Sphinx ChatとLightningの無意識のマイクロペイメントの威力
今週はSphinx Chatを入れて色々実験していました。「ビットコイナー反省会」のPublicグループを作って遊んだりしていますが、大分アプリ自体も安定してきて、普通にチャットアプリとして機能するくらいにはなってきました(まだバグは多いですが)
Sphinx Chatの仕組みや設定方法はLN開発者の小川さんが記事にもしてくれているのでこちらを読んで是非グループにも参加してみてください
https://spotlight.soy/detail?article_id=6irykuocg&fbclid=IwAR1nHHchhRlDnGAU-D6HGlq7pceTOB40YQqjafaBj4aPZlS5F5U1_SWj1Xo
また、Sphinx Chatの土台となるWhatsatというコンセプトについても以前大石さんがコラムで説明してくれていたのでこちらも復習に読んでみてください。
さて、Sphinx Chatをいじっていて、自分の中でほぼ確信的に思ったことがあります。
Lightningのあるべき使い方は「意識しないマイクロペイメント」だろう、ということです。
Sphinx ChatはLightning Networkそのものを直接利用したチャットサービスで、メッセージを送る度に少しづつ超少額のSatoshiを消費するような仕組みです。
ただし、一回使ってみれば分かりますが、この支払は毎回承認するのではなく裏で自動的に発生するもので、普通に使っている限りでは特にLightningやペイメントを意識する必要はなく、ほぼ普通のチャットサービスを使っているのと変わりません。(まだかなり粗くはありますが)
テキストを送るごとに少しづつコストはかかっているのですが、これはせいぜい1txあたり数satoshiくらいのもので、円換算では0.01円くらいです。実際は塵も積もれば山とはなりますが、これくらい小さい金額だとコスト感覚がそもそもないので、「ほぼ無料」という気持ちで使えます。
この「無意識」「無料感覚」が今後のLNとマイクロペイメントのユースケースを考える上で非常に重要なのではないか、というのが今回の主なインサイト、強調したいポイントです。
現状のLappsやゲームなどでは、数100satoshi(数円)を受け取ったり送ったりするために毎回QRコードを読ませたり、ウォレットでInvoiceを作成して送金依頼をしたりする設計のものしかほぼないのですが、この「認知コスト」や「操作にかかる時間」の方が貴重な有限なリソースであったり、今のままではいまいち合理的ではないと言える部分も多いです。つまり、数円以下の送受信に関しては「無意識」「自動化」の環境を達成できないとLNのマイクロペイメントの本当の意義は引き出せないと考えます。
では、この無意識の超マイクロペイメントがあるとどうなるか、ということですが、確かに個人単位で見ると大したものに感じないかもしれないですが、ユーザー数やトラフィックが増えると一気にその効果が積みあがって行き、新しいタイプのアプリやユースケースの設計が可能になってくると思います。
例えば、Sphinx Chatの場合はチャットメッセージを送るたびに5~10satoshiほどの一時的な「預託」が必要になっており、これがあることで大量のスパムメッセージを送る行為の抑止として使えます。他にも、自分が管理するグループ内での各発言から細かく課金出来る機能や、特定のメッセージや写真を有料で販売する機能などもすでに試せます。
具体例として例えばTwitterとLNを組み合わせたサービスを想定してみます。フォローした人のツイートを見るのに少しづつ超少額課金されるサービスがあったとしましょう。それを人気アイドルが使ったとして100万人がフォローしているとします。
アイドルの発言や写真を見るとそれぞれ自動的に10satoshi/メッセージ課金されて、一日に10件ツイートしたとします。そうすると一人当たりの売上は一日100satoshi(約一円), 100万人フォロワーがいたら一日1億サトシ、簡単な計算で一日約100万円くらいの売上になりますね。
タダのものはないので、フォロワーにも何かしらのコストは当然かかっているのですが、重要なのは一ツイート0.1円以下の自動的に発生するコストはほぼ無料と認識され、それの積み重ねで一か月30円コストがかかったとしても、案外心理的な抵抗はないということです。
似たような例を出すとすると、例えばWikipediaに一年に一回1000円寄付する、という行為には何か心理的抵抗を感じてしまい実際寄付する人は少ないかもしれないですが、例えば自分のオンラインショッピングに使った金額の内の0.1%をWikipediaに寄付します、ならまあいいか、という人も結構多いんじゃないか、といったコンテクストです。
要は、本質的には同じもののように見えますが人間の認知コストやバイアスまで考慮すると結果は変わってきて、無意識レベルの少額の都度課金が出来ることになることで、案外人間の消費行動って変えられそうという仮説です。
逆に言えば「無料で」使えることがデフォルトになってしまっている今のインターネットの方こそ実は人間の「無料」を重視しすぎるバイアスに乗っかったもので、実は裏でデータをとられたり、広告などで時間を取られてしまっているような状況こそ市場が歪んだ状態と言えるかもしれません。「無意識レベルのマイクロペイメント」というツールがあれば、今の「無料」「フリーミアムモデル」からの脱却の基礎になるのではないか、と個人的には感じています。
これだけで若干大げさな話を広げている気もするかもしれませんが、自分はここに何か大きな市場が眠っているのではないかと感じましたし、今後こういう方向にLightningのサービスも進化、改良されていくのではないか、そういう方向性で今後Lappsも設計していく必要があるのではないかと思います。今後Sphinx Chatのような形でペイメントの自動化、超少額課金を背景で利用したLappsは増えそうですし、それらの中からLNを広げる初期のキラーアプリが出てくるのではないでしょうか。
とりあえずSphinx ChatはLightning Networkを利用して色々遊ぶ、学ぶいい機会になると思うので、是非登録してみてビットコイナー反省会チャンネルにも入ってみてください。
ちなみに反省会Sphinx Channelには以下のページから参加URLなどが見れます。
Sphinx Chatビットコイナー反省会のPublic Groupを作ってみました。まだメンバー数は2人だけど目指せナンバー1グループw
— Koji Higashi (@Coin_and_Peace) June 23, 2020
ちなみに参加者がメッセージを送ることにSatoshi単位で細かくFeeをとったり出来る機能が出来てたり、少しづつ地味に進化してます。https://t.co/Bl2nyHUfSv pic.twitter.com/Vg7cMIcmyo
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