2025年の予想と昨年の答え合わせ
2024年最後の記事では一年間を通して印象的だった出来事を振り返りました。
今日は毎年恒例となっている予想記事です。昨年の答え合わせとともにお届けします。
昨年の答え合わせ
去年の予想記事はこちらです。
なんと衝撃的なことにどれも的中しています!見ていきましょう:
手数料率は1000sat/vbyteの過去最高値を一時突破する→◎
今年、ビットコインのトランザクション手数料は新たな境地に一時到達しました。
特に半減期直後にRunesというBRC-20のようなトークンプロトコル早いもの勝ち方式でメインネットローンチしたときに記録的なトランザクション手数料を記録しました。(Runes自体はその後は下火で、直近のトランザクション手数料は2-5 sat/vbyteとここ数年で一番落ち着いています。)

ただ、予想では手数料の高騰が長引いていわゆる「フィルタリング」論争などが一弾と加熱するとしていましたが、高い手数料は案外持続せず、一年全体で見るとそれなりに手数料率が落ち着いていることが多かったように思います。
コベナンツ関連のソフトフォークに対してRough Consensusは年内には得られない→◎
これに関しては現状維持を予想することが確率が高いので、堅すぎて面白くない予想だったなと反省しています。OP_CAT、OP_CTVなどのコベナンツ関連のソフトフォークに関しては現時点ではコンセンサスが得られてはいません。
「シットコインテクノロジー」であるTaproot Assetsなどにも脚光が当たる→△
ワイルドカード:ビットコインに鞍替えするプロジェクトが増え、よくわからないプロダクトが急増する→◎
シットコインテクノロジーとしては、一昨年末にメインネットローンチしたTaproot Assetsはそれほど注目を集められておらず、むしろBTCのリステーキングによって「ポイント」(将来的には草コイン)を稼げるというBabylonが巨大なエコシステムの中心となり、年末には6万BTC近くもがBabylonに預けられているという状況になりました。
違いはといえば結局BabylonにステーキングしたBTCを元にLST(Liquid Staking Token)をEVMチェーンで発行し、それを更にDefiで運用したり違うチェーンに持っていったりできることが、空前のエアドロップブーム(ポイ活ブーム)と重なってネタの枯渇に困っていたアルトコイン界隈に刺さったようです。その点は確かに、グローバルステートがなかったり、EVMではないTaproot Assetsには真似しづらい部分です。(予想時に課題と述べた部分を乗り越えられなかった形)
EVMエコシステムをビットコインに接続する試み(通称「ビットコインL2業界」)の急拡大やBabylon周辺のリステーキングの大流行は後者の予想的中と言わせてください。(そっち方面にもっとアンテナ張ってる人からすれば当たり前の予想だったかもしれませんが)
初夏に練木照子さんがツイッターに投稿した動画で、大学受験時代からの友人がタイで「ビットコインL2」エコシステムのカンファレンスに登壇しているのを見つけたときはびっくりしました。
ビットコイン価格は最高値を更新し、年末までに10万ドルに到達する→◎
意味がない予想と言いつつ、かなり精度が高かったです。
個人的には毎年いい予想をしているつもりですが、こんなにことごとく予想が当たった年は初めてかもしれません。固く狙いすぎたでしょうか。笑
今年の予想はもう少し攻めてみることにします。
今年の予想
日本国内でライトニングの普及が急速に進む
2024年9月に東京のビットコインカンファレンスでBitbankがライトニング入出金への対応を発表したように、今後数ヶ月で日本国内でライトニングへのアクセスが大幅に改善しそうです。他の取引所も追随を目指すでしょうし、それに伴い、ライトニング決済に対応するサービスやアプリが増加するでしょう。
ビットコイン自体への関心が集まりやすい環境(円安、物価高、投資ブーム)も揃っているため、少額からビットコインを取り扱えるライトニングがきっかけとなって「ライトニングからビットコインに初めて触れたユーザー」がたくさん出てくると予想しています。
普及の指標は難しいところですが、アクセス可能なユーザー数が500万人を突破(取引所の既存口座含む)、実際のアクティブユーザーが50万人くらいになると予想しています。(この数字を公開情報で検証できるかは別問題ですが…)
日本国内でビットコインETF、税制改正などの話が急速に進む
