こちらの記事は、下記の動画を元に書き起こし・一部校正した内容になっています。

サイドチェーンとは? Liquidの特徴を徹底解説

東: 最後のトピックはLiquid(リキッド)について、話していこうと思います。Liquidはブロックストリームが開発を主導して、多くの取引所が共同運営しているビットコインのサイドチェーンです。

加藤: サイドチェーンって何かっていうと、ビットコイン上のマルチシグアドレスに入金すると、サイドチェーン上で同じ数のL-BTCが自分のウォレットに入金されます。

Liquidからