寄せられた質問にお答えします

質問

いつも論考楽しく拝読しています。

さて、最近中国でマイニング企業の締め出し、Huobiの撤退、FTXの香港から中米への移転、中国ユーザーのCoingeckoとCoin Market CapへのGreat fire wallによるアクセス禁止など、仮想通貨の排除ムードが強くなっています。

過去に起きた中国の仮想通貨禁止ムーブメントと同程度という見方もありますが、オリンピックも控え他国へのパフォーマンスやデジタル人民元の実装が求められる中で単純に同一視は出来ないのではと個人的には思っています。しかし当時の肌感覚を存じ上げず、過去の出来事と比較してのご意見を伺えるとありがたいです。

現在は米国でのトークンの証券該当性に対する規制論があり、半端な分散性を謳ったトークンへの風当たりは世界的に見ても強いでしょうし、しかし一方でDeFiのインフラはそれなりに整っているのでdYdxに中国ユーザーがVPN経由で流れるという現象も起きています。

人材の還流もあり、過去の繰り返し議論が多く起こっている中、歴史を知る方のご意見は大変貴重だと感じる今日この頃です。

何卒宜しくお願い致します。

回答

大事な質問なので、わたし(大石)が感じている歴史的な経験を踏まえ、2つのポイントを回答したいとおもいます。

まずは中国について。

中国のビットコイン禁止は、古くは2013年からありました。その時もそのニュースがキッカケで1200ドルのバブルが崩壊しました。

その後も中国のビットコイン禁止は度々アナウンスされてきましたが、いつも結局はユーザーは使い続けています。

今回も結局はそうなるのではないかと思います。

もちろん中国は取引所を禁止して、ついにマイニングまで締め出しました。ほぼ完全に禁止できるものは禁止したという理解です。

それでもユーザーはビットコインを使い続けるでしょうし、使われるでしょう。結局抜け穴は沢山あり、防ぎようがないのです。

ビットコインはむしろこうした政治状況のなかでも資産として保有し使うことができるかどうかにチャレンジするために生まれたものだといえます。

つまり中国がビットコイン禁止をしたところでユーザーが使い続けるということは、まさにビットコインの強い対検閲耐性を証明するものであり、むしろその価値を中国が裏付けてくれたともいえなくないでしょう。

表向きの中国マネーの流入は減ると思いますが、必要なひとが使い続ければ十分だとおもいます。

次にDefiを中心とした規制の動きについて

Defiには運営者がいるのは間違いありません。Decentralized in Name Only (DINO)という言葉で揶揄されてしますが、歴史的にみて、規制の抜けあなを狙った仕組みで運営者がいるものは必ず最後にはお取り潰しにあってきました。Defiも例外ではないでしょう。

しかし、Defiの規制に手を付ける前にステーブルコインのほうが先に議論に上がっています。

ステーブルコインはドルを預けてそのぶんの証書をコインとして流通させています。運営者は預かったドルを国債などで運用しているので、MMFがコイン化したものとなんら変わりません。

また実質上ドルをライセンス無しで移動させてしまっているので銀行業に違反します。当局が怒るのももっともです。

私はステーブルコインには強烈な規制が入ると予想します。ドルと絡む以上、最終的には受け入れざるを得ずに、コインの機能として凍結や没収、ウォレットKYCや、トランザクションへの情報付与など、さまざまな対応が要求されるとおもいます。そしてイーサリアムのERC20は、それらの機能を「柔軟に実装することができる万能プラットフォーム」であります。

ステーブルコインに規制がはいれば、自ずとそれに頼っているDefiも規制をまたずに下火になってくることになるでしょう。

最終的には、USDCが残るというシナリオを有力視しています。上場会社のCoinbaseが発行しているため、規制準拠がもとめられ、USDCがそれを乗り越えれば新しいスタンダードとして使われることになりそうです。