Vol.313:自らの遺伝子を理解し、ビットコイン投資戦略に生かそう(2025年6月2日)
日本人がビットコインを敬遠する本当の理由
最近では日経新聞などの主要メディアでもビットコインの話題が増えてきました。それでも日本人の保有率は約10〜13%と、世界的に見ても後れを取っている状況です。
一方でアメリカでは、大統領自らが暗号通貨トークンを発行して資金調達をするという積極的すぎるほどの姿勢を見せています。
この違いは一体何なのでしょうか?
実は、その答えは私たち日本人のDNAに刻まれた特性にあります。今回は、この遺伝子レベルの特性を理解し、それを投資戦略の強みに変える方法について考えてみたいと思います。
日本人の脳に刻まれた「不安遺伝子」の正体
私たちの気分や不安感をコントロールする「セロトニン」という脳内物質があります。これは心の安定を保つ薬のような役割を果たしています。
ここで重要なのは、日本人はこの物質が最も不足しやすい人種だということです。
なぜ日本人はセロトニンが不足しやすいのか
セロトニンには「回収システム」があります。一度使われた後、再利用のために回収される仕組みです。
日本人の68.2%は、この回収システムが効率的でない「SS型」という遺伝子タイプを持っています。対してアメリカ人は18.8%のみ。つまり、日本人の約7割が「幸せホルモンを再利用するのが苦手」な体質なのです。
さらに困ったことに、新しいセロトニンを作るのも簡単ではありません。特別な材料が必要で、体が大量生産できるものではないのです。
結果として、日本人は慢性的にセロトニン不足に陥りやすく、不安を感じやすい体質になっています。
災害大国が育んだ「生存に有利な不安気質」
なぜ日本人にこの特性が多いのでしょうか?答えは日本の厳しい自然環境にあります。
地震、津波、台風、火山噴火。日本は世界の災害被害総額の20%を占める極めて災害の多い国です。このような環境では、常に「最悪の事態」を想定し、事前に備える能力が生存に直結することになります。
楽観的な人が「今日は晴れているから大丈夫」と油断している間に、不安気質の人は「もしかしたら災害が起きるかもしれない」と準備を怠りません。結果として、不安気質の人の方が生き残る確率が高かったのです。
つまり、私たちの不安気質は数千年かけて「生存に有利な特性」として選択され、遺伝子レベルで定着したものなのだと言えそうです。
投資行動への影響
この遺伝子的特性は、現代の投資行動にも強く影響します:
- 損失への過敏さ:1万円の利益より、1万円の損失を強く恐れる傾向が強い
- 未知への警戒:よく分からないものに対する強い警戒心
- 最悪シナリオ思考:マウントゴックス事件の再来を恐れる
- 集団同調傾向:他の人がやっていないなら自分もやらない
これらすべてが、ビットコイン投資に対してブレーキをかける要因となっています。
現代では不安気質が裏目に出ることも
しかし現代の資産運用においては、この特性が必ずしも有利とは限りません。
最も重要なポイントは、「資産運用をしても災害は起きない」ということです。「当たり前すぎる」話ですが、私たちの遺伝子はこれを直感的に理解していません。
「新しいものに投資する=災害リスク増大」と遺伝子が警告してしまうのです。
隠蔽工作も得意な日本人
この特性は時として組織的な問題も生み出します。2025年6月の報道で、いわき信用組合が2004年から247億円の不正融資を隠蔽していた事件がありました。調査報告書には「虚偽」が82回、「隠蔽」が104回も登場していました。
興味深いことに、この隠蔽工作が始まった2004年は、ビットコインのホワイトペーパーが発表された2009年より5年も前です。つまり、ビットコインより長期間の隠蔽を成功させていたのです。
細かいことが得意で事前準備能力に長けた日本人の特性が、こうした場面では「隠すのが器用」という形で現れてしまいます。
遺伝子は変えられないが、行動は変えられる
では、どうすれば良いのでしょうか?
遺伝子の変化には数千年という時間が必要です。しかし私たちには「文化的適応」という素晴らしい能力があります。学習と経験によって、わずか数年、数ヶ月で行動を変えることができるのです。
『幸せがずっと続く12の行動習慣』という研究によれば、人の幸せは「5割がDNA、4割が行動習慣、1割が環境」で決まるとのこと。
投資についても同じです。5割は遺伝子で決まりますが、残り4割の行動習慣は自分でコントロールできるのです。
不安遺伝子を投資の強みに変える方法
不安遺伝子と聞くとネガティブな印象を受けますが、実はこれら、投資において有利に働くこともあります。
まず、細かいことが得意な日本人は、投資対象を徹底的に分析する精密なリスク分析能力に長けています。
例えば、技術的な仕組みやマイニングの難易度調整、ハッシュレートの推移など、複雑な情報を丁寧に理解する力は、表面的な「バクッとした」情報に惑わされやすい投資家に対して圧倒的な優位性となります。
また、長期的な視点で物事を考え、継続する力も大きな強みです。ビットコイン長期保有戦略においては日本人の継続力が機能します。
しかも日本の税制は現物売却にネガティブな設計をされています。これも長期保有を続けるモチベーションとして機能する黄金のコンビネーションなのです!
一時的な下落に動揺して売却してしまう投資家が多い中、粘り強く保有し続ける能力(と税制モチベーション)は貴重な資質といえるでしょう。
そして最後に、常に最悪のシナリオを想定する能力は、適切なリスク管理につながります。
さらに設定を間違えるとゴックスしかねないハードウェアウォレットの利用方法や、理解に一定の学習が必要なシードフレーズの管理なども、失敗を恐るDNAはポジティブに機能します。
「もしビットコインが大暴落したらどうしよう」という不安は、逆に「どの程度の資金なら無くしても納得できるのか」という自己との会話へと昇華させることができるのです。
まとめ:弱みを強みに変える投資哲学
私たち日本人の「不安遺伝子」は、確かにビットコイン投資への心理的ハードルを高くします。しかし、この特性を正しく理解し、適切に活用すれば、むしろ投資の強みに変えることができると筆者は考えます。
重要なのは、遺伝子的特性に逆らうのではなく、それを自分の気質として直視し受け入れ、それを活かした投資戦略を構築することです。
慎重さを精密さに変える。不安を適切なリスク管理に変える。そして継続力を長期投資の武器に変える。
このアプローチこそが、日本人がビットコイン投資で成功するための鍵なのかもしれません。
自分の遺伝子的特性を理解し、それを投資戦略に活かす。これが現代を生きる日本人投資家にとって最も現実的で効果的な道筋でしょう。
ハッピー・ビットコイン!🚀
ココスタ 佐々木徹
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