日本はビットコインETFや税制改正に向けての動きが遅いと何年も指摘されていますが、アメリカの動きがあまりにも早すぎるためそれに引っ張られる形で今年は急進展する可能性もあると思います。
ビットコインETFに関しては年内に国内上場(あるいは海外のものを国内で取り扱い)できるとまではいかずとも、必要は法改正・制度改正が具体的に国会で議論されるフェーズまで進むでしょう。税制改正に関しては話がより難しいかもしれませんが、取引所における専用口座(証券会社における特定口座のようなもの)を使うスキームなどがやはり具体的な話として出てくると考えています。
今年からアメリカでは取得価額はウォレットごとに別々に扱うようになるそうです。これはつまり、取引所口座があればそれぞれの内部だけで取得価額・売却金額から税金の計算(そして顧客の代理で申告)ができるようになるということですが、セルフカストディ型のウォレットにある分はどこまでを同じウォレットとして扱うべきかは不透明です。そもそもセルフカストディはアカウント型のブロックチェーンしか想定してなさそうですが、日本もこのような方式になっていくかもしれません。
おそらく昔から現物を保有している人の税負担が軽減されるような話は出てきません。
先進国のどこかでセルフカストディが事実上禁止される
これはダーク予想です。
ビットコインがアメリカで勢いづくと同時に、それは「資産」としての文脈においてであり、「通貨」としての文脈はまだそれほど盛り上がっていません。資産として盛り上がっている内容もビットコインETFやらMSTR(疑似ビットコインETF)など、セルフカストディとは程遠い扱われ方です。ほとんどの国や規制当局はビットコインを理解できていないと思いますが、資産の信託や証券化はよく理解しているので、このトレンドを歓迎していることでしょう。
つまり、彼らからするとビットコインの存在を「資産」という型にはめることができればそれ以上理解する必要も受け入れる必要もないのかもしれません。ETFの原資産として、あるいは取引所に預けている資産として以外の形でビットコインを使う異端な人たちへの配慮がもはや必要なくなれば、それ以外の大多数の人を保護する名目でセルフカストディを禁止する流れを作りたくなるでしょう。実際、セルフカストディ型のウォレットを規制したがっているような動きは世界中で見られています。(規制文脈では「アンホステッドウォレット」と表現されているので、どっちがあるべき姿と想定しているかわかりやすいです)
また、先程のアメリカの税金の話でも出てきましたが、規制当局の想定がアカウント型のブロックチェーンなので、出てくる規制がどのようにビットコインに適用されるか絶妙に不透明なものとなる可能性も低くないです。
上場マイニング企業の倒産がついに再開
2022年はビットコイン価格の下落、ハッシュレートの成長、金利の上昇などが重なり、経営が傾いたマイニング企業がいくつか倒産しました。(のちにAIバブルにピボットして復活したところもあります)
マイニング自体の収益性は(特につい最近BTC価格が7→10万ドルへと上昇する前は)非常に厳しい状況が続いており、次の予想で述べているように市況が軟調に推移してしまうと再び経営の危機に陥りそうな上場マイニング企業は少なくないでしょう。2025年はついに淘汰が再開する年になると予想します。
ビットコイン価格は2024年に4万ドル→10万ドルへと150%も上昇しているのに、マイニング大手のMARAの株価は26ドル→18ドルへとむしろ下落しています。マイニング企業のETFであるWGMIも上昇基調ではありましたが、年始時点の株価は20ドル→22ドルと、アウトパフォームすることが期待されるビットコインのパフォーマンスには遠く及びません。上昇局面で儲かっていないなら、下落局面が恐ろしいですよね。
おまけ:ビットコイン価格は7~12万ドルのレンジ
細かい数字にはあまり根拠があるわけではありませんが、なんとなくの相場感としては今年はまた2022年のように世界的なインフレ再燃とその対応としての金利高に苦しめられるんじゃないかなという予感があります。そうなるとビットコインからも資金が抜けやすいのではないかと思います。単純にすべてがバブルすぎます。(ビットコインも例外ではない)
そうならなかったとしても、2024年が割と狂乱の一年だった印象があるので2025年は期待を込めて落ち着いた価格予想にしておきます。
今年も読者の皆様に読み甲斐のある記事を届けてまいります。よろしくお願いします!
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