これからPolkadotが色々注目されそう、ということでここ1~2週間ほど少しづつ調べていました。遅ればせながらという感じで自分も色々と勉強中ですが、何回かに分けてビットコイナーが知っておくべき最低限のポルカドットの概要について紹介していきます。

Polkadotは独自の用語がひたすらに多く、それぞれの言葉が何を意味しているのか、どういう関係なのか理解するのも一苦労です。今回はPolkadotの概要と理解する上で重要な言葉を出来るだけ簡単な言葉で説明していきます。

なお、PolkadotのコンセプトはCosmosと比較していくとわかりやすい部分もあるので、もしCosmosを知らない人は先にこちらのレポートを読みながら、差異を考えていくと効率が良いかもしれません。

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POLKADOTとは何か?

Polkadot(ポルカドット)は簡単に言えば異なる機能を持つブロックチェーン同士を接続し、互換性を持たせるブロックチェーンネットワークです。
Polkadotでは、イーサリアムのように一つのチェーン上でスマートコントラクトを通して全てを実行しようというアプローチではなく、各機能に特化したブロックチェーンがそれぞれ存在し、それらのブロックチェーン間で自由に価値やデータを行き来させるアプローチを取っています。

具体的な機能としては、スマートコントラクトに特化したチェーン、ファイルストレージに特化したチェーン、プラバシーに特化したチェーンなどがすでに存在します。

それぞれのチェーンの開発者はその他のチェーンに依存しない形で特定の機能に集中して開発が可能で、それが他のチェーンと互換をもつことでブロックチェーンネットワーク全体として多種多様な機能を提供できる、という形ですね。これは中々わかりやすいですし、確かに全ての機能を単一チェーンにのせようとするより理にかなっていると思います。

相互互換(Inteoperable)なブロックチェーンというコンセプトとしてはCosmosが他にも有名ですが、Polkadotの場合全てのネットワーク上のブロックチェーンとつながり、相互互換性を提供するRelay chainの権限が強いことが大きな違いの一つとなります(後述)

また、Cosmosの場合は独自チェーン上で発行されたトークンの価値の互換性(スワップなど)に重きを置いている一方、Polkadotはスマートコントラクトを重視しており、異なるブロックチェーン間で価値だけでなくデータのやり取りを出来るとしています。

POLKADOTの特徴、肝は?

Polkadotの公式サイトなどによれば、Polkadotには以下の特徴や強みがあるとされています。

スケーラビリティ

機能や処理を複数のチェーンに分割するシャード構造でスケーラビリティを実現。

アップグレード性

フォークの分裂リスクを軽減しつつ、ブロックチェーンの機能を安全に追加、アップデートしていけます。

透明なガバナンス

ポルカドット上での決定の多くは、最終的には全てPolkadot上のネイティブトークンDOTによる投票ガバナンスで決定されます。
セキュリティ

Polkadotでは「Shared security」(もしくはPooled security)というコンセプトを提唱しており、ネットワークに参加する個別のブロックチェーンが全体とセキュリティを共有することが出来るとしています。
なお、それぞれの特徴の妥当性や課題については次回以降のコラムでもう少し考えてみます。

POLKADOTの用語解説

さて、相互互換性のあるブロックチェーン群というコンセプト自体は、Cosmosもすでに以前から存在んするのでそこまでイメージは難しくないと思います。ただしPolkadotは独自の用語が非常に多く、それを理解してそれぞれの関係性を把握するのだけでも中々骨が折れるので、まずは重要な用語解説からやっていきましょう。
Relay ChainこれがPolkadotのいわゆるメインチェーンです。Cosmosで言えばCosmos Hubに当たります。

Relay chainにParachain(後述)のトランザクションやデータが集約され、Relay Chainを通してチェーン間の互換性が実現されます。

Relay ChainにはDotというポルカドットのネイティブトークンが存在し、Dotトークンを使った投票を通してRelay Chain上の様々な決定が下されるガバナンス方式が採用されています。

Parachain

ParachainがPolkadotを考える上で肝になるコンセプトです。

Parachainはそれぞれ独立したルールやトークンを持ったブロックチェーンですが、Relay Chainに接続することでその他のParachainとの価値やデータのやり取りが出来るようになること(互換性)、またRelay ChainのPoS型のブロックチェーンセキュリティを共有(Shared security)出来るというベネフィットもあります。

Parachainになるにはいくつか方法があるようですが、基本的にはDotトークンをたくさん預託した人が選ばれる、またネットワーク全体に重要な機能を提供しているとみなされるプロジェクトに関してはWeb3.0財団(後述)が指名してParachainになるようなケースもあるようです。

Parachainの枠の数には限りがあるので、Polkadotエコシステム内の特権的ブロックチェーンになるためにみんな頑張って競争している、という感じです。(ここら辺には政治やゴマすりの構造やリスクが少なからず感じられますが、それは次回以降のコラムで考えましょう)

Parathreads

ParathreadsはParachainのようなものですが、Parachainとは違い一時的にRelay chainと接続し、Pay as you goのような形でPolkadotのネットワークと接続するブロックチェーンです。

