(Vol.240|2023年12月25日)

  • メタバースに人類は移動する
  • EUはガス不足で停電におちいる
  • 逆イールドから不景気に突入する
  • 気候変動で気温が過去最大に上がる
  • 太陽嵐で地球のネットが機能停止する

どこかで見た気がします?上記は2022年末に出ていた2023年の代表的な予想です。

結果として、メタバースよりも人はオフラインで観光に出まくり、逆イールドでも米株は最高値を突破し、太陽嵐は来ず、EUは記録的な暖冬でガス不足にも陥いりませんでした。

ただ気候変動に関しては、クリーンヒットだったようです。WHOは23年の世界の平均気温は記録のある1850年以降で最も高くなることが確実になったと発表しました。

筆者はさいたま市在住ですが、確かに今年の夏は(も)ヤバかったです。犬を散歩に連れていくにも、夜の11時ころまで待って地面が冷えてからでないと無理でした。

さて2023年もまもなく終了となります。当記事では、簡単に年初に書いていた自分の予測がどの程度外れていたかをあげつらいつつ、少しだけ2024年の予測も書いてみたいと思います。

答え合わせ:2023年の主な予測

① ビットコイン価格:

  • 2023年3月まで:    FTX後遺症で下落継続 11,000ドルへ
  • 2023年4月から2024年4月:  半減期期待で上昇し33,000ドル到達
  • 2024年4月半減期:    横ばいで推移
  • 2024年4月から2025年3月:  シンプルに上昇し8万ドルを突破

--— 予想終わり

いやぁ、予想はするもんじゃないですね。見事にハズしています。

2023年のビットコインは、年初の16,500ドルを底値に上昇を続け、本日2023年12月25日現在で43,000ドル+に到達しています。予想の33,000ドルは、10月後半に突破されることとなりました。

何なら、「2024年4月以降で8万ドル突破」の予想もサクサク到達して、さらにハズレを量産してもらいたいところです。

② 地政学:

もしロシアが米国の制裁を回避しつつ原油を売るのであれば、やはり行き着く先はビットコインしかないでしょう。

----- 予想終わり

2023年にロシアの原油を最も購入したのはインド、そして決済に使われた通貨は UAEのディルハムでした。ビットコインには残念ながら流れてこず。これもハズレですね。

当時、評判となっていたクレディ・スイスのゾルタン氏は、「ロシアが原油の販売と引き換えにゴールドを受け付けるようになれば、ゴールド価格は2倍の3,600ドルに到達する」とのコメントを残していました。

振り返ってみれば、何か世の中の空気感で書いてしまったような気がします。反省!

2024年最大のリスクは票買いによる食料インフレ

来年のリスクがあるとすれば、世界中で繰り広げられる選挙と、それに伴う食料インフレの勃発かもしれません。

どういうことでしょうか?以下は2024年に主要な選挙を迎える国です。

  • 米国
  • インド
  • メキシコ
  • EU議会
  • 南アフリカ
  • 台湾
  • インドネシア
  • ロシア
  • イラン
  • パキスタン

2024 is a record year for elections. Here’s what you need to know

https://www.weforum.org/agenda/2023/12/2024-elections-around-world/

ここで問題になるのは、政治家が票を買うために実行する政策です。

いま、皆さんもご存じの通り、貧富の格差は拡大する一方です。クレディスイスのグローバル・ウェルスレポートによれば、世界でトップ1%の金持ちが保有する資産は、2000年の32%から2019年に43%まで増加をしています。

貧富の差が大きくなれば、貧しい側の人たちは目前の生存を優先する思考へと移りがちです。つまり物事を判断する時間軸が極端に短くなります。

結果的に、集票へ直結する政策は補助金やバラマキに偏り、それがますます国の財政を悪化させるループへと陥ってしまいます。

まさに目の前でそれを見せてくれたのがアルゼンチンです。

2003年から12年間も続いた高額な農作物への輸出関税は、輸出を減らすことで国内食料の価格を下げようと画策されたものでした。ですが生産者の農家は、カネになる輸出を禁じられれば生産を抑制します。

結局、供給は絞られ、国内の食糧費も下がらず、世界的には小麦の巨大な生産地からの輸出量が絞られるだけということになりました。

さて、2024年に最大のリスクとなる国は、やはり世界最大の人口を抱えるインドでしょう。2024年の選挙に向け、現政権は票買いに余念がありません。

2022年から禁止していた小麦の輸出(世界2位の生産!)は再開せず、本年7月にはコメの輸出(世界最大!)を部分的に禁止しています。さすがに世界最大の生産国が蛇口を締めると、それなりの影響も出てくるでしょう。

気候変動がボラティリティを拡大させる

さてインドが食糧輸出の蛇口を締めたとしても、逆に生産・輸出を増やす国もあります。

「中央銀行をぶっつぶせ」で当選したアルゼンチンのミレイ大統領は、農作物へかけられていた輸出税を撤廃すると宣言しています。これで同国の小麦生産量は6割ほどジャンプアップして25 million トン(インドの1/4くらい)まで伸びるとか。

輸出を減らすところもあれば増やすところもあり、結局は「どうにか」なってしまうのかもしれません。

ですが、ここで読めない不確定要素が気候変動です。こればかりは本当に分かりません。

仮にエルニーニョ再来・サバクトビバッタ再来・謎のウイルスで食料生産激減・さいたま市は45度(やめて!)とか重なれば、さらに食料の輸出は削られてしまいます。

日本の小麦などは米国やカナダからの輸入がほとんどですが、気候変動で米国内の食糧費が高騰するなら(IFの話です)、選挙の票買いで食料輸出は抑制されることになるでしょう。

だって原油の戦略在庫でさえ票買いで市中に売却している国ですからね。

こうなれば(繰り返しになりますがIFの話です)、さすがに食料をもとめて世界での買い上げ合戦となります。なんだか一時期の半導体みたいですね。

ビットコインを無制限上昇させる気候変動

では、仮に先に述べたような食料インフレが世界を襲うことになったら、ビットコインはどうなるのでしょうか?

もう今までも何度も見てきたパターンですね。

私の自宅にも、過去には「インフレ対策クーポン」と銘打った、地元で買い物に使える無料の金券が配られたことがあります。

選挙の年に集票力を確保しつつ、有権者のインフレによる痛みを緩和するには、法定通貨の増刷以外にあり得ません。それが未来のインフレを加速させようと関係ありません。

政治家は、目の前の選挙に勝たなければ、何も残りません。5年後のインフレより、5週間後の選挙なのです。

困ったら刷る、以上!

ビットコインの値段を予測する必要もないでしょう。

法定通貨が無制限に刷られるのなら、その法定通貨建てで記述されるビットコイン価格も無制限に上がります。

つまり、2024年ビットコインの価格に最も影響を与えるのは、気候変動ということになるのかもしれません。

すごく稚拙で、また全外ししそうな予測ですが、なにか考え方の踏み台にでもしていただければ幸いです。

2024年も引き続き、ハッピー・ビットコイン!

ココスタ

佐々木徹