受講生の皆様、こんにちは

なんとビットコイン研究所さんへの寄稿記事も、ついに300回目を迎えることとなりました。

これも今まで支えてくれた読者の皆様と、ビットコイン研究所スタッフの皆様のおかげと感謝するばかりです。本当にありがとうございます!

さて日本ではひな祭りの3月3日、米国ではトランプ大統領が暗号通貨の国家戦略備蓄を確立するとの意向を発表し、主要な暗号通貨が沸騰しています。以下は記事の要約です。

”ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)の国家戦略備蓄を確立する意向を示したことで、これらの暗号資産(仮想通貨)は3月2日に60%も急騰した”

これまでも、国の金融政策がジワジワと暗号通貨の市境に影響与える事はありました。

ですが今回の場合は国の政策が暗号通貨の上下に直結しています。

しかし、この関係性はより深い選挙の構造変化からきているのかもしれません。

本記事では、暗号通貨業界が政治献金において驚異的な成長率(308%増)を記録し、すでに防衛産業を上回る政治的影響力を持つに至ったこと。

また政治と暗号通貨の関係は、市場参加者も政治家も、誰もこの新たな力学を無視できない状況に突入していることを書いてみたいと思います。

もはや米国の選挙戦を握る暗号通貨業界

2024年の米国大統領選で、イーロンマスクが巨額の政治献金を行い、これが直接間接的にトランプ大統領の当選に貢献した事は、もはや記憶に新しいのではないでしょうか。

まず全体像を確認してみましょう。

2024年の選挙サイクルでは、政治献金額は業界別にどのような構成となったのでしょうか。

以下は米国連邦選挙委員会(FEC)およびOpenSecrets.orgのデータに基づく推定値をまとめたグラフです。

↑ 2024年選挙サイクルにおける主要業界別の政治献金額(作図担当Claude.ai)

棒グラフ、右側から3番目に暗号通貨業界、2.45億ドルの寄付となっていることがわかります。

もはや暗号通貨の業界は防衛業界を抜き去り、テック業界と並んでいますね。

規模としても大きいことは明らかなのですが、政治家にとってどうしても無視できないことがあります。

それは献金金額の伸び率です。試しに、2020年と2024年の政治献金額を業界的に比較してみました。

↑2020年と2024年の政治献金額を業界的に比較(ココスタ調べ&作図担当Claude.ai)

暗号通貨業界の増減率が300%と他を圧倒していることがわかります。グラフにしてみると、暗号通貨協会のインパクトがどれだけ大きいのか感じることができます。

業界別献金額増加率 ・2020→2024(ココスタ調べ&作図担当Claude.ai)

無視できないどころか、「暗号通貨市場を取り込んだものが次の選挙を取る」ことが明らかです。

例えば新聞やメディアで見ている私たちにとっては、米国の大統領選はトランプ大統領の圧勝で終わったなぁ・・・という印象が多いかもしれません。

ですがトランプ大統領にしてみれば、すでに頭の中は2026年11月3日(火曜日)に実施される予定の中間選挙に向けて戦闘スイッチが入っているはずです。

それもそのはず、トランプ大統領は1期目の中間選挙(2018年)で、「共和党は上院で勝利したものの、下院では民主党に敗北」という結果でした。

結局、この「ねじれ議会」がトランプ政権後半期における政策推進力を弱める要因となり、2020年の選挙で民主党に敗北した要因となりました。

だからこそ、2026年の中間選挙は何が何でも圧倒的な強さを見せる必要があるのです。そして、そのために必要なのは実弾・・・つまり選挙資金です。

この資金調達を2025年の初頭から進めることは、他候補より早く資金調達を開始することで、競争力をアピールできる点でも有利に働きます。

2025年3月7日にホワイトハウスで開催される「暗号資産サミット」も、この資金調達を加速させるための活動であることに、疑いの余地はありません。

補足:2025年3月7日にホワイトハウスで開催予定の「暗号資産サミット」は、トランプ政権初の仮想通貨関連公式イベントです。主な議題は①規制枠組みの整備(特にステーブルコインと米国金融システムにおける暗号資産の位置づけ)、②ビットコインやイーサリアムを中心とした国家戦略的備蓄計画、③米国内でのブロックチェーン技術育成とイノベーション促進です。業界リーダーが参加し、トランプ大統領が米国を暗号資産技術の中心地にする構想を発表する見通しです。

中間選挙までにトランプ大統領はビットコイン保有を明言する!

ここまでで、暗号通貨の支持者が2026年の中間選挙に向けて、重大な鍵を握るプレイヤーであることが明らかになりました。

だとすれば今後、どのような政治的なアクションが暗号通貨に対して起きてくるのかを考えてみても良いかも知れません。

なぜなら事前にシミュレーションしておけば、何か新しい暗号通貨関連の出来事が起きた時にも、あせらず対処することができるからです。

そして、以下は最もコストがかからず、政治資金調達に直結し、得票にもつながるアクションだと筆者が考える施策です。

それは、、、

トランプ大統領によるビットコイン保有の公表

です。

「私は、先日の下落時に10BTCを買った。初めてだ。そして興奮している。ビットコイン保有者の皆さん、今日は新しい時代の幕開けの日だ。MAGA!」

このような発表が出れば、即日支持率の上昇につながります。またビットコインへのエクスポージャーを求める投資家が増えることで、暗号通貨への接点を提供する取引所・カストディ、ETF提供会社へも、利益が届くことになります。

なお、ビットコインの値上がりで喜ぶのは現物を保有している人たちだけではありません。ビットコインETFを保有している人、加入している年金基金のポートフォリオにビットコインが含まれている人なども、全て喜びます。

以下のグラフは米国有権者のビットコインエクスポージャーを推計したものです。(Deep Researchによる推計です)

↑ 米国有権者のビットコインエクスポージャー割合の推計

↑ 米国有権者うち、最大で3人に1人がビットコインへのエクスポージャーを持っている(Deep Research調べ、Claude作図)

トランプ大統領がビットコイン保有を発表するだけで、値上がり益を享受する人が有権者の最大で3分の1いることになります。

またビットコインへのアクセスを提供するすべての関係者にも利益が届くこととなり、支持率の上昇に加え、選挙資金の獲得と言う一挙両得ができる戦略となります。

やらない理由を探す方が、難しいかもしれないですね。

まとめ:

当記事では、米国政治と暗号通貨市場の新たな関係性が形成されつつあることをまとめました。

  1. 1暗号通貨業界は2020年から2024年の間に政治献金額が308%増加し、主要産業の中でダントツの成長率を示しています。
  2. 2暗号通貨関連企業・団体からの政治献金は、2024年選挙サイクルで2.45億ドルに達し、すでに防衛産業を上回る規模となっています。
  3. トランプ大統領の再選と、2026年の中間選挙を見据えた戦略として、暗号通貨市場へのアプローチは不可欠です。
  4. 米国有権者の約26%~34%(最大で3人に1人)がビットコインに何らかの形でエクスポージャーを持っており、これは潜在的な支持基盤となります。
  5. トランプ大統領自身がビットコイン保有を公表することは、支持率向上と選挙資金調達の両面で効果的な戦略となり得ます。

もはや2025年は、暗号通貨市場が政治的影響力を持つ重要な位置づけへと進化してしまった感があります。

投資家としては、政治動向が市場に与える影響をこれまで以上に注視していく必要があるかもしれないですね。

引き続き、ハッピー・ビットコイン!