Vol.271 仕事より自由?月15万円給付実験が暗示するビットコインの未来(2024年8月5日)
こんにちは。いまから毎月15万円が空から降ってくるとしたら、あなたは何に使いますか?
〇 ビットコインの積立?
〇 贅沢な食事?
〇 それとも、長年悩まされてきたローンの返済?
本日の記事では、私たちが新しい価値のある何かを手にしたとき、最初に使うのは「痛みからの解放」かもしれないということについて考えてみます。
人間の基本的な行動パターンを理解することで、次世代の価値(例えば、ビットコインの次に来るもの)が誰のニーズを最初に掴むのかも見えてくるかもしれません。
では、「痛み」と「価値」の不思議な関係性に迫ってみましょう!
サム・アルトマンの実験〜タダで貰ったお金の使い道は苦痛からの解放だった
Chat GPTを世に出したサム・アルトマン氏は、2016年から無条件現金給付の研究(ユニバーサルインカム)の実験を行っています。以下はWIREDが報じた研究の内容です。
「OpenAIのサム・アルトマンらが関わるOpenResearchが、3年間にわたり貧困層の米国人1,000人に毎月1,000ドルを無条件で給付する大規模な実験の結果を公開した」
月15万円のベーシックインカムで人生はどう変わる? 米国の研究結果
詳細な実験内容と結果は、Unconditional Cash Study(無条件現金給付の研究)で確認できます。
興味深い発見
- 上位所得層では酒の消費量が増加
- 全所得層でギャンブルへの支出はほぼゼロ
- 車を購入したことで維持費が発生し、資産が減少したケースも
注目すべき結果:仕事時間の削減
筆者が特に興味を持ったのは、多くの参加者が「お金のためだけに行なっていた仕事を削減した」という点です。
1人の参加者は、このプログラムに選ばれた直後、仕事先の上司にこういったそうです。
「追加で所得を得ることができるようになりました。この分の仕事時間を削り、全て4歳の息子と過ごすことに使います」
確かに4歳の子供との時間は、2度と戻ってこないですからね。子供にとっての父親であることに時間を全投入するという考え方は、とても健全だなと感じました。
しかし、これは一部の意見に過ぎず、全体としては単純に「労働時間が減少した」という結果が出ています。
以下は今回の月15万円の現金配布が、調査参加者の仕事にどのような変化をもたらしたかをまとめた結果です。
実験結果の要約
① 労働供給は予想以上に減少:個人の年間所得が約$1,500、週労働時間が1.3-1.4時間減少
② 参加者の家族も同程度労働時間を減らし、世帯全体の労働供給が大きく減少
③ 空いた時間はほぼ余暇に充てられ、子育てや教育への時間増加は確認できず
THE EMPLOYMENT EFFECTS OF A GUARANTEED INCOME: EXPERIMENTAL EVIDENCE FROM TWO U.S. STATES による結果
つまり、無料のインカムを得ることで人がとった行動は、最もストレスを感じている「仕事」を削減することで、痛みからの解放を選択するということだったわけです。
ビットコインが選ばれる理由:「通貨の価値が下がり続ける痛みから解放」
どうも私たち人間の脳は、楽しみを求めるより先に、「痛みの解消」を高い優先順位に置くようにできているようです。
進化の過程を考えてみれば分かりやすいと思うのですけれど、私たちは寒さや飢えなどの「痛み」を解消しないと、生命維持ができないですからね。
「楽しみ」や「創造性」なども、生きていることで初めて実現することができます。
現代社会における「痛み」
寒さや飢えからの安全が確保された現代社会で、私たちが感じる痛みとは、どのようなものなのでしょうか?
例えば日本では、老後に対する不安アンケートなどを見ていくと、だいたい上位は「お金・健康」で占められる傾向があります。
私の身近な知り合いは、20年前に仕事を辞めてから銀行の普通預金に手をつけず、そのままずっと全額を残していました。
20年前なら金塊を1キロ買うことができた現金は、今では200グラムを買うことしかできません。財産と思っていた日銀券は、価値が下がり続ける証券だったわけですね。
この「通貨価値が目減りする」システムの中で、私たちは「お金が足りない痛み」という焦燥感に襲われます。この痛みは、中央銀行が通貨発行量を増やし続ける国では、常に潜在的に発生します。
ビットコインはデフレ通貨:実質的な発行総数は減少している
〇 ビットコインの発行量は特定の参加者が意図的に変更できない
〇 紛失等でアクセスできなくなるビットコインは年間0.5%〜4%(Chainalysis 2020年分析)
〇 2024年現在、マイニングによる新規供給は年間約0.8%
つまり2024年現在、ビットコインは、もう発行総数が実質増えないデフレ通貨へと置き換わっていると考えることができます。
インフレ通貨(円やドルなど)— 発行量の増加にともない価値が下がる通貨
デフレ通貨(ビットコイン)— 発行量の減少にともない価値が上がる通貨
痛みの回避が人類の優先項目であるなら、通貨価値の減少という痛みに気づいた人から、その解消を目指してビットコインを保有し始めるという行動は、とても自然なことではないでしょうか。
まとめ
当記事では、ユニバーサルインカムの実験から、私たち人間は、まず目の前の痛みを取り除くことから始めることを確認しました。
次に、衣食住が満たされた後に、私たちが感じている最も大きな痛みがお金であり、その背景には価値が下がり続けることを前提としたインフレ通貨システムがあることを見ていきました。
そして、人々がインフレの痛みと理由を理解したとき、その痛みを取り去るためにビットコインへと資金を移動する可能性についても言及しました。
今後、今回の記事で述べたようなインフレの本質を理解する人が増えてくれば、より多くの資金がビットコインへと流入することになると筆者は考えています。
通貨の本質を考える人はまだ少数です。だからこそ、ビットコインへの資金流入は始まったばかりであり、大きな成長の余地があると考えられます。
頑張ってもらいたいですね。引き続き、ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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