昨日の大石さんのSelf Goxに関する投稿が非常に衝撃的な内容でしたね。自分もこの界隈でやらかしたこと何かあったかな、と考えたら大石さんほどのインパクトはないですが、一つそれらしいことがあります。

正確な額は自分でもちゃんと把握してないですが、大量に買っていたブロックチェーン上のゲームやコレクション用のアセットが全て無価値になり、今のビットコインの時価総額換算だとおそらく1千万円分以上のビットコインを浪費+カード売却のタイミングを逃す、という話です。基本的にはただの笑い話なのですが、今のNFT周辺のサービスやこれからまた来るかもしれないNFTブームの教訓になる部分もあるかもしれません。

Spells of GenesisとRarepepeアセットの大量保有

自分は2014~17年くらいまでトークン関連のプロジェクトやモバイルトークンウォレットの開発に主に携わっており、その関係もあってかなり初期の時期からブロックチェーン上のゲームアイテムやコレクション用のトークンを主に収集目的や趣味で買っていました。自分が主にトークンを買い集めていた時はビットコイン価格が数万円くらいと比較的安い時期で、BTCの絶対数で最低でも数BTC分くらいはSpells of Genesis(トークンゲームの草分け的存在)のカードの購入に使っていたと思います。
元々個人的趣味やゲームで使うために集めていたもので投資的な意識は低かったですが、少しづつブロックチェーンアセットのコンセプトが受け入れられ注目が増していくと、16~17年にかけて一部のゲーム内のアイテムの価格が高騰し始めます。

100枚限定発行のSatoshicardというのが最もレアなカードの一つなのですが、このカードは一時期最大100万円弱くらいの価値で取引されていました。自分は確かSatoshicardを2~3枚持っていて、他にもSoGの限定発行のレアなカードを地味に買い集めていたので、SoGのカードコレクションだけでも最盛期には1000万円台近くの価値になってたと思います。

同じような要領で16年に誕生した謎のRarepepeにもハマってカードを買い集めていたので、こちらも最も盛り上がった時のカードの時価総額は数百万円分くらいは最低でもあったと思います。

Rarepepeについては経緯を振り返る記事を少し前にSpotlightでも書きました。https://spotlight.soy/detail?article_id=oainf6vc1

自分は集めていたカードをほとんど売っていないのですが、現状それらのカードの価値はほぼゼロに近く、自分は丸ごと損をしていることになります。元々円換算ではそこまで大きな金額を投資していたわけではないですが、ビットコイン価格の高騰と、カード価値の高騰を考えるとかなりの機会損失で、普通の感覚からするとちょっとありえない気もします笑

そもそも何で売らなかったのか?

自分は関係者とかなり近い立場にいたので、感覚的には盛り上がり度や売るタイミングは結構わかっていたのですが、それでも結局カードコレクションと心中することになりました。

税金の計算が面倒、から他にも色々細かい理由はありましたが、自分自身がこれらのプロジェクトやコミュニティとかなり密に連携していたため、要はこれらのカードに感情的なアタッチメントがあったので結局売れなかったというのが大きいと思います。投資の観点からは特定のアセットに感情的に肩入れするのは完全アウトなので、売り時を完全に逃してたのもまあ納得ですね笑

また当時「デジタル上で希少性を持ったブロックチェーン上のアセットは、従来のゲーム内アイテムに比べて価値が長期にわたり保存されやすい」という仮説を自分自身も一部信じていたので、今売らなくてもその内どこかでまた盛り上がったり、買い手もすぐにはいなくならないだろう、という淡い期待や思い込みもあったと思います。

NFTトークンが価値を持ち続けるという幻想

さて話を少し先送りして、自分がトークンコレクションにはまっていた時期から少し後の17年末にCryptokittiesが誕生して本格的なNFT(Non fungible token)ブームが来ました。

日本でもその少し後を追うような形でMy Crypto HeroesなどのNFTゲームが複数出てきて、界隈全体で人気になったものもあります。それらのプロジェクトはブロックチェーン上で発行されたNFTの希少性(世界で一つだけ)と、アセットはブロックチェーン上に記録されているからあなただけのもので、価値が保存される、的なことを宣伝文句として言っていますが、自分のやらかしから見ても分かる通り残念ながらそれはあまり正確ではないと思っています。

確かにブロックチェーン上の記録は他社にもオープンで参照可能ですが、ゲーム間を超えるコラボはいまだに限定的ですし、最終的には大部分特定のゲームの面白さと人気度にトークンの価値と寿命は依存しています。ブロックチェーンでアイテムのトレード性、換金性、透明性が若干向上している以外は今までとあまり変わらないです。要は開発会社がやる気をなくしたり、ゲームが飽きられ人が去って行けば、何を言おうがそのゲーム内のトークンの価値もなくなるという非常にシンプルな話です。

また、特にNFTは一つ一つがオリジナルのトークンという性質上、逆に言えば極端に流動性が低いです。ゲームが盛り上がって買い手が残っているうちはいいですが、失敗すると誰も他に買い手がいないアセットを大量に保有してしまうリスクもFungibleなトークンより高いですし、自分以外でも似たような苦い経験をしている人は結構いるんじゃないかと思います。

そう考えるとまだまだこれからゲームやサービスの淘汰が続いていくブロックチェーン界隈で、NFTトークンは長期の価値の保存に全く向かないといえそうです。

これからNFTトークンを買う人への忠告

最近はイーサリアム上のトレンドは全てDeFiに持っていかれ、NFTプロジェクトは若干下火になってきている気もします。ただし、今年から来年にかけてこういう過去の経緯ややらかしをしらない新しいユーザー層が参入してくれば、NFTブームももう一回くらいは来るんじゃないかと思います。

元々ゲームが好きな人ならNFTを購入してゲームをプレイしたりアイテムを集めたりする行為は止めませんが、もし少しでも投資目的、損をしたくない気持ちがあるなら、特定のゲームが盛り下がって来たかな、と判断したらその時点で出来るだけトークンは早めに清算した方が身のためだと思います。

何を見てこのタイミングを判断するかは難しいですが、コミュニティグループに入って古株メンバーみたいなのが運営に文句を言い始めたり、アセットを売り抜け始めたら黄信号ですね。この界隈、トークンという投機的な側面があることで、上手く行っている時はみんなハッピーですが、何か問題が起きたり不満が溜まっていくと人が抜けたり移動するスピードも速いので、コミュニティの様子には敏感になって逃げ遅れないようにした方がいいです。逆に自分のようにコミュニティの中心メンバーとかになってしまうと感情的になってしまうので、投資目的だとしたらある程度コミュニティから距離を取るべきだとも思います。

(余談ですがNFTに限らず特定のアセットに感情的に肩入れしてしまう、中心メンバーになってしまうことで抜けられなくなる、というのは他のコインなどでもよくある現象ですね)

自分個人はまたNFTブームが来てもそれに乗っかってアイテムトレードで儲かろう、みたいな気持ちはもう全くないですが、もしNFTに興味がある人がいたらむしろ過去のやらかしも参考に後で後悔しないように対応してください。

ちなみに自分はたまにこのネタを思い出しますが、特にそこまで後悔はしてないです。デジタルだろうがフィジカルだろうかコレクションなんて元々損前提の自己満みたいなものですからね笑