Vol.229 アーサーヘイズ流・資産バランスの設計方法(2023年10月10日)
週末のハマス・イスラエル事変は、流れてくる報道や動画を見るたびに、心が痛むばかりです。ビットコインなどの相場も、平和の前提がないと存在できません。暴力でひっくり返せる世界なら、約定した値段にはなんの意味もなくなってしまいます。
軽々しく言えることではないですが、中東に少しでも和平が訪れることを願うばかりです。
さて、BitMex創業者のアーサー・ヘイズ氏は先日「ビットコイン2026年には$1 millionいくんじゃない?」と提言していました。ちょっと嬉しくなったので、リツイートしてしまいました。
https://twitter.com/CocostaToru/status/1709947189664055525
そんなアーサーヘイズ氏の最新記事「Double Happiness」は、いつもながら学びのある内容でした。印象に残ったポイントをいくつか紹介してみます。
「GDP成長率=人口増加+生産性上昇+借金の増加」である
なるほど国はGDPの成長率を上げたいわけですが、日本のように人口が減少し、生産性は実質横ばいとなると、頼る先は借金の増加しかないわけですね。
この式を日本の状況に適用してみると、次のようになります。
借入金の増加=GDP成長率(↑)-人口増加(↓↓)- 生産性上昇(→)
人口増加率がマイナスなので、引き算するとプラスに転じます。つまり、日本の場合、「GDP成長率(↑)-人口増加(↓↓)=借金増加(↑↑↑)」となるということです。
つまりGDPが成長しない方が借入金は増えずに済むということ?まぁ、GDPは戦争して武器の消費が増えれば上がってしまうような指標ですから、そろそろ新しい計測方法を考えないとですね。
ただし政治家が票を集めるためには、GDPの成長率をマイナスにしましょうとは言えないですし、能率の上がらない人を解雇しましょうとも言えません。結局、借入金を増やすしか手段がないのですね。
米国債の借金の担い手がいない
コロナ下での量的緩和政策(QE)により、米国は大量の短期債を発行してドルを市場に供給してきました。これらの債券は期限が切れると償還するか、ロールオーバーする必要があります。
2026年までにこれらの債券は7.75兆ドルに達するという見積もりがあり、市場にはそれを買い取る能力があるのか疑問視されています。
https://www.youtube.com/watch?v=mdpN8iL4L8Q
2023年1月時点での米国債の海外保有残高は7.4兆ドルです。ここで最大の懸念材料は中国です。
中国は米国債の保有残高を減らし続けており、2022年1月からの1年間で月平均145億ドルの減少がありました。

2026年までの36ヶ月で計算すると、36ヶ月×145億ドル=5220億ドルの減少が予測されます。他の国が保有残高を増やさない限り、米国債の海外保有残高は2026年までに6.9兆ドルに減少すると予想されます。
では、ロールオーバーできない残りの部分にはどのように対処するのでしょうか?アーサーの考えでは、新たなマネーの印刷が行われるということでした。
アーサーヘイズ流・資産バランスの設計方法
現在、米ドルなどの主要通貨の増刷が懸念されつつも、資金が暗号通貨に流入するかどうか不透明な時代が続いています。このような経済の不確実性の中で、どのような資産バランスを構築すべきでしょうか?
アーサーが質問されたインタビューで、自身の資産バランスについて語っています。このインタビューは、以下のリンクで視聴できます。
A Great Depression Worse Than 2008 - Survive & Thrive During The New Economic Reset | Arthur Hayes
https://www.youtube.com/watch?v=-de-ZIA5ouo
この動画は受講生の方が教えてくれました。いつもありがとうございます。さてヘイズ氏の資産バランス、なるほど理にかなっています。
まず、日常生活に必要な食費や生活費などの支出は、現金預金からの金利収入で賄うとのことです。法定通貨が大量に印刷される可能性はあるものの、その「いつ」が来るかは予測できません。
したがって、通貨の大量印刷やハイパーインフレが訪れるまでの期間を、金利収入で日常の生活コストをカバーする戦略としています。
次に、余剰資金は暗号通貨や株式などに分散投資していると述べています。
A) 日常生活の費用は現金の金利収入でまかなう
B) 余剰資金は暗号通貨や株式などに分散投資する
ケース①:ハイパーインフレが訪れる場合
A)の現金預金は価値を失うが、一方で…
B)の資産は高騰する
ケース②:ハイパーインフレが訪れない場合
A)の現金預金からの金利で生活できる。そして…
B)の資産価値は上昇しなくても問題はない
現実的にはケース①と②の間の”どこか”ということになるでしょう。どちらでも対処できる資産バランスの組み方は、さすがだなと感じました。
もちろん現金の金利で生活コストをまかなうとしたら、そこそこの原資が必要ですね。0金利の日本だと、ちょっとクリエイティブな考え方も必要になりそうです。
そのまま取り入れるのは無理としても、「どっちに転んでも良いように組む」という考え方は、ナルホドと思った次第です。
以上、何かの参考になりましたら幸いです。引き続き、ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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