【質問回答】ハードウェアウォレットから暗号資産を移すことに規制がかかる可能性は?
今回は、匿名質問コーナーより頂いた質問へまとめて回答します。他にもいくつか質問をいただいていますが、後日随時回答していきます。
匿名質問コーナーについて
質問
今後、ハードウェアウォレットから
日本国内の取引所に、暗号資産を移すことに関しては
規制や制限がかかる可能性はありそうでしょうか?
(例えば、ハードウェアウォレット内の暗号資産の売却などをしたい場合など)
※それとも現時点でも規制などされはじめて来ているのでしょうか?
回答
法規制は国ごとにルールが違いますので、ここでは日本国に絞ります。また、個人の資産管理に関するご質問ですのでカストディアルウォレット(取引所がユーザーから預かった資産を入れるウォレット)も対象外とします。
2023年10月現在のところ、日本在住の方のハードウェアウォレットによる暗号資産の扱いに関して、何かしらの法規制・制限は知られておりません。
今後ですが、「ハードウェア」なウォレットにだけかかる規制、制限というのも考えにくいかな、と思います。もう少し範囲を広げ、ノンカストディアル型のウォレット(自身で秘密鍵を管理するもの)に対する規制、制限はというと、AML/CFT規制、税制面での話が導入され始めている節がありますね。
AML/CFT規制関連
例えば、次のようなものを見聞きすることが珍しいことではなくなりました。
- ウォレットから取引所への入金時にいったんロックがかかり、資金の利用目的を確認された
- 取引所から自身のウォレットへの送金時にロックがかかり、資金の利用目的を確認された
- CoinJoinなどのミキシングを利用していたら入金を拒否された
昨今、暗号資産といわず金融全般でマネーロンダリング・テロ資金供与に関する取締が厳しくなっており、そのため、これらもAML/CFT規制の元実施されているのだと思われます [参考]。暗号資産取引所や暗号資産を取り扱う事業者は何かしらのライセンスを取得して事業を行っており、こうした確認、規制をノンカストディアルウォレットとの入出金に対して実施することが義務づけられています。
上記は事業者が対処している、という話なのですが、実は個人が直接対応しなきゃいけない規制(報告義務)も実はあります。2022年6月1日の改正外為法および関連省令の施行に伴い、ノンカストディアルウォレットを使った取引も次の点に注意が必要です。
- 外国又は非居住者との間で1回あたり3,000万円相当額を超える暗号資産の送付又は受領をされた場合は、自身で「支払又は支払の受領に関する報告書」(様式1)を日本銀行へ提出する必要がある
各取引所もこの点こっそり注意喚起していたりしますね [DMM Bitcoin , bitFlyer]。
税制面関連
規制とはちょっと違いますが、守るべきルールがあるという点では税制面の話は気をつける必要があります。
暗号資産を売却、交換、利用した場合に、確定申告を行う必要があることは皆さん承知のことと思います。確定申告以外にも、実はいくつか申告が必要なことがあったりします。
- その年の所得金額が2千万円を超え、かつ年末時点で3億円以上の財産(または1億円以上の有価証券等)を所有する方には、「財産債務調書」の提出が義務づけられている [参考]。ビットコインも対象です。
- 暗号資産の評価方法について移動平均法を使いたい場合は届け出が必要 [参考]。届け出を行わない場合、総平均法を選択したと判断されます。
これらはハードウェアウォレットで管理している暗号資産にも当てはまりますので、適切な対応が必要です。心配な方は税理士さんに相談しましょう。
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