筆者はサッカーが好きでして、試合観戦のためにスタジアムに行くこともあります。サッカーファンは、大きく分けると、1)海外サッカー、2)日本代表、3)Jリーグのどれかに特化してサポートすることが多いです。私は、浦和レッズのサポーターでして3)がメインですが、1)2)も時間がある範囲で当然見ています。

最近は、サッカーの界隈でもNFTという言葉を聞くようになりました。今回のコラムでは2022年時点でのNFTを利用したサービスについてや、今後どうなるかについての予想について、サポーターの立場から個人の評価・意見を述べていこうかと思います。

特に次の4つに注目しています: NFTチケット、NFTモーメント、NFTゲーム、クラブトークン。本日は、サッカー試合におけるNFTチケットについてです。

NFTチケット

7月、パリサンジェルマン(PSG)が日本ツアーを行い、川崎フロンターレ・浦和レッズ・ガンバ大阪と試合しました。3000万円や1000万円のNFTチケットが販売されたようです。1000万円のチケットは3枚売れたという報道もありました。

https://news.yahoo.co.jp/.../bc55ca7c764d9a65ce6d52cebdd8...

NFTチケット自体はスポーツだけではなく、音楽イベントなどにも例があります。PSGの場合、VIPチケットとして選手と会えるという価値や話題性かなと私は思いました。一部のサポーターからは、通常チケット含めて価格全体が高すぎるという意見があります。埼玉スタジアムでは浦和サポーターから、抗議というか皮肉の弾幕が掲示されました(「¥3,000 for Urawa v. 6-time UCL winners Bayern, and ¥8,000 for PSG who haven't won UCL. You joking?」。

https://twitter.com/aishiterut.../status/1550773659312087040

一方で、高額に見合う選手が見られるということで適正である、との主張もあります。どのクラブも入場料収入は重要ですが、適正価格というのはいつも議論になります。現在、日本代表・JリーグではNFTチケットが発行されたという話はありません。都道府県リーグでは、2022年5月に社会人リーグの鎌倉インターナショナルFCがNFTチケットを発行したようです。

https://news.yahoo.co.jp/.../7d30330b5544fdb39ec4aa1bbfa5... 

転売防止? むしろ付加価値

NFTチケットによって転売を防止することができるなどと一般に言われています。サッカーでもチケットの転売が問題になっていました。NFTというのはOpenseaなどで売買されるものだというイメージがありますので、どうすれば転売防止に役立つのかという疑問がわきました。むしろ転売が加速するのではないのかという疑問もわきました(複製防止ならわかるのですが)。そのあたりを調べてみようと思います。

まずはJFA日本代表チケットやJリーグのチケットについて、現在の販売システムについて説明します。

試合に行けなくなった場合は、公式リセールサイトで転売するのは許可されています。公式リセールでないと主催者側が転売状況を把握できないことになり、転売者が大きく儲けることになりますね。したがって、公式以外のサイトで転売されたことが確認されればチケットは無効にされ、転売者は処分されます。昨年にも川崎F(2021/3/8発表)、横浜FM(2021/9/3発表)といったチームで起きています。いずれもリーグ上位でここ数年優勝しているチームであり、チケットがとりづらい場合が多く発生するようです。川崎Fなど一部クラブでは、ダイナミックプライシングを導入し、需要に応じた適正価格での販売をすることで、間接的に転売を防止しようとしています。

https://www.frontale.co.jp/info/2022/0131_12.html

その他、一人が一度に購入できる枚数が制限されたり、先行販売を有料会員のみにするなど制限されたりします。

さて、転売状況の把握するためというのが、NFTチケット導入の一つの理由であるとされています。そのため、あくまで田中の予想ですが、NFTチケットの販売は特定の業者に限られるのではないのかと思います。個人としては転売監視という目的でNFTチケットを導入するというわけでなく、違う目的があるように感じます。

先述の鎌倉インターナショナルFCの場合、「ベンチサイド砂かぶり席」NFTチケットの保有者は、Jリーグ昇格時のホーム開幕戦へVIP招待されます(予定)。これはあくまで特典なので、これを目当てに購入してしまうといつ昇格するのか決まっていないので、おかしな感じがしますが、あくまで観戦チケット「ベンチサイド砂かぶり席」がメインの販売というわけです。

個人的にはこの保有者というところが気になります。入場した人が転売できるようになっているのであれば、クラブの昇格が現実的になればなるほど、より高額になる場合も想定されます。あるいは、その売買手数料のような収入がクラブに入るようにすることもできたりするのではないでしょうか(鎌倉インターナショナルFCの場合はわかりませんが今後そのようなクラブが他に出てくるかもという意味です)。

市場原理がうまく働けば、ダイナミックプライシングよりも「適正な」価格に近付けられるかもしれません。先述の弾幕事件のような非難もなくなり、それでいて主催クラブが利益を得られるようです。しかし、スタジアムのキャパシティに限界がある以上、高額なチケットになってしまう場合が存在するという点では、転売屋がいたときと大きく変わらないのでは、サポーターとしては思います。

最後に利便性についてですが、すでにQRコードによる発券が多くのクラブで導入されています。

札幌ドームでコンサドーレ札幌と浦和レッズの試合を観に行こうとしたときの話です。コンサドーレ札幌のサポーターにチケットを取ってもらったことがあります。コンサドーレ側の席での観戦ですので、浦和レッズのユニフォーム着用や応援が許されないということですが、隠れキリシタンみたいでそれはそれで楽しいものです。その札幌サポーターとその息子さんと、筆者の3名分連番チケットを買ってもらいました。それは決済後、紙チケットかQRコードで発券されます。QRチケットをメールなどで、他人に送ることが可能です。入場の際はQRチケットを見せて入場できます。札幌ドーム入口などで待ち合せする必要はありません。新千歳空港から電車で福住駅という最寄り駅まで行き、サッポロクラシック500mlをコンビニで買って、入場してしまえばよいです。

このような利便性はNFTチケットになっても変わらないのではないでしょうか。

次回も続きます。ありがとうございました。