上述の通りParachainになるには大量のDOTを保有するか、コミュニティ全体への貢献を認められる必要があり中々狭き門になることが想定されます。資金力がない、もしくは常にRelaychainに接続する必要がないブロックチェーンは、一時的にDOTトークンを預託することで似たような機能を使用できるようになります。

Bridge

ParachainやParathreadsはPolkadotの規格に対応したブロックチェーンである必要がありますが、ビットコインやイーサリアムなど既存のその他のブロックチェーンとも互換性を実現するためにこのBridgesと呼ばれる特別なParachainが外部ブロックチェーンの情報を受取り、Polkadot上のチェーンとのやりとりを実現します。

Substrate

SubstrateはPolkadotに対応したブロックチェーンを簡単に構築する為のフレームワークです。Substrateを利用することで、コンセンサス、投票などの基本的な機能を使えるようになるだけでなく、Relay chainに接続し、Polkadot上のその他のチェーンとの互換性を享受することも簡単に出来るようになります。平たく言えば、一からカスタムブロックチェーンを作るのは大変だから、お手軽にブロックチェーン作れるようにしてあげたよ、というコンセプトです。Cosmosで言えばCosmos SDKに当たります。

Kusama

Kusamaはポルカドットのテストネットです。ただしビットコインやイーサリアムのテストネットとは違い、Kusama上のトークンは市場で売買され価格がついており、テストネットとしてだけでなく、独立したブロックチェーンネットワークとして存在しているのが大きな特徴です。

Parachainの枠には限りがあるので、その枠に入れなかったプロジェクト、また実験的要素が強いプロジェクトはPolkadotではなくKusamaでチェーンの運用を選択することも出来ます。高級なPolkadot parachain軍団の無鉄砲な弟分とでも思えばいいかもしれません。ゲームやその他の実験的な要素の強いプロジェクトなどはKusamaに参加していることがどうやら多いようです。

POLKADOTコンセンサス関連の用語(VALIDAOR、NOMINATOR、COLLATOR、FISHERMAN)

さて、上記だけでもすでに新しい固有名詞が結構多い気がしますが、PolkadotのRelay Chainのコンセンサス周りにも特殊な言葉が複数使われています。さくっと概要だけ説明します。

Validator&Nominator

ValidatorはRelay Chainのコンセンサスを実際に維持しているノードです。その他のブロックチェーンではマイナーにあたるもので、常にオンラインでRelay Chainのコンセンサスがとれているかチェックする仕事をします。EOSでいうところのBlock producersですね。

Validatorになるのを誰か決めるのは、DOTによるトークンの投票(Delegation)でたくさん投票された人たちが基本的にはValidatorになれるようです。

また、DOTトークンを使ってValidator選出の投票をする人たちをNominatorと呼んでいます。これは何も難しくない一般的なDOTトークン保有者のことで、自分でValidatorになる資本や能力がない人は、他にValidatorの適役に投票し、そのValidatorが獲得した新規発行されたDOTトークンの一部をNominatorももらえる、という仕組みになっています。よくあるDelegated Proof of Stake(DPoS)の仕組みの延長ですね。

Collator

ValidatorはRelay Chainのコンセンサスの維持の仕事をしていますが、Relay Chainは多数のParachainに接続しているのでParachainのトランザクションの矛盾がないかチェックする必要があります。ただし、Validatorが全てのParachainのトランザクションを検証するのはものすごい大変な作業なので、それを一部代わりにやってくれる人が必要になります。それをしてくれる人たちをCollatorと呼びます。

CollatorはそれぞれのParachainのフルノードを運用し、トランザクションを検証して、その証明をValidatorに提出します。Validatorはそれに問題ないか再チェックするような形になりますが、不正などがなかった場合はご褒美にCollatorにも一部DOTの報酬が与えらえる、というような形になるようです。

Fisherman

FishermanはCollatorと近いのですが、ValidatorやCollatorの不正がないかチェックする外部監査人みたいな機能を果たすようです。もし不正やミスを発見したらDOT報酬をもらえるのでValidatorやCollatorの行動に目を光らせるインセンティブがあります。
Grandpa

Polkadotが採用しているコンセンサスアルゴリズムです。自分も詳細は理解しきれてないのですが詳細は割愛しますが、確率的ファイナリティと証明可能なファイナリティの二つを掛け合わせたハイブリッドモデルを考案し、より早くて安全な合意形成を実現していると主張しています。イーサリアムでいえばCasper PoSに対応するようなものです。

Web3.0財団

Web3.0財団はポルカドットの普及や啓もうの為に活動する団体です。教育など以外でも、Web3.0財団から各種プロジェクトへDotでの助成金を支給したり、開発者へのグラントをあげたりしており、Polkadotコミュニティで今の時点では大きな影響力を持っている存在です。

さて、これだけでも結構な量ですが、実際には細かいものも含めると他にも色々あります(投票ガバナンス関係の単語やなど)とりあえず上記の単語と関係性をなんとなく覚えておけば、Polkadotの特徴的な部分は抑えられるかと思います。


次回はもう少し具体的な仕組みや課題、エコシステムの様子や市場に与える影響などについて一部考えていく予定です。