ビットコイン、ついに3万ドルの大台に戻りましたね。先週の記事で「ビットコイン予報は↗↑↑」などと書いてしまった筆者は、緊張のあまり夜しか寝られませんでした😅。

さて今後、メディアなどで「ビットコインの時価総額は・・・」などの報道が連日出てくるものと思われます。ですが、多くの人にとっては、金額の実感が湧きにくいことでしょう。

そこで、ビットコインよりもさらに巨額で実感すら湧かない米国の債務残高(借金)と比較しつつ、金額のイメージがつかみにくくても、今のビットコイン価格水準がバブルでも何でもないことを述べてみたいと思います。

最後には、まったく関係のない話題ですが、イーサリアムの内部動向に現れた変調の兆しにも触れています。それでは行ってみましょう。

ハードマネーに群がる資金

2023年10月23日現在、ビットコインやゴールドなどのハードマネーは上昇基調にあります。一方、ドルをはじめとする国家通貨は失速気味であり、日本を含む各国の財政は悪化の一途をたどっています。

ハードマネーとは、証券のように価値を外部に依存しない内在的価値を持ち、政府の管理下にない分散型の通貨を指します。代表的なのがビットコインやゴールドです。近年、法定通貨の乱発と際限の無い金融緩和により、各国通貨の信認は失墜し、インフレも進行しています。こうしたなか、限りある供給量を誇るハードマネーへの関心が高まっていることも、いまのビットコインの強さを支えているとも言えるでしょう。

米国の利払い費用とビットコインの時価総額

さて、そのビットコイン時価総額は2023年9月末時点で約5,000億ドルです。一方、バイデン政権のもとで過去最高を更新し続ける国家債務は、年間の利払い費だけで9,090億ドルに達しています。

つまり、米国は、利払い費用だけでビットコインの時価総額の約2倍の金額を支払っているのです。以下、グラフにメモを加えてみました。

https://fred.stlouisfed.org

なお、CBO(議会予算事務局)の推計によれば、米国の一般市場における債務残高は、2050年にGDP比で195%にまで到達します。

The Budget and Economic Outlook: 2023 to 2033

まったく際限がないですね。

債務残高の前ではビットコイン時価総額なんてアリンコ

現状の米国が抱える債務残高は、先日めでたくも30兆ドルを超え、さらに上昇を続けています。

ビットコインと比較をしてみました。

https://fred.stlouisfed.org

ビットコインなんて、米国の債務残高の前では「アリンコ🐜」ですね。

参考までに、2023年の米国は1月から3月末までの3か月で債務残高を8740億ドルも積み上げています。ビットコインの時価総額が約5000億ドル少々ですから、約1.6倍。年換算すると6.4倍ですね。

以下、まとめてみます。

米国の債務残高/利払い費とビットコインを比較

◯ 債務残高:ビットコインの時価総額の65倍

◯ 増加速度:1年間でビットコインの時価総額の6.4倍分が積み上がる

◯ 利払い費用:1年間でビットコインの時価総額の1.8倍分が支払われる

激しいですね。

ルーズベルト大統領の構想に回帰する現職大統領

さてバイデン政権は20日、武器生産拡大に向けて500億ドル(7.5兆円)の予算を議会に要請しています。第2次大戦でルーズベルト大統領が掲げた民主主義国を支える「兵器庫」構想に回帰し、イスラエルやウクライナ支援を進めるのだとか。

米、武器生産に7.5兆円

おわかりですね。この予算だけで、ビットコインの時価総額と同じなのです。

それにしてもルーズベルト大統領(以下FDR:Franklin D. Roosevelt)が掲げた構想を出してきましたか。

FDRは就任直後、ドルとゴールドとの交換保証を停止しています。家計が保有していたゴールドの現物を強制的に国民から低価で買い戻し、その後に法律を改定してドルの価値を切り下げているのです。

有り体に言えば、国民から富を巻き上げた大統領ですね。

https://youtu.be/kTe4paRPEM4?t=167

参考:Vol.199 税金ではなく「巻き上げたお金」~ビットコインは歴史的な必然

この話を聞いたとき、なにか米国が一線を越えなければよいけどな、と余計な心配をしてしまいました。

参考までに人工知能に民主主義の盛衰サイクルを聞いてみたところ、以下の回答を得ました。

  • 民主主義の確立期における活気と理想主義の活発化
  • 権力の乱用、腐敗の蔓延
  • 民衆の政治への関心低下、投票率の低迷
  • ポピュリズム政党の台頭、過激な対立の激化
  • 経済的不満の高まり、格差の拡大 ← 今の日本?
  • 外部からの脅威の台頭 ← 今の日本・米国?
  • 民主主義の制度疲労、非民主的指導者の台頭 ← 今の米国?
  • 自由への渇望から民主化運動の再興
  • 民主化後の混乱期、制度の立て直し

仮に歴史が繰り返すなら、今から来るのは「自由への渇望から民主化運動~混乱・制度の立て直し」です。

そして混乱期には、新政府の財政が行き詰まり、通貨発行を通じて財源調達が行われ、ハイパーインフレーションや偽札横行・デノミが起きる決まり(?)になっています。

混乱期に人々(私も含めて)は、間違いなく「どの通貨が本物か/デノミされないか/ハイパーインフレで価値が死なないか」を探し求めることになります。

そこで信じられる通貨は、米ドルなのか円なのか、それともビットコインやゴールドなのか。まあ、ドルや円は混乱の最中ですから、やはりハードマネー組になるでしょうね。

ただ、ゴールドは現実の少額取引で使えません。結局、誰かが預かって証券を発行し、それを分割し少額決済することに逆戻りですから、今の部分銀行制度の焼き直しになります。

そうすると、やはり最後に残るのはビットコインなのでしょうか?

理想を言えば、ベストな解は人類が冷静にお互いの持ち分を少しずつ分け合って、譲り合いながら生きることですね。

ですがそうならない場合は、やっぱりビットコインしか残らないのかな。ルーズベルト回帰の大統領演説を読みながら、そんなことを考えさせられた週末でした。

追伸:イーサは底入れですか?

売り込まれているイーサリアムですが、CMEの建玉明細には少し変化の兆しが現れています。

レバレッジファンドは直近の建玉で、わずかながらも「買い」にシフトしています。

また市場参加者の数と建玉を比べてみると、今は大口主導へと切り替わっています。こういうときは、新しい動きが長く続いたりすることもあります。

ものすごく単純な計算ですが、その大口は2,500ドルあたりを織り込んでいる気配はあります。ビットコインは31,000ドルあたりで売りヘッジが入りやすいので、そのあたりから買いの対象をイーサへと乗り換える意図でしょうか?

価格の予測だけはわかりませんが、市場参加者の目線が変化していることだけは留意しておきたいですね。

今週も、ハッピー・ビットコイン!

ココスタ

佐々木徹