本日、Taprootのアクティベーション方法の1つとして提案されている「Speedy Trial (BIP341)」のコードを含むプルリクエストがBitcoin Coreにマージされました。

(=将来リリースされるコードに組み込まれた)3月4日にこちらでTaprootのアクティベーション方法としてBIP8を利用することで概ね合意が取れていると紹介した時点では話題になっていなかったSpeedy Trialは、かなりのスピードで多くの開発者の支持を取り付けたということになります。ただし、今なお反対している開発者も少数います。

今回の記事ではSpeedy Trialとはなにか、どのようなスケジュールでアクティベーションを目指すものか、見ていきたいと思います。

SPEEDY TRIALとは

Taprootのアクティベーション方法に関して、マイナーの準備が整うことを条件にすることでマイナーに事実上の拒否権を与えてしまうBIP9を使うか、期限切れ時にアクティベーションを強制すること(LOT=true)もできるBIP8を使うかで揉めてきました。

Speedy Trialは、約3ヶ月間の期間を設け、BIP9と同様にマイナーにシグナリングをさせ、一定期間に採掘されたブロックの90%以上がアクティベーション準備完了を示していた場合にロックインし、その3ヶ月後にアクティベーションされる、という仕組みです。(※)

もしロックインできなかった場合、単純に3ヶ月間を無駄にしただけで、再び別の方法でアクティベーションを計画すればよいという発想です。Taprootのコード自体はレビューにレビューを重ね、すでに実装されているがアクティベーションの目処が一向に立たないことにしびれを切らして、とりあえず期間の短いBIP9を試すと考えるとわかりやすいでしょう。Taprootの導入に反対している人はいないので、年内にアクティベーションされると思います。

今後の流れ

ここからSpeedy Trialが順調に進めば、ブロック高681,408 (4月末ごろ)に最初のシグナリング期間(2016ブロック=難易度調整と同じ)が始まり、8月中旬ごろまで8回のシグナリング期間があります。このいずれかの期間の中でブロックの90%以上が準備完了をシグナリングすると、Taprootがロックインします。

※…今回はmin_activation_heightとしてブロック高709,632 (11月中旬ごろ)が指定されているので、ロックインが早かった場合でもアクティベーションはこのタイミングになります。

将来のソフトフォークへの影響は?

さて、Taprootのアクティベーション方法に関して散々揉めてきて、今回もSpeedy Trialの採用に反発する声も少しありますが、今回Speedy Trialを採用することによって将来のソフトフォークに影響はあるのでしょうか。

個人的にはより意見の割れるソフトフォークのアクティベーション方法を迅速に決める方法を体系化できなかった点については不安が残りますが、今回はTaprootに関するものとしては過度に慎重な検討がされてきており、導入の足を引っ張っていたのが解消されるのは良いと思います。

また、ネットワークの成長に伴いソフトフォークの導入がより難しくなっていく中で、将来的なソフトフォークがずっと先送りになっていた状態の解消もプラスだと思います。メインストリームになってきたビットコインは今後、業界団体や大口投資家、政府等の影響力が増大するかもしれません。これらの団体からの圧力が本格化する前にプライバシー面の改善やライトニング等に関する改善を進めていき、既成事実化することも大事だと思います。