたものになることを心から願っています!
ハッピー・ビットコイン!🚀
ココスタ 佐々木徹
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