11/14に、ビットコインにおいてTaprootがアクティベートされました。Segwit以来の大型アップデートといわれています。

それはそのとおりで、ビットコインにおいては根本の部分の機能を変更したり追加することは非常に慎重におこなわれています。Taprootも、最初はMASTという案でしたが、いろいろな議論をへて、4年たって実現しました。

すでにTaprootによる送金は行われ、その第一号の座を手に入れようと、241ドルの送金手数料を積んで真っ先にブロックに取り込んでもらった人が居ます。

添付の画像はそれですね。Taprootのアドレスは、bc1pから始まります。

さて、この記事ではTaprootの影響について書きます。技術的な解説や、ユーザーメリットなどは過去記事や今後の解説をご覧ください。

価格への影響

ですが、無いと思います。というのも、すでにアクティベートされることは確定でしたし、すべてのマイナーが協力的なためにフォークも起こらないと考えられていました。また、アクティベートによって新しいコインが生まれるわけでもなく、エアドロもありません。価格的にはニュートラルであると言えましょう。

では、長期的にはどうなのかですが、Taprootをつかった実用的なアプリはまだ出現はだいぶ先だと思います。Segwitがアクティベートから4年たってようやく一般的になってきたように、またライトニングが3年ほどかけてじっくり成長しているように、Taprootの利用も数年単位のものになります。

ビットコインの機能拡張は即効性を求めたその場しのぎのものは皆無です。基本的に議論スタートからアクティベートまで時間がかかります(Segwitで3年、Taproot4年)。

さらに、将来の利用可能性を広げたりするようなベースレイヤーの改造なので、すぐに便利なアプリがでてきたり、手数料が下がるといったことではありません。

ということで、価格への影響はほぼなく、またこれを手がかりにした仕掛けというのも難しいのではないでしょうか。

ユーザーへの影響

ユーザーへの影響も殆どありません。すぐに使えるアプリは存在しません。Taprootの送金ですが、Segwit送金より手数料が安くなるわけでもなく(ほぼ同じ)、その点もあまりメリットはありません。

ビットコインの開発方針

ではなぜこのようなわかりにくい変更を何年もかけて導入するのかというところに、ビットコインの特徴が現れているとおもいます。

なにか問題が起こるたびに、思いつきで変更を導入しているアルトコインとの違いはそこにあります。

ビットコインのゴールは健全なマネーを作ることです。ですから長期にわかって耐えうる堅牢なベースレイヤー技術を作っていくことが第一の目的になります。

アルトコインの大半は開発者のコインの売り抜けが目的です。そのため、恣意的なイベントドリブンの機能追加や、情弱を吊るようなエアドロップなど、小手先のものが多くなります。

4年前に導入されたSegwitにしても、手数料が安くなるメリットが強調されていましたが、新しいトランザクション形式をハードフォークなしに導入できるという大きなメリットもあります。たとえば、既存の楕円曲線電子署名に危険性が及んでも、量子耐性などのある書名形式をTaprootを導入したときと同様に導入することができます。ハードフォークなし、すべての後方互換性をたもったまま導入できます。

こうした地味な整備は、一般のユーザーでは理解しにくい内容かも知れませんが、開発者の目線が常にそこにあるということはとても大事で、それがビットコインをビットコイン足らしめているといってよいでしょう。

ということで最後はポエムっぽくなりましたが、以上です。はやくTaprootを応用したアプリやライトニングの発展を期待してています。わくわくします。

(大石)