Vol.177 ビットコインが消し去る中間業者 ~ 黒船ビットコインは板挟み(2022年10月3日)
○ CMEは個人口座を受け入れる申請を提出
○ ビットコインの内部ファンダメンタルズは好転
○ 米国の金融引締は本気モードに
「人間、何をやっても、最期は骨で終わるんやなぁ。」9月30日の父親葬儀にて骨を拾ったとき、そう思いました。
山間にある火葬場の駐車場からは、抜けるような青い空に普段どおり鳥も飛んでいます。
私が死ぬときも、やはり空は普段どおりに動いて、ビットコインは普段どおり10分で採掘されていることでしょう。
ならば、残された時間は、せめてやりたいことにぶつけていこうと、改めて思った次第です。
とりあえず、ビットコイン買いますw。
CMEは個人口座を受け入れる申請を提出
さて直近で目に入ったニュースで目を引かれたのは、CMEが個人口座を受け入れるための申請を提出したという報道でした。
Futures Giant CME Considers Brokerage, Taking Cue From Crypto Rival FTX(WSJ)
https://www.wsj.com/articles/futures-giant-cme-considers-brokerage-taking-cue-from-crypto-rival-ftx-11664592510
簡単に要点だけ書き出してみますね。
8月にCMEは先物商委員会に加盟の申請を提出した。いわゆるブローカー業への申請であり、受け入れられれば、CMEが投資家に(他のブローカーを通さず)先物を売買する場所を提供できるようになる。
申請が認められCMEがブローカー業に参入すれば、投資家は既存のブローカーを介さずに、先物トレードを取引所と直に行うことができるようになる。
先物商委員会に加盟しているブローカーは、投資家から証拠金を集め、手数料を取ってCMEへの取引を仲介している。
なおブローカーは取引手数料を取ることに加え、顧客から集めた証拠金残高から金利収入を得ている --- 中銀が金利を引き上げていることから収支は今からも向上するものと見込まれている。
CMEの動きは、FTXが米国の一般客にビットコインのデリバティブを直接提供できるよう、CFTCへ申請したことへの対抗策と思われる。
現在、個人がCMEでのデリバティブを取引しようとすれば、ブローカーを経由して売買するしかありません。するとブローカーへの手数料や、証拠金への金利などの費用も発生することとなります。
もちろん、それを差っ引いても十分なベネフィットを提供してくれるブローカーもいるため、一概に今の制度が悪いわけでもありません。
ただブローカーも接続費用をCMEへ支払っているため、ある程度の規模の資金を(口座開設希望者に)要求することとなります。その額が、一般的な個人が考える預け入れ資金よりも大きかったりするため、小規模な資金を回そうとする個人はCMEにて取引するに至れないこともあったりします。
結果的に、板取引ではない2Wayプライシング(売値と買値が提示され、投資家はどちらかを取りに行くしかない)の相対業者を使うことになったりします。
仮にCMEがブローカーの認可を得て、個人が気軽に口座を開設できるようになれば、取引の環境は激変すると思います。何よりも、板取引ができるようになります。
板取引のメリットって何?という話ですが、一般的な2Wayプライシングではポジションを持つこと自体が不利なんですよね。
仮に以下のような板があったとします。

2Wayプライシングだと、こんな感じになります。
買い 2195.00
売り 2190.50
買値と売値の差が 4.50 あります。
売買単位が100だとすれば、売りでも買いでも、ポジションを持った瞬間に450ドルのマイナスを背負うことになります。反対売買で決済するときには、4.5ドル離れた値段を取りに行く必要があるからです。
ですが、板取引ができれば選択肢が増えます。単純に、自分が市場に対してオファーすることができるからです。
上の板なら、2195.00 に売りを並べ、誰かが取りに来てくれたとしましょう。そして2195.00 でポジションを建てた直後に2190.5に買いを並べ、運良くそちらも約定したとします。
そんなうまい話がいつもあるわけではありませんが、成功すればそれだけで 450ドル が転がり込むことになります。つまり自分が2Wayプライシングを提示する側に回れるということです。
※ものすごく単純化しています
ですから板取引を個人が経験すれば、今よりも2Wayプライシングの相対業者を使う人は、減ってくると思います。
だからかどうかは分かりませんが、これまで海外発のビットコイン取引所で板取引を提供してきたところは、ことごとく日本でのサービス提供を封じられてきました。
唯一の突破手段は、FTXのように金にものを言わせ、日本の取引所をライセンスごと買い取ってしまう方法だけ。そのFTXに刺激をされ、CMEが直接口座を受け付け始めるとなると、、、
いえ、最初は米国ですし、日本に来るのは相応の時間もかかるでしょう。それでもビットコイン取引所のFTXがCMEを突き動かし、中間業者の手数料や隠れたコストを消し去る可能性を見せてくれている。
これこそ時代の変わり目ですね。CMEには日本を変える黒船になってもらいたいものです。
ビットコインの内部ファンダメンタルズは好転
さてここ数日、ビットコインのハッシュレートがご機嫌すぎる上昇を続けています。

7日間の移動平均線で確認しても、過去最高のハッシュレートとなっています。値段は冴えないのにハッシュレートは絶好調。
どうにも解せませんね。せっかくですから、毎週見ているアセットマネジャーの実弾配置を確認してみましょう。

評価の分かれるところですが、今週は売り玉を300枚近く撤収しています。さすがに何度も19,000ドル下をアタックして抜ききれないとなると、一旦はビットコインより別の資産クラスを売ったほうがコスパが良いという判断でしょうか。
どちらにしても、この3週間ほどで「2万ドルを割ったら次は1万ドル」という下げ更新のセンチメントは少し後退したようにも見受けられます。
なお、意外と市場の先行きを正確に予測し続けているのが、マイクロ・ビットコインの先物です。
こちらのトレーダー比率は、4週連続でネットプラス(買い人数ー売り人数)。特に19,000を割り込むと買いが積まれています。楽観的に考えるのであれば、ビットコインの19,000下は打診買いが増え始めている・・・ということになりそうです。
米国の金融引締は本気モードに
さて米国の中央銀行。本格的な引き締めに動き始めています。

これまでなんとなく守ってきた6,000レベルを下抜け。本気で引き締めへと動いているようです。米ドル流動性の下落が始まったのは、FOMC2日目(9月21日)から。
背景には、6月FOMCで出した金利予測(ドットチャート)が低すぎて空振りに終わったことがあるのでしょう。9月のドットチャートは6月から金利1%アップと高めに振っています。
FEDの予測は外れると市場に足元を見られていることからも、ドットを自己実現させるために金融引き締めは必要、、、と言ったかは分かりませんが、米ドルの流動性指標は坂を転がるように下落を続けています。
今のビットコインは、米ドルの流動性下落に足元を削られるも、建玉とハッシュレートでは打診ロング。また大口アドレスを確認しても、19,000以下では買いに出動しています。
2万ドルを超えると金融引締で重たくなる。でも19,000を割り込めば、実弾の打診買いが下を支える。そんな板挟みにあっているのが今のビットコインかもしれません。
どちらかといえば、墜落している期待インフレ率の影響をモロかぶりするゴールドの方が、下げやすいという見方も出てきそうです。そろそろ、ビットコインにも本気を出してもらいたいものですね。
今週も引き続き、ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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