質問コーナ回答
Q
"暗号資産の世界では、注目される技術の移り変わりが激しいように感じます。次の2点について気になり、質問いたしました。よろしくお願いいたします。
1 一時期アトミックスワップという、異なる仮想通貨を、取引所なしで交換する技術が紹介されていたと思います。最近あまり聞きませんが、いわゆるDEXなどで採用され普及しているのでしょうか。
2 数年ぐらい前、マイクロペイメントが話題になっていたと思います。記事1枚、1ページにつきいくらみたいな感じです。今、ライトニングネットワークの技術が確立されると、既存のサブスクリプションモデルは淘汰される感じがします。このモデルと暗号資産の相性は悪いように見えますが、どうお考えでしょうか。
<回答>
1アトミックスワップですがあまり普及していませんね。DEXなどでも利用されていません。現在は異なるチェーンのコインの交換に関しては結局は中央集権の取引所のほうが安くて早く、またBSCなどがでてきたために、そちらのほうが使い勝手がよい状況です。
2マイクロペイメントで記事1つにつき幾らといったものは、 https://spotlight.soy/ というサービスで実現しています。暗号通貨系のマニアックな記事を中心にマニアックな盛り上がりをみせているとおもいます。ライトニングで決済できますので1記事数円といった課金が可能になっています。ただ、既存のサブスクリプションモデルが淘汰されるまでいくかというとなかなか難しいきはします。もしそういうことが起こるとすると、たとえばTwitterで噂されているサブスクリプション課金機能とかで、このなかのオプションとしてビットコインがつかえるといったことが起こるといったことでしょうか。いずれにしてもマス層に利用してもらわないとサブスクリプションは成り立たないので、そういうマス層リーチを考えると、GAFA他の大企業がなんらかの動きをする必要があるとおもいます。なお、暗号資産との相性が悪いとのことですが、むしろ私は良いように思えます。やはりネット完結の資産のほうがなにかとやりやすいからです。
Q
"ビットコインが注目されてくると同時に国家の規制についても関心が高まると思い、次の3点についてご意見をいただけたら幸いです。
1 仮にアメリカがビットコインを禁止しても、ビットコインで海外に送金すればよいので、アメリカと対立している国、特に経済制裁を受けている国にとっては、むしろ好都合ではないでしょうか。ビットコインを潰しにかかるより、アメリカ主導でルールを作ったほうが良さそうに見えました。
2 一部の投資家・トレーダーを見ると、決済のみに注目し、「国家がビットコイン決済を禁止すれば、ビットコインを禁止しなくとも骨抜き・無意味なものにできる。」という考えの人を見かけます。ビットコインと比較されがちなゴールドも、決済には使われませんが、主に「価値の保存」という観点で価格がついているように見えますし、「決済」のみに注目するのは間違いと感じました。
3 「スマートコントラクト」(以下「スマコン」)というとイーサリアムですが、一時期、ビットコインでスマコンを実行するという話がなかったでしょうか。2に関連して、「価値の保存」、「決済」以外の何か新しい用途が、ビットコインに生まれてくるでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。"
<回答>1 アメリカではすでに多くの機関投資家のポートフォリオに入っているため、ビットコインが禁止されるということはないようにおもいます。むしろアメリカでルールが先行してつくられており、うまくこの市場を取り込んでいる気がします。ただ、送金ルールをみると、FATAFといった国際的なマネロン防止機関のための機関(実質アメリカの傀儡機関です)が、厳しいルールを暗号通貨に課そうとしており、なかでもトラベルルール関連の規制は、要するに暗号通貨の送金はすべて身元をはっきりさせろということを要求しています。これは暗号通貨の仕様と相容れないわけですから、なかなか厳しい物があります。このルールをまもって暗号通貨のP2P送金という部分を実質骨抜きにしてしまうかもしれません。いまでも、イランや北朝鮮むけに暗号通貨で送金した場合は、何らかの形で問い合わせがくるようになっているのかもしれません。普通の人はそんな用途をしないのでわかりませんが、そうした監視はすでになされているものと思ったほうが良いでしょう。ただ、ビットコイン全体を止めるというより、こうした送金への監視がきつくなっていくというのが暫くの動きだと思います。
2 それらのひとがいう「決済」の意味が把握しかねるのですが、ものを買うことができるという意味での決済ということであれば、それはビットコインの価値を無意味にはしないでしょう。ゴールドでも直接ものをかうことはできませんし。ただ、国家(たとえばアメリカやEU)がビットコイン取引所を認めない・閉鎖するということになると、価格へのダメージは甚大です。ただ、すでに金融商品として多くとりいれられているので、取引禁止はないでしょう。1のように、KYCやマネロン規制を厳しくしていくという方向性です。
3 ビットコインでのスマコンは現在でも生きています。ただしイーサリアムのような何でもできるようなスマコン(Webプログラミングの感覚でつくるようなもの)とは違います。ビットコインのスマコンの代表てきなものは、アトミックスワップであったり、ライトニングネットワークだったり、ディストリクトログコントラクトといったものです。ビットコインの移動や管理に関して、より柔軟かつ、細かい条件をつけられ、プライバシーも向上するようにするというのがビットコインのスマコンであり、イーサリアムのものとはだいぶ方向性がちがいます。ですので、価値の保存や決済のほかを付け加えるのではなく、価値の保存や決済をより便利に、セキュアに、プライバシー高く行うというためのスマコンであると理解ください。(大石)
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