Vol.199 税金ではなく「巻き上げたお金」~ビットコインは歴史的な必然(2023年3月13日)
税金では無い・・・バイデン大統領が銀行救済策の発表で述べた言葉に「じゃあカネはどこから出てくるんだよ」と思った人もいるとかいないとか。その資金の出所も、元をたどれば「国民から巻き上げたお金」。ビットコインへの需要が高まるばかりの2023年を、少し歴史的な目で確認しておきましょう。
ビットコイン買い&日本の銀行株売り
さて軽く今の市場動向だけ振り返っておきましょう。下のチャートはFEDが銀行救済資金の提供を発表したときのビットコインの動きです。
事実上のQE再開であるプログラムを見た市場は、「無国籍通貨のビットコイン&ゴールド買い VS 日本の銀行株売り」で反応をしています。
それにしても興味深いのは、FED発表のジャスト5時間前にビットコインは上昇で反応をしている点でしょうか。
インサイダーなのか偶然か。そんなことを相場に聞くのも野暮な話。ビットコインが上がるのに文句を言う必要もないでしょう。
さて無国籍通貨のビットコインと対照的だったのは、日本の銀行株でしょうか。2023年3月13日月曜日の国内株価下落幅ランキング上位50銘柄うち18銘柄に銀行株(&かんぽ生命)がランクイン。
↑ 日本の銀行株は下落(株探データをお借りしました)
米国の銀行が救済されるなら日本の銀行株も上がりそうなものですが、市場はシビアですね。
個人的にずーっと気になっているのは、やはり農林中金です。同社公開の2022年4月~12月の3四半期決算では、純利益1,600億円に対して、債権を含めた有価証券の評価損が約2兆円(四捨五入)となっています。
https://www.nochubank.or.jp/ir/pdf/cap_results34_03_01.pdf
↑ 農林中金より
にちょうえん??
ところで企業会計基準では、満期まで保有する予定の債権は、額面金額で計上することになっています。
つまり金利上昇で債券価格がドン下げしていても、満期満額で計上してOKであり、そこに含み損は出てきません(満期まで持つんだから含み損もないでしょ?=おっしゃるとおり)。
満期保有債券の割合がどの程度かは分かりませんが、資金がショートすれば(今回のSVBと同じように)満期を待たず売却せざるを得なくなります。現実的には、評価損はさらに大きいと言えるのかもしれません。
もちろん、これは筆者の推測。ですが日本の銀行株が下落しているのを見ると、市場はたっぷりと外債を保有する日本の銀行株に、危険を感じているようにも感じられます。あくまで本日現在の話ですが。
事実上のQE再開
さて、ここからはFEDが発表した資金提供プログラムの内容を確認しておきましょう。以下が公表された内容です。
Bank Term Funding Program
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/files/monetary20230312a1.pdf
ハイライトした部分が個人的に「え?」となったポイントです。以下簡単にまとめてみます。
- 銀行保有資産うち、FEDの公開買付対象分を担保として差し入れできる
- 資産評価は「パー・バリュー」で評価される
- このプログラムは無料で参加できる
- 資金は為替安定資金から拠出される
- FRBには25Billionドル分の信用保護が提供される
「パー・バリュー」とは「額面価値」であり、銀行が保有している債券価格がドン下げしていても、下げる前の価格で担保価値が評価されるということ。
つまり債権の評価損で銀行のクビが回らなくなっていたとしても、その債権を担保として差し出せば、満額評価されて同額が銀行に貸し出されるということです。(貸出金利は現状で年利4.6%程度と推察されます)
そう、引出が殺到しても保有債券を損切りせずに済む!!
銀行の手元に現金が無くても、債権を預ければFEDがお金を満額で貸してくれる!!
貸し出しコストは0!!!借りて調達した現金を、さらに高金利で消費者に貸し出せば利ざや稼げる!!!
事実上のQE再開キタ!フリーマネー最高!!
いやぁ、あらためて何をやっても救われる銀行って、最高っすね。
さて今回の資金提供プログラム。バイデン大統領の言葉を借りれば「血税は使わない」とあります。
This is not funds from the taxpayer.
そうでしょうとも。ここで税金を投入したら、来年2024年の選挙結果は見えてますね。
ガソリン代で票を買おうにも、原油の戦略在庫(SPR)放出も限界。ここで下手な手は打てません。
でも無い袖は振れないっしょ?そこで出てきたのが Exchange Stabilization Fund為替安定資金です。定義はこちら↓
https://home.treasury.gov/policy-issues/international/exchange-stabilization-fund
これを見てギョッとしました。ついにビットコインの出番!その背景を少しだけ説明させてください。
税金じゃなく国民から巻き上げたお金
為替安定資金 ”Exchange Stabilization Fund” の法的根拠は、1934年の金準備法までさかのぼります。
金準備法?
当時の大統領であったルーズベルトは1933年、ゴールドの個人保有もしくは売買の禁止を法制化します。米国民であれば世界中のどこであっても対象です。
Gold Reserve Act
https://en.wikipedia.org/wiki/Gold_Reserve_Act
保有を禁じられた国民のゴールドは、 20.67ドルで国への売却を強要されます。そしてゴールド回収が完了した1934年、ルーズベルトは速攻でゴールドと米ドルとの交換レートを38ドルへと切り上げます。
ゴールドをドルという紙幣に替えさせられた人たちは、1年間で一気に45.6%も富を奪われた恰好になります。
※ このあたり「ビットコインスタンダード」で、すごーくよく分かります。オススメ!
さて、以下はFEDのサイトに書かれているESFの成り立ちです。
ルーズベルト政権と米国議会は、1934年にESFを創設。ゴールドの公定価格を上げたことで調達した20億ドルの資金が原資である。表向きは、外国通貨と金の売買によってドルの交換価値を安定させるために、議会がESFを設立したことになっている。(DEEPL翻訳を筆者が一部改訂)
https://www.clevelandfed.org/publications/economic-commentary/2008/ec-20080801-a-new-role-for-the-exchange-stabilization-fund
1933年にルーズベルトが国民から取り上げた富を”原資”に設立されたESF。
90年後の2023年(現在)、銀行の救済に使われる資金の出所はESF。
確かに税金じゃないかもしれません。でも、そのお金って国民から巻き上げたものでしょ?
いやぁ、書いていると体温が上がりますね。
国・権利・選挙・そのときの都合に影響を受けない無国籍通貨、ビットコインの必要性は上がる一方です。
BUY BITCOIN
足下のビットコイン
最後に足下のビットコインをざっと確認しておきましょう。3月12日にクリプト通信では、以下のコメントを配信しました。流用してみます。
”ビットコインの先物曲線は弱気を示唆(全般的に綺麗なコンタンゴ)。一方で手口を見れば、2万ドルからの新規ショートに底割れ回避で買い戻し。ロングの投げも無ければ、1.6万ドルを目指すという鼻息も感じられません。
なお21,000USDは新規ロングが流入した水準。20,000では現物の投げも発生しています。仮に週明けに「中国PBOCが資金注入継続」報道が出るなら(23年の報道は1月16日&2月16日&3月は?)、一気に23,000復活もあるでしょう。ですがデリバティブの売りは「カラ」。23,000は売り逃した参加者の現物売りが降ってくる水準。
現実的には、20Kから23Kの推移を見つつ、次の展開を考えるという参加者が増えてくるのでは無いでしょうか?”
いや米国が東京時間に合わせて、QEをぶっ込んでくるとは思いませんでした。インフレ対策どこいったん?
結局のところ、原稿を書いている時点で24,000ドルに到達。この状態で中国PBOCが資金注入の報道など入れてくると、さらに上値期待が積み上がることになります。
オプション市場のインプライド・ボラティリティから単純計算した値幅は、こんな感じ。
もう一週間分、使い切ってますね。あとはお好きに上がっていってください。
焦らずじっくり楽しんでいきましょう。
ハッピー・ビットコイン!!
ココスタ
佐々木徹
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