Defiで最も有名なプロダクトにCompoundがあります。

Compoundは、P2Pのレンディングプラットフォームですが、コイン担保型です。つまり、アコムのカードローンのように信用だけでお金を貸してくれるわけではなく、借りる額以上の担保を自分が差し出さなくてはいけません。

たとえば、1000ドル分のイーサリアムを担保として入金し、そのうち600ドル分のステーブルコイン(USDC)を借りるというような取引です。

つまり、自分で貸出を設定して、自分で借りる。そして金利を払う、ということになります。

一見すると奇妙で、これなら普通に目的のコインに交換したほうが金利もはらわずに済むので安いとおもうのですが、Compoundは人気を博しています。なぜでしょうか?どこに需要があるのかを分析します。

i. 売れないトークンがあるが、別のコインで運用したい

これはロックアップや契約上の関係で売ることができない大量のコインがあるが、それを運用したいというケースです。

たとえば、あるコインのファウンダーで、10億円分のコインをもっているとします。しかし、ロックアップでまだ売ることはできないという契約だとしましょう。

しかしそれを担保にいれて、6億円分のUSDCを借りれるとすれば、そのUSDCをDefiの運用にまわすことができます。つまり、市場に出せず売れないコインであっても、それを担保に運用ができるということです。

なお、Compoundでとりあつかっているその手のコイン(運営が大量保有しているようなタイプのもの)は、ひとつしかありません。つまりBATです。

BATがなぜCompoundで扱われているのか経緯はしりませんが、要するにそういうことがしたいというBATの強い意向が裏で働いているのかも知れません。

今後も草コインがCompoundに追加されたらそういうことだとおもってください。

ii.先物のヘッジより簡単である

あなたがBTCマキシマリストで、長期にBTC保有しているとします。今後のBTCの値上がり益は逃したくないとします。しかし、ETHを使って参加すると美味しいファーミングイベントがあって、ぜひとも参加するのにETHがほしいとしましょう。

しかしETH/BTCの価格変動リスクは引き受けたくない。BTCを売ってETHを調達したち、元にもどしたらBTCが減っていたという事は避けたいのです。こういう場合は、ETHの価格をヘッジします。

具体的には、BTCを一旦市場で売ってETHに変えますが、同時に先物でBTC/USDTをロングし同時にETH/USDTをショートします。これで何方のコインの価格が動いても影響をうけず、イベントの利益だけを得ることができます。

私もこれをやっているのですが、実際はめんどうです。2つのポジションを管理しないといけないのと同時に、先物のプレミアムも払わないといけません。できればやりたくないです。

しかしCompoundで、BTCを担保*に、ETHを借りることができればこうした面倒なことをせずに済みます。借りたETHはそのまま返せばよいし、BTCもそのまま戻ってきます。たいへん簡明です。ヘッジの資金効率は高レバレッジの効く先物市場より悪くなりますが、簡単さの利点が上回りますね。

※Compoundで利用できるBTCは、正確にはWBTCです。

実際は、ETHマキシマリストが、ETHを担保にUSDCを借りるという事例が多そうです。

iii. 市場価格に影響せずトレードを行う

Compoundは板形式ではなくプール形式です。価格はオラクルで参照されるものの、プール内の流動性の範囲であれば多量に借り入れをおこしても、その借り入れがトリガーになって価格が変動することはありません。これを使って、市場に価格インパクトを少ない形で擬似的なコインの交換を行うということが考えられます。これを行うプレイヤーは誰が想定されるのかわかりませんが、いくつかの注文をマッチしてバランスさせれば、価格変動しないOTCトレードみたいなのを作れるのかも知れません。

iv. 利確による税金を避ける

コイン同士を交換すると利確扱いとなり税金が掛かる国があります(日本、米国など)。そのような国の居住者は、他のコインが一時的に必要でも安易に交換できないという理由があるかもしれません。そこで、元々のコインを担保に、他のコインを借りるということをすれば、税務上は利確の扱いにはなりません。借入金利は、税金に比べたらゴミ以下のようなものです。

v. compトークンをファーミングする

i-ivまでは実需でしたが、この理由は単にトークン付与があるので、必要ないけど借り入れを行うというものです。

その最たるものがBATの運営によるcompファーミングでした。compトークンが付与された当初、BATの運営は、保有する大量のBATを預入して、それを自分たちで必要も無いのに再度借りました。

これだけでcompトークンが金額に応じて付与されるのです。彼らは自分で貸して、自分で借りるので、ノーリスク。compトークンだけがてにはいります

。一時期は、Compoundの取引量の半数以上をBAT運営による貸し借りが占めてしまいました。

これもなぜ草コインのなかでBATだけが、Compoundに入っているのかという話なんですが、まあきな臭すぎますよね。

このように運営が大量に持っているタイプの草コインをつかって、ファーミングができてしまうと、インチキといっても過言ではありません。

(次にLINKとか来そうであります・・w)

以上がDefiのレンディングに関する借り入れ側の重要はどこからでてくるのか?というものの分析でした。参考になれば幸いです。(大石)