ビットコインとアルトコインの経済学
今日は簡単な経済学をやります。
出てくる単語は、Marginal Cost, Marginal Profit, Priceの3つです。Marginal Costというのは日本語に訳すと「限界費用」と訳されますが、限界というと、「もう我慢の限界」というように使うのが一般的なので、いっぱいいっぱいの費用のことかと意味不明になります。なので英語で書きます。Marginalとは、「追加1単位」という意味です。ある製品を追加で1つ作る時にかかる費用を、Marginal Cost(MC)といいます。同様に、ある製品を追加で一つ売る場合の利益(売上)をMarginal Profit(MP)といいます。Priceは市場価格のことです。
ビットコインの経済学
ビットコインのマイニングは、経済学でいうところのいわゆる完全競争市場です。だれでも参入が自由で、制限がありません。
このとき、ビットコインの、MC、MP、Priceを考えてみましょう。
MCは、追加で次のコインを得るために必要な費用です。ビットコインの場合は次のブロックを採掘するのにかかる電気代などがその費用になります。MPはビットコインを売った時の価格です。もし、マイニングの費用が市場価格より安ければマイナーは設備投資をします。すればするほど儲かるからです。そして設備投資は、マイニング費用が市場価格に一致したときに利潤がなくなり終わります。一方、市場価格がマイニング費用より安ければ、マイナーは設備を削減します。いずれマイニング費用は下がり、市場価格に一致したところまで均衡します。
ビットコインにおいては、
Margimal Cost (マイニング費用)= Marginal Profit (市場価格) = Price (理論価格)
という式が成り立ち、この3つが同じになる点に、それぞれが調整され均衡するということになります。
アルトコインの経済学
一方で、アルトコインにおける、MC、MP、Pを考えてみます。
アルトコインは、運営側がタダでコインを最初に手に入れていることがほとんどです。XRPのように運営が100%持っている状態からスタートするものすらあります。この場合、コインの生産に掛かった費用として、最初の開発費などがありますが、一旦開発してしまえば、その後は安くなります。つまり、追加で1単位のコインを得るために運営が支払っている費用は、限りなくゼロです。つまり、MC=0に近い状態です。
これは、マイクロソフトがなぜ儲かるかということと同じです。マイクロソフトはウィンドウズのOSを作るのに多大なコストをかけていますが、いったん完成すると、あとはいくらでもコピーできます。追加で1つウィンドウズを生産するこすとは、ほぼゼロです。同様にたとえばこのサロンでも、300人の会員にコンテンツをつくっていたとして、301人目に対して掛かる追加的な費用はゼロです。つまり、サロンビジネスも、MCはゼロです。このように一旦つくってしまえば、あとの生産に掛かる費用がほぼゼロであるものは、非常に儲かります。Windowsを一つ追加で作るコストはゼロですが、Windowsは30ドルなりで売れるからです。
しかし、どう考えておかしいとおもうでしょう。ずっとその価格で売れるはずがない。競合がいれば、ずっと30ドルで売れ続けるはずがないと思うかもしれません。そのとおりです。ですから、このようなことが起きるのは、「独占市場」であることが必要です。つまり、OSの市場をマイクロソフトがほぼ独占していてWindowsを嫌いでも使わざる得ないという状況になっているからこそ実現できるのです。さて、アルトコインの場合ですが、運営は新しいコインを発行したり自分たちに割りあてるのに、コストはかかりません。MC=0でコインを発行します。
そして、それをいくらかの値段で売るわけですが、買う養分がいる限り、極めて儲かります。そして、最初は運営がコインの殆どをもっていたり、情報を握っているので、一時的に独占市場を作り出すことができます。運営のコイン生産費用はゼロですから、価格がゼロ以上で有る限り売れば利益がでます。
この場合の均衡点は、
Marginal Cost (運営の発行費用) = Marginal Profit (市場価格) = Price (理論価格)= 0(ゼロ)
均衡点は、ゼロになります。独占市場を維持している限りはゼロになりにくいですが、アルトコインは飽きられます。それが独占状態が崩れるときです。そのとき、価格は均衡点、つまりゼロに向かいます。
これがアルトコインの基本的な経済学です。さて、現在市場が暴落しています。アルトコイン、草コインの上昇でウキウキしていたみなさんも、すこし冷や汗をかいてきた頃とおもいます。そういうときは、アルトコインの経済学をよく勉強してみましょう。(大石)
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