Vol.221 ドーパ民とビットコイン(2023年8月14日)
私たちが生存するために必要な食欲や性欲などを引き出すドーパミンは、幸せホルモンとも呼ばれる一方で、時として依存症(ギャンブル・アルコールなど)を引き起こすことでも知られています。
このドーパミンは、いわゆる脳内麻薬であり、だからこそパチンコに行きたくて仕方なくなってしまうのですね。はい、筆者も大学生のころに近くのホールでよく打っていました。
いわゆる平台と呼ばれる釘で玉の出方が決まる類いのもので、よく出る台は「打ち止め」といって報酬の上限玉数が決まっていたりします。その台は”出る”ことが確定をしているので、時間が来て開放されたところを打つというセコいことをしていたんですね。でもトータルだと負けてますね。なぜかというと、待ちきれずに普通の台を打つからです。時間しか資産のない学生なのに、時間をケチって負けるという思い返しても滑稽な時代でした。
さて、このドーパミンを記事に書こうとググり始めたところ、本日のトレンド最上位は「山田養蜂場」。何かと思えば、専務さんが盗撮で逮捕されたとか。
ただ、これもドーパミンによるところなのでしょう。なぜなら、”そういう”行為こそ脳内麻薬を最大限に発生させてしまうからです。
脳内麻薬が大量生産される条件
「ドーパミン中毒」by アンナ・レンブケ の書籍によると、ドーパミンが多量に放出されるのは、成功と失敗が50:50のとき、予測不能な不確実性が最大のときだそうです。
ギャンブルの依存症になると、心のどこかに「負けたい」という気持ちが出てくるとも指摘されています。負ければ負けるほど、勝つことへの不確実性が大きくなり、だからこそ勝ったときの快感(ドーパミン放出量)が最大になるからだとか。
山田養蜂場の専務さんは創業者の次男ですよね。おそらく恵まれた環境で育ってきてチャレンジする目標がなくなり、だからこそ「見つかったら会社ダメになるリスク」を自分で作り出して切り抜け、脳内ドーパミンを大量に放出したかったのではないでしょうか?
もちろん単なる憶測でしかないですが、知らず知らずのうちに脳内ドーパミンを希求するようになり、それに最適化された行動、つまり自ら50:50のリスクを作り出して身を投じてしまうという選択を無意識に行ったように見えました。
暗号通貨の不確実性がドーパ民を引き寄せる
さて我らがビットコイン。今でこそ地蔵のように「いつ見ても30,000ドル真下」ですが、動いていた時期は日に4割とか意味不明な激しさを誇っていました。
上がる・下がるに関して言えば、それこそ50:50です。日に4割のボラティリティがどっちに吹っ飛ぶか分からない不確実性に数十倍のレバレッジを賭けてポジションを持ったりするのです。そりゃドーパミンも大量に出るってものでしょう。
今は脳内麻薬というより睡眠音楽を流しているビットコインですが、こういう状況になるとドーパミンが切れるからか、右や左で○○トークンの話題が出るようになります。本日はShibaでしたっけ?これもドーパミンを引き出す仕掛けが満載です。
まず上がるか下がるか分からない不確実性。次に仕込んだプレイヤーにとっては、それをツイートしてバズらせることができるか否かの不確実性。さらに実弾を入れてくれる買い手がつくか否かの不確実性。買い手にとっては、全部が不確実。
参加者全員、売り手も買い手もドーパミンが出まくりです。株式と違って土日も値は動きますから、不確実性が24時間365日すぐそこにあります。さらにSNSを見れば、大量の札束で稼ぎをアピールする人もいたりして、すると「いますぐ稼がなきゃ」という目標までの時間縮小が起きてしまい、さらに”伸るか反るか”に飛び込みたくなってしまいます。
まさに「ドーパ民」ですね。
ドーパ民にならないために OR 足抜けするために
では、暗号通貨でドーパ民にならないためには、どうすれば良いのでしょう?もしくは片足を突っ込んでしまったときに、どうすれば元に戻れるのでしょうか?
先述の書籍によれば、薬物中毒などでも、原因との接触を4週間にわたり遮断することができれば、脳機能が回復して正常な判断ができるようになるそうです。
YouTubeでトレードを生配信しては負けている有名な方もいらっしゃいますが、背景にドーパミンがあるとすれば、ナルホド納得ですね。
あとは、脳の基本的な反射を知っておくこともアリでしょう。
○ 不確実性が最大の時にドーパミンは大量放出される
○ 日常から不確実性が消えると、自ら不確実性を作りに行きたくなる
○ 勝ち時のドーパミンを最大にするために負けを経験したくなる性質がある
○ ドーパミン依存の解決は原因を4週間絶ちすることがスタート
まとめ
今回の記事では、ギャンブルや暗号通貨がどのように脳内ドーパミンの放出を促すかの背景を説明してみました。ドーパミンは、成功と失敗が半々の状況や、予測が困難な時に大量に放出されること。そして暗号通貨の価格変動は、それらを内包したものであり、人間の脳内ドーパミンが引き起こす性質を知っておくことの重要性にも触れてみました。
以上、参考になりましたら幸いです。ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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