【質問回答】マイニングにおけるGPUとASICの比較
匿名質問コーナーより頂いた質問へまとめて回答します。今回はマイニングに関する質問を二つ頂き、それぞれ回答致しました。
匿名質問コーナーについて
質問の大まかな内容
- ビットコインではGPUマイニングはできないのでしょうか?何故EthereumではASICマイニングではなくGPUマイニングがされていたのでしょうか。
- マイニングプールごとにファームウェアの性能やクオリティに差があるのでしょうか?
質問1
ビットコインではGPUマイニングはできないのでしょうか。それともASICと比較して計算効率が悪いというだけなのでしょうか。
何故EthereumではASICマイニングではなくGPUマイニングがされていたのでしょうか。効率性の観点でASICマイニングに収束するということはなかったのでしょうか。
宜しくお願い致します。
回答1
ビットコインのマイニングにはASICだけでなく、GPUでもマイニングはすることができ、実際に過去にはGPUでマイニングが行われていたこともありました。もちろん、GPUがなくてもSHA256のハッシュ計算ができるものであればどのような手段でもマイニングすることができます。(実は手計算でもマイニングはできます!)
ご質問いただいたとおり、計算効率(電力エネルギーあたりのハッシュ計算回数)を上げるためにASICが用いられています。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略で「特定のアプリケーションに特化した集積回路」のことです。世の中にはマイニング用途以外にもさまざまな用途のASICがあります。一方でGPUは、本来はグラフィックスのための計算をするもので、単純な並列計算が得意なのでこれをうまく利用してマイニングに使われていたという背景があります。
マイニング用に開発されたASICはマイニングすることしかできないかわりに効率を向上させることができるので、収益性を最大限上げるためにマイナーたちが利用しています。
EthereumはPoWを採用していたときにはSHA256ではなくEthashというアルゴリズムが使われていました。これはASICを開発しにくいアルゴリズムであり、ASIC耐性があるといわれていますが、厳密にはEthashは「GPUに特化していて、ASICを開発する意味がない」アルゴリズムです。一部の資本がある人々にマイニングを独占させないようにすることが目的です。
というのも、ASICはただの特定用途の集積回路ですので、技術的にはEthereum用のASICは開発することができ、実際にGPUを上回る性能のASICも開発されています。しかし、そのようなASICを開発するのは、ほぼGPUを開発することと同じことになってしまいます。GPUはすでに世の中に多く出回っていますが、ASICは新たに開発するための初期コストが必要です。したがって、GPUと比較して大幅に効率が高いASICを開発するための経済的メリットがないので、GPUが使われていたというわけです。
こちらの記事もご参照ください(AndGoハードウェア担当)
質問2
「マイニングプールによる検閲の影響力をおさらいする」で述べられていた
またもや余談ですが、その意味ではマイニングプールの競争で生まれてきている囲い込み戦略(特製ファームウェアの提供など)はビットコインの検閲耐性にとってリスク要因だと感じます。
という点について詳しく解説いただけるとありがたいです。
マイニングの実務に疎いのですが、マイニングプールごとにファームウェアの性能やクオリティに差があるのでしょうか。
何卒宜しくお願い致します。
※質問内容を編集させていただいております。
回答2
基本的にはマイニングマシンはマイニングプールとは独立した企業(BITMAIN社など)が製造しているので、マイナーが自由に選択することができるものです。マイニングマシンを導入される際には収益性の高いものを選択できます。
ただし、マイニングプールがサービスとしてマイニングマシンをサービスとして提供している場合や、マイニングプールがマイニングマシンの性能を向上するためのカスタムファームウェアを独自に開発して提供している場合があります。
マイニングプールが開発しているマイニングマシンのファームウェアの例としてはBraiins OS+などがあります。このファームウェアはAntminerに導入することができ、ハッシュレートが20%向上すると公表しています。このファームウェアを利用する場合には得られた利益の2.5%を支払うか、同社が運営しているBraiins Poolでマイニングを行う必要があります。これが囲い込み戦略の例となります。
このようなファームウェアはソースコードは公開されていないため、ユーザーは利益が得られるか、安全性があるかどうかも含めて、検証した上で導入する必要があります。
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