こんにちは。ボラティリティが消え去ったビットコインに変わり、天気予報では台風11号が明日朝に四国へ接近見通しとなっているようです。近隣の方は、くれぐれもご注意くださいませ。

さてビットコインは値動き幅も消え、いまは「いつ見ても2万ドル」な状態が続きます。しばらく放牧でしょうか?

なにも考えず値段だけを見るなら、2015年の「いつ見ても200ドル台」とそっくりです。2016年中旬ころまで、ビットコインは忘れ去られた存在となったことを思い出す人もいるのではないでしょうか?

上チャートは2022年現在、下チャートは2015年のビットコイン価格を100倍したもの

さて今のビットコイン。いわゆる「独歩」の動きは影を潜め、株式や金利市場などの外部環境に身をゆだねるような動きが続いています。

とくに今年の4月ころには、米金利が一瞬だけ逆イールド(長期金利が短期金利よりも低くなる逆転現象)へ転落。このときはメディアでも話題になりました。

米国の長短金利差は8月9日に2000年来の最低値をヒット

そして現在の状況は、絶賛逆イールドが進行中。8月9日に -0.48をヒットし、2000年以来の落ち込みとなっています。

過去を振り返れば、逆イールドが発生してから時間差を置いての景気後退(株価の下落)がセット(上チャート内のグレイ部分は景気後退期)。それこそ世間では話題活況だろうとGoogleトレンドで調べてみましたが、興味自体は消滅していることがわかりました。

Googleトレンドでの逆イールド興味は、本年4月からは下落傾向

意外な結果ですが、やはり世の中で話題になるには、テレビやニュースなどで取り上げられる必要があるのだなと、改めて認識をいたしました。

いくら金利の話題をYouTubeにあげてもView数が伸びないわけです。いや、後藤さんは人気爆発しているから、自分の作り方が甘いんだろうな。反省です...

さておき、足元で気になることがあるとすれば、11月に中間選挙を控えた米国の大統領支持率でしょうか?8月15日からジリジリと下がり続ける米株の影響を受けることなく、景気よく上昇しています。

バイデン氏の支持率:8月15日以降の株価下落にかかわらず上昇

8月15日の支持率は40.2%でしたから、現在の42.7%は2.5%の改善。もちろん理由はガソリン代の下落なわけですが、株価下落でも支持率に影響なしとなった以上、ますますインフレ対策の高金利政策を前面に打ち出す可能性を感じる結果となっています。

もし金利上昇バンザイの展開が続くなら、ビットコインも11月の米中間選挙あたりまでは少し重たい展開が続くという見方が主流になるかもしれませんね。

さて週末に講義を作るので数字とにらめっこをしながら、すごく違和感を感じたことがありました。

それは、ついに実質金利までもが逆イールドへと転落していたことです。

実質金利(インフレヘッジ債の利回り)は短期が長期を上回っている

名目金利の逆イールドは見慣れた昨今ですが、「実質金利よ、お前もか」と、じーーーーと画面を見つめてしまいました。

そこで個人的な興味もあり、実質金利が逆イールドへと転落した時のビットコイン価格動向について、バックテストをしてみました。

すると、自分が当初思っていた結果とは異なる意外な示唆を与えてくれました

なかなかに感動的でしたので、こちらでシェアをさせていただけたらと思います。

まず自分の仮説は、こんな感じでした。

実質金利が逆イールドに落ち込むのは、結局のところリスク回避で米国の10年債が極端に偏って買われているから。リスク回避が行き過ぎているなら、それはビットコインの買い場になるのでは?

この仮説は、一面で正しく、一面で間違っていました。ちょっと見ていきましょう。

まず以下は実質金利が逆イールドへと転落した期間のビットコイン動向を、ざっくりチャート上で囲ったものです。

実質金利が逆イールドとなった期間のビットコインをハイライトしてみた

微妙ですね、、、

確かに買い場と言えなくも無いですが、それでも新型コロナの4,000ドル転落時期には、9,000ドル程度で買った直後に崩落しています。仕方ないといえばそれまでですが、なにかピリッとしません。

そこで逆イールドへと転落してから60日後の騰落率を調べ、バックテストをしてみました。

期間は2015年9月から2022年7月まで。結果は以下のとおりです。

簡単に見方を説明しておきますね。

実質金利の長短イールド差とビットコイン60日後の騰落率・平均との比較

横軸は実質金利の長短イールド差です。① で囲った部分は数字がマイナスとなっていますから、これがいわゆる「逆イールド」です。

縦の青軸は、60日後のビットコイン騰落率を平均したもの。グレーの折れ線は発生件数。オレンジ色は集計期間の平均騰落率18%を差し引いたものです。

グラフが左右に偏るほど、相場は極端な動きとなるため、件数(グレーの折れ線)も少なくなっていることがわかります。

また青線はプラスでもオレンジ線がマイナス側のところは、実質金利など見ず普通に買っていたほうがマシであることを表します。

以下は検証の結果、わかったことです。

その ①: 実質金利の逆イールドが極端に進めば(-0.1%以下)、「買い場」となる傾向はある

これ、半分は当初の想定通りでしたが、単に逆イールドとなるだけではビットコインの買い場としては不十分でした。

長短金利イールドが極端にマイナス、集計期間では「-0.1%以下」まで落ちれば、そこそこのリターンが確認されています。ちなみに直近9月1日は「-0.06」。まだ極端とはいえない?面倒だから、早く上がってくださいw。

その ②: 一番良いのはゴルディロックスな環境(0.2% ~ 0.5%程度)

つまらない話ではありますが、市場が適温だと感じている通常の順イールド期間が、もっとも上昇相場としては安定している結果となりました。特に、長短イールド差が0.2%から0.4%のあたりは、パフォーマンスも安定しているし、件数も十分にあります。

その ③: 1%が見えたら逃げろ

個人的に一番イケてると思ったのは、この発見でした。長短金利差が0.8%を超えてくると、相場としてもずいぶん過熱度合いが上がるのでしょう。60日後の平均リターンもマイナス圏に沈んでいれば、ベンチマーク比較では更に惨憺たる結果です。

別に「そこ」でビットコインを売却する必要もないのでしょうが、この期間は「買わない」というのも、一つの選択肢となるのかなとは思いました。

まとめ

こちらの記事では、実質金利の長短イールド差がマイナス域に突っ込む「逆イールド」が発生したとき、ビットコインの値動きにどのような特徴が出るのかを探ってみました。

とはいえビットコインは成長過程の市場です。過去には、金利も株価もまったく無視して動いていた時期もあります。

今後の成長や市場環境次第では、実質金利など全く無視して動き始めることもありうるでしょう。

あくまでも現時点で判断基準の踏み台にでもしていただけましたら、幸いです。

それでは、今週もハッピー・ビットコイン!


ココスタ

佐々木徹