ビットコインが久しぶりに1日で25%下げるほどの下落をしたので、それに気を取られて投稿が夜中になってしまいました。1日の下落率で言うと、このまま引ければおよそ6年ぶりだそうです。

今回の寄稿は、PSBTでコールドウォレットからライトニングチャネルを作れるという投稿を見て、「確かに」と思ったのでそれについてです。

PSBTとは

Partially Signed Bitcoin Transactionの略で、過去の投稿で解説させていただいたように、署名を追加していく段階でマルチシグトランザクションを共有する規格です。

PSBTを使うことで、どのウォレットを使っていても(規格として確立しているPSBTに対応していれば)マルチシグトランザクションに署名を追加したりすることができます。現時点では、独自の規格を使っているウォレットが比較的多いので、PSBTに対応すればマルチシグの参加者全員が同じウォレットを使わなくてよくなります。

ライトニングノードはホットウォレット

現行のライトニングノードを普通に動かすと、ホットウォレットとなります。常時インターネット接続されているノードに秘密鍵があることはセキュリティ面では欠点なので、できればライトニングチャネルの決済となるマルチシグトランザクションの署名に使う秘密鍵はコールドウォレットで管理したいところです。

理論的にはホットウォレットで運用することによるセキュリティ面での欠点、すなわちリスクがライトニングを利用する「金利」や「手数料」のようなものに直結します。資金自体はコールドで管理できれば、ライトニングの利用コストはさらに下がるでしょう。(ただでさえ利益が見込める水準ではありませんが、運用益も下がります。)

方法

昨年PSBTによるチャネル開閉に対応したc-lightningに加え、lndでも数週間から数ヶ月で利用できるようになりそうです。最初はコマンドラインでしか使えないと思われますが、ハードウェアウォレットをつないだり、ColdCardのようなエアギャップウォレットを使う場合は「アドレスを生成する」「チャネルをオープンする」の2ステップで実行できます。(チャネルのクローズはlnd 0.9.0以降はアドレスを指定できるので、やはりコールドウォレットにクローズすることができます。)

もちろん、仕組み上ライトニングチャネル内の未決済残高の管理には専用の鍵があり、これがオンラインなことに違いはありませんが、オンチェーンの決済にはコールドウォレットを使った署名が必要になります。

メリット

断然、リスク削減と精神的な安心だと思います。ホットウォレット、ましてやRaspberry Piやスマートフォンなどのセキュリティが万全とも限りませんし、運用している者が必ずしもセキュリティの専門家ではないので、不正流出防止は画期的だと思います。ホットウォレットでの管理を忌避する仮想通貨交換業者なども導入しやすいかもしれません。

おわりに

着実に進歩するライトニングネットワークですが、ホットウォレットの要件がなくなると普通にビットコインのノードを動かすのと管理のレベルが近くなり、ライトニングノードの一層の増加が期待されます。(受け取りにも使うのであればチャネル残高のマネジメントが面倒ですが、支払いだけなら非常に簡単になると思います。)

ちなみに、テレグラムで動くカストディアルLNウォレットであるLntxbotはSats4Adsという「広告配信を受ける代わりにsatoshiがもらえる」機能が好評ですが、最近になって配信された広告の「見た」ボタンを数日間押さないとSats4Adsの配信登録が解除されるようになりました(休眠アカウント対策)。再登録はできます。また、「見た」ボタンを押さないとsatoshiがもらえません。配信する側からすれば無駄が減って良いですね。