Liquidサイドチェーン上で、Tetherの発行数が増えている
Liquidサイドチェーン上で、Tetherの発行数が増えているというニュースがあります。これは地味ながら、面白いニュースとおもいますので、解説します。

※Liquidサイドチェーンは、取引所LIQUIDのことではなく、世界中20数個の取引所が運営しているサイドチェーンです。このサイドチェーン上ではBTCとペグしたアセットであるL-BTCが流通していあます。
TetherはいままでOmniというプロトコルで発行されていましたが、昨年からイーサリアムのERC20と、TRONでも発行されるようになり、マルチプラットフォーム化されました。そして、Liquid上でも発行がはじまりました。
Liquid上での発行額は、現在17億円程度になっているようです。
なお、昨年からもっとも発行数が増えたのはERC20です。発行4週間で66億円程度まで増え、現在では2500億円程度まで増えています。従来のOmni上の発行が1650億程度で、逆転してしまいました。ERC20は取引所もすでにシステムは構築済みですので、容易にERC20番のTetherを受け入れることができます。これが大きな普及の要因だったといえましょう。
ERC20で解決出来ない2つの問題
しかしながら、ERC20版のTetherでは解決できてない問題が2つあります。
1つめは、手数料問題。イーサリアムの手数料は決して安くなく、ERC20トークンの移動にはそれなりの手数料が掛かっているというのはご存知のとおりでしょう。またイーサリアムネットワーク自体の混雑もあり、取引所のTetherの入出金の多くがERC20上で行われるようになると、混雑に拍車をかけるようになるかもしれません。
2つめは、フロントランニング問題です。ブロックチェーンは誰にでも丸見えですから、資金がどこからどこに移動したかがわかります。いわゆる「鯨ウォッチ」です。大口の資金が取引所に入金されると大きな売りが来るのではないかという警戒がされ、それを先回りして売買することで儲けることができます。
LiquidをつかったTetherの取り扱いは、これらを解決するとしています。
Liqudによる解決方法
手数料問題に対しては、現在Liquidネットワークはまだスカスカであり、たくさんのトランザクションを取り込む余地が有ります。また手数料もいまのところあまり高くありません。ただし、これは将来はそれほど安くならない可能性があり、なんともいえません。
しかしながら、取引所間のペイメントチャネル(ライトニングネットワークの取引所版)みたいなものが構築される可能性はあります。Liquid上ではTetherのようなアセットであってもペイメントチャネルの技術がつかえるのです。
これが行われると資金の移動は一瞬になり、手数料も極限まで安くなります。BTC/USDTというのが取引のほぼ殆どをしめるペアですから、このペアのどちらのコインでもペイメントチャネルによる高速移動技術が使えるようになるのは面白いことです。
ERC20ではこれは出来ません。
フロントランニングの問題に対しては、Liquid上では、コンフィデンシャルトランザクションが利用できます。これは数量を秘匿して送金ができる技術です。これを利用すれば大口の移動を監視するという手法は使えなくなります。
結論
このように、取引所としてはLiquid版Tetherの受け入れにメリットがあるとえます。
すでにLiquidに加盟している取引所間ではシステム構築もすでに終了しているでしょうから、Liquid版Tether 導入はスムーズそうです。
Liquid版Tetherの発行数は17億円程度とまだまだ少額ですが、上記のメリットを考えて今後増えていくのではないかと予想されています。
なお、Tetherのマルチプラットフォーム化は今後もすすむでしょう。ステーブルコインの戦略としては、たくさんのプラットフォーム上で使え、相互に変換可能であることがネットワーク効果を最大限にし、重要に方針になります。
Tetherだけでなく、クロスプラットフォーム、クロスチェーン技術により、BTCやETHなどもいずれ他のプラットフォーム上に流通するようになる未来が予想されます。
(大石)
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