Vol.308 テザーが主導する21 Capital はビットコインの強気相場を牽引する(2025年4月29日)
ビットコイン(BTC)も10万ドルに向けて順調な推移を見せてくれていますね。

ここに来て、新たな強気相場が火を吹きそうな気配も出てきています。
今回の記事では、テザー(Tether)社と、その最新の戦略的動きである「21 Capital」の創設こそが、この強気相場の牽引をしていくキープレイヤーになるかもしれない、、、ということを書いてみたいと思います。
先に結論を書いてしまうと、以下のような図式になると筆者は考えています。
- 21 Capitalの実質支配 = テザー社
- テザー社 = 国レベルを超える存在に巨大化
- 過去ビットコイン乱高下の裏にはテザーあり
- 21 Capital は今後のビットコイン相場に強く影響を与える
それでは詳細を見ていきましょう!
「21 Capital」の実質支配 = テザー社
21 Capitalは、2025年4月に設立されたビットコイン投資に特化した新会社です。
テザー(Tether)社、ソフトバンク社、Bitfinex、Cantor Fitzgeraldなどが共同で支援し、約42,000 BTC(約36億ドル)を保有し、世界第3位のビットコイン保有企業として設立されるとのこと。
現在テザー社のビットコイン・コールドウォレットには、92,646 BTC が保管されています。

21 CapitalへのBTC移転数が42,000 BTC であることからも、実態としてはテザー社の保有するビットコインの一部を別会社に移転した、、、ということになります。
同社内でのテザー社の議決権割合は51.7%であり、実質的なコントロールもテザー社が握っていることになるわけですね。
テザー社一挙手一投足でビットコイン価格は乱高下する
テザー社が発行するステーブルコインUSDT(1ドルにペッグされる)は、2025年4月時点で時価総額約 1,480億ドルを超えています。
USDTは暗号資産取引の基軸通貨として広く使用されており、取引所の流動性を支える重要な存在になっています。
ですが考え方によれば、テザー社はこれまで、米国が多額の軍事費を投じて維持してきた世界最強通貨「米ドル」の通貨発行益を横取りしてきたわけです。
もちろん、米国としては米ドルを発行する通貨発行利益(シニョリッジ)を民間の一企業に握られるわけにはいきません。
対抗策として米国は、STABLE法とGENIUS法と呼ばれる米国ステーブルコイン規制を提案することとなりました。
25年2月14日に出たJPモルガンのレポートは、この規制が実現した場合にテザー社が保有するビットコインを売却し、米国債など流動性の高い資産へのシフトが必要になるんじゃない?という指摘でした。
Tether May Face Bitcoin Sell-Off to Meet US Stablecoin Rules: JPMorganhttps://www.ainvest.com/news/tether-face-bitcoin-sell-meet-stablecoin-rules-jpmorgan-2502/
ただ、、、
一口に「ビットコインを売却」と言っても、テザー社は25年2月時点でコールドウォレットに8万BTC以上を保有しています。
市場としては、「おいおい、テザーがビットコインの売却したら、エライことになるんちゃう?」と身構えざるを得ません。
だって北米のビットコイン現物ETFがすごいと話題ですが、2025年1月1日から記事のリリースされた2月14日までの1ヶ月半にETF経由で買われたBTC数は手元の推計で4.6万 BTC ほどしかありません。
つまりテザー保有の8万 BTCが放出されようものなら、北米ETFの資金流入3ヶ月分が丸ごと消えてしまうことになるのです。
これだけが原因でもないでしょうが、ビットコイン価格はこの報道後、97,000ドル台から値崩れし、4月7日には75,000ドルを割り込みます。
ところが4月22日、SECにCantor Equity Partners, Inc.がTwenty One Capitalとの合併に関する事業統合契約を締結したとの情報がファイルされビットコインは急騰します。

急騰の背景には、今回テザー社が21 Capitalに保有するビットコインを移転することで、「規制によるビットコイン売却懸念が回避された」という市場センチメントの改善があったのかもしれません。
昔もやっぱりテザー関連で価格が急騰急落している
少しだけ過去のテザー社の動向とビットコイン価格への影響も振り返っておきましょう。Grokに代表的な事例を説明してもらい、筆者のコメントをそれぞれ付け加えてみました。
振り返ってみると、テザー社の動向がビットコインに与える影響は、やっぱり強いなぁという印象があります。
1. 2017-2018年:USDT発行量の急増とビットコインのバブル
背景: 2017年のビットコイン強気相場(BTC価格が約2万ドルに到達)では、Tether社がUSDTの発行量を急増させました。当時、USDTの流通量は数億ドルから数十億ドル規模へと急拡大。
- 流動性供給: 新規発行されたUSDTが取引所に流入し、ビットコインの買い圧力を増幅。市場の過熱感を加速させた。
- 疑惑の台頭: 一部研究者(例:テキサス大学の論文)が、USDTの新規発行がビットコイン価格操作に利用された可能性を指摘。これにより、Tether社の準備金透明性への疑問が高まった。
- 結果: 2018年の市場暴落後、Tether社はニューヨーク州検事総局(NYAG)から調査を受け、準備金の不透明さが市場の信頼低下を招いた。
教訓: USDTの供給量はビットコインの短期的な価格動向に直接影響し、市場の信頼感が価格安定の鍵となる。
筆者コメント:この頃はTwitterなどでテザーの新規発行に関連するポストが出るたび、ビットコインが急騰急落する動きを繰り返してました。まさにバブルでしたね。
2. 2019-2021年:準備金問題とビットコインの回復
背景: 2019年、NYAGはTether社と関連会社Bitfinexが準備金の不適切な運用(例:Bitfinexの損失補填にUSDT準備金を使用)を行ったと主張し、訴訟を提起。2021年に和解し、Tether社は1850万ドルの罰金を支払った。
市場の不安: 訴訟期間中、USDTのペッグが一時的に乱れ(0.95ドル付近まで下落)、ビットコイン市場でも売りが加速。2020年初頭のBTC価格は一時7,000ドルを下回った。
- 回復への貢献: 和解後、Tether社は準備金の証明書を定期公開するようになり、市場の信頼が回復。2020-2021年のビットコイン強気相場(BTC価格が6.9万ドルに到達)では、USDTの安定供給が取引所の流動性を支え、買い需要を後押しした。
- ビットコイン保有の開始: 2021年頃からTether社がビットコインを準備金の一部として保有する動きが観測され、市場の強気心理を補強。
教訓: 透明性の向上は市場の信頼を回復させ、USDTの安定性がビットコインの長期的な上昇を支える。
筆者コメント:2018年11月頃には、6千ドルを頑張って維持していたビットコインを横目にテザーの発行残高は急落。時間差を持ってビットコインも3千ドル台へ下落し、テザーの威力を市場にまざまざと見せつけました。
3. 2023-2024年:ビットコイン投資戦略と市場への影響
背景: 2023年5月、Tether社は純利益の15%をビットコイン購入に充てる戦略を発表。2024年末までに約92,000 BTC(約78億ドル)を保有するまでに至った(2025年4月時点では約100,521 BTC)。
- 買い圧力の創出: Tether社の大規模なビットコイン購入は、市場の供給を吸収し、2023-2024年のBTC価格上昇(4万ドルから8.5万ドルへ)を後押し。特に、機関投資家の参入が加速する中、Tether社の動きは市場の強気センチメントを強化。
- 準備金の多様化: 米国債中心の準備金にビットコインを加えることで、Tether社は金利リスクを分散。ビットコイン価格の上昇に伴い、準備金の価値も増大し、USDTの信頼性が向上。
- 波及効果: Tether社のビットコイン保有は、他のステーブルコイン発行者や取引所にも影響を与え、ビットコインを準備金に組み込む動きが広がった。
教訓: Tether社の投資戦略は、ビットコインの需給バランスに直接影響し、市場全体の資産構成トレンドを形成。
筆者コメント:2023年5月から1.5年でビットコイン価格は27,000ドルから100,000ドルまで上昇しています。なぜかテザー社のアクションは、急騰急落の起点になりますね。
AIまとめ
テザー社と21 Capitalの関係
- 21 Capitalは2025年4月に設立されたビットコイン投資に特化した新会社で、テザー社、ソフトバンク社、Bitfinex、Cantor Fitzgeraldなどが共同で支援しています。
- 約42,000 BTC(約36億ドル)を保有し、世界第3位のビットコイン保有企業として立ち上げられました。
- テザー社の議決権割合は51.7%であり、実質的なコントロールをテザー社が握っています。
- テザー社のビットコイン・コールドウォレットには92,646 BTCが保管されており、21 Capitalへの移転は実質的にテザー社の保有するビットコインの一部を別会社に移したことになります。
テザー社の影響力
- テザー社が発行するステーブルコインUSDTは、2025年4月時点で時価総額約1,480億ドルを超えており、暗号資産取引の基軸通貨として広く使用されています。
- 米国はSTABLE法とGENIUS法と呼ばれるステーブルコイン規制を提案しており、JPモルガンのレポートではこの規制が実現した場合、テザー社がビットコインを売却して米国債などの流動性の高い資産へシフトする必要が生じるのではないかという指摘がありました。
21 Capitalの成立とビットコイン価格への影響
- 4月22日、SECにCantor Equity Partners, Inc.がTwenty One Capitalとの合併に関する事業統合契約を締結したとの情報がファイルされると、ビットコインは急騰しました。
- 急騰の背景には、テザー社が21 Capitalに保有するビットコインを移転することで「規制によるビットコイン売却懸念が回避された」という市場センチメントの改善があると考えられます。
過去のテザー社の動向とビットコイン価格
- 過去にもテザー社の動向がビットコイン価格に大きな影響を与えてきました。2017-2018年のバブル期、2019-2021年の準備金問題と回復期、そして2023-2024年のビットコイン投資戦略期において、テザー社の行動がビットコイン価格の急騰急落の起点になってきました。
この記事から、テザー社の新たな動きである21 Capitalの設立が、今後のビットコイン市場の強気相場を牽引する重要な要因になる可能性が高いことがわかります。
特に米国のステーブルコイン規制への対応として、テザー社のビットコイン保有戦略が市場に与える影響は大きいと言えるでしょう。
ビットコインは現在10万ドルに向けて順調な推移を見せており、テザー社のこうした戦略的動きが今後の相場形成において重要な役割を果たすことが予想されています。
今週は以上です。
引き続き、、ハッピー・ビットコイン!
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