Vol.272 既定路線に乗ったビットコインの安定感(2024年8月12日)
8月の入り口で5万ドルまで下げたビットコインではありますが、見ているとこれ以上ない安定感で推移している感があります。
なんというか、ビットコインの周りを廻っているプレイヤーが、既定路線をそのまんま進んでくれているため、すごく安定して見えるんですよね。
当記事では、価格自体は強めに上下を繰り返しているものの、ビットコイン上昇の既定路線は、ますます固まり始めているよね・・・ということを書いてみたいと思います。
安定その①:ロシアのプーチン大統領によるマイニング合法化は国家がビットコインを必要とする時代の幕開けになる
ビットコインは2009年にホワイトペーパーが世に出て以降、まず最初に先見性がある個人に買われ、次に会社(マイクロストラテジーなど)に買われるという変遷をたどってきました。
そして2024年8月8日、ロシアがビットコインのマイニングを合法化するとの発表を行いました。これを見て筆者が感じたのは、ついに国家がビットコインを必要とするステージに来たな・・・ということでした。
これに関しては動画で公開もしていますので、要点だけまとめておきますね。
https://youtu.be/QvdalB1vqGo?si=38LDMKomqq7F0c8q
ロシアがビットコインを必要とする動機
- 欧米による資産凍結を回避したい
- 凍結されない決済通貨の必要性
原油取引の決済で一国の都合に振り回されたくない
- EU制裁後、インドへの原油輸出増加
- 人民元での決済に課題が発生
- ビットコインが安全な決済手段として浮上
自国の余剰エネルギーでマイニングできる
- 現在のマイニング占有率は約5%
- 広大な国土と余剰電力がマイニングに適している
国際的な影響
- ロシア産原油を求める国々(インド、トルコなど)のビットコイン需要
- アメリカの規制困難(有権者の21%が暗号通貨保有)
世界の経済を回している血液は原油です。
ロシアが何をやろうと、安価な原油があるなら、それを必要とする国(今ならインド・中国)は間違いなく現れることになります。
一方でその動きを阻止したい国(米国)も現れるわけで、ロシアにとって決済に使う通貨は、どちらの陣営の影響も受けず、完全に独立したものである必要があります。
いま地球上でこの条件を満たすのは、ビットコイン以外にあり得ないですね。
安定その②:日銀は年内利上げ無理報道~日本の国債格付けが引き下げられる可能性
日本銀行は8月前半の株価クラッシュを受け、矢継ぎ早に「利上げしない」コメントで火消しに動いています。
市場不安定な状況で利上げしない、当面現行緩和を継続-内田日銀副総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-07/SHS25ST1UM0W00
日銀は年内利上げ無理、市場急変で早くても来年3月まで-桜井元委員
いま、日銀や市場関係者が恐れているのは、日本の国債のレーティングが切り下げられてしまうことでしょう。
試しに、日本の歳出入のデータを読み込ませたうえで、人工知能にレーティング機関が日本の格付けを見直す条件を推測してもらいました。
あくまでも稚拙なデータの推計ですが、以下が出てきた格下げ条件です。
① 利払費が税収の20%を超える場合
現在の利払費は税収の約14%(97,133億円 / 696,080億円)です。 金利が現在の1.5倍程度に上昇すると、この比率が20%に近づく可能性があります。
② 国債費(利払費+債務償還費)が歳出の40%を超える場合
現在は32.6%です。金利が1.2~1.3倍に上昇すると、この比率が40%に近づく可能性があります。
これらの要因を考慮すると、現在の金利水準から1.2~1.5倍程度の上昇があった場合、レーティング機関が日本の格付けを見直す可能性が高まると推測されます。
たとえば、日本の10年債券利回りは1%前後で動いています。仮にこれが1.5%あたりまで切りあがってしまえば、格下げの可能性が現実味を帯びてくることになります。
仮に格下げをくらってしまうと、国債の値段は下がりますから、金利水準は跳ね上がってしまいます。結果的に利払い費用も加速度的に増えるため、収拾が付かなくなってしまいます。
さらには、昨今の報道で出ていた農中の巨額損失のように、日本国債を保有している銀行や保険会社などのバランスシートは急速に悪化します。
社会保障費を大幅カットできれば止血もできるでしょうが、票田の高齢投票者から反発されることになればアウト。残された道は「さらなる国債発行」の終わりなき自転車操業しかありません。
こうなると、日本デフォルトの可能性を市場は騒ぎ立てることになります。
アテンション経済全盛のいま、「日本が破綻!」などというセンセーショナルな言葉が独り歩きし、第2次世界大戦のあとに起きた預金封鎖と財産税が来るぞという投稿も大量に出回ることになるでしょう。
さすがにここまでくれば、預金封鎖に対抗できる資産はビットコインくらいしかないことに市場も気づきます。
こうなったとしても、ビットコインは買われるしかないんですよね。
安定その③:生涯の半分以上をネット空間で過ごすことさえビットコインにはプラス要因
あなたは、一日のうちでどのくらいの時間をネットに使っていますか?
2022年にNordVPNが行った調査からは、ちょっと目を疑うような結果でした。
ブラジル・メキシコ・香港にいたっては、生涯寿命の半分以上をネット空間で過ごしているようなのです。これには本当に驚きました。
以下は調査結果を平均寿命で割り、生涯の何割を費やしているかをグラフ化したものです。

Most of us spend nearly a third of our lives looking at devices のデータをもとに筆者指示のもとClaudeに加工を依頼
https://nordvpn.com/ja/research-lab/lifetime-online/?srsltid=AfmBOorSsAKF33T2XS0rYrkURT-Tvb1HQ2DHQHajs2FJRV6FS70CxcL7
日本で費やされる時間が少ないのは意外ですね。
ともあれ、ほとんどの時間をネット上で過ごすことになれば、人との関係もSNSなどを通じてコミュニケーションをとることになり、ビットコインのニーズへとつながっていきます。
この理由に関しては、「Vol.270 寛容さの減少がビットコインの台頭を加速させる(2024年7月29日)」からポイントを抜き出してみますね。
- SNSの「エコーチェンバー」現象やドーパミン放出のメカニズムが、社会の分断を加速させている
- 社会の分断や経済的不安定さが、中央集権から独立した資産としてのビットコインへの需要を高めている
- 内乱のような極端な状況でも、ビットコインは安全資産として選択される可能性がある
- ビットコインの役割は単なる投資機会を超え、社会経済の変化に対応する手段となりつつある
SNSなどの提供者は、もちろん過激な投稿をフィルタする機能を開発しています。でも、そういった機能は英語で最初に実装され、修正しつつマイナーな言語での実装に進みます。
よって、英語圏以外では、より過激な内容が飛び交ってしまい、それが人々のドーパミンを発動させ、結果的にネットでの滞在時間を増やすことにつながっているのでしょう。
まとめ:何をやってもビットコインに資金が集まる流れになっている
本記事では、ビットコインの安定感が増している要因について、3つの観点から考察しました。
国家レベルでの需要増加:
- ロシアのビットコインマイニング合法化は、国家がビットコインを必要とする時代の到来を示唆しています。
- 国際取引、特に原油取引における決済手段としてのビットコインの可能性が高まっています。
経済不安定性とビットコインの関係:
- 日本の金融政策と国債格付けの問題は、ビットコインのような代替資産への関心を高める可能性があります。
- 経済危機や預金封鎖への懸念が、ビットコインの需要を後押しする要因となり得ます。
デジタル生活の浸透:
- 人々がネット空間で過ごす時間の増加は、デジタル資産としてのビットコインの需要を高めています。
- SNSによる社会の分断や経済的不安定さが、中央集権から独立した資産としてのビットコインの魅力を増しています。
これらの要因が相互に作用し、ビットコインの上昇トレンドを強化する既定路線が形成されつつあります。今後も、社会経済の変化に応じてビットコインの役割が拡大していく可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
引き続き、ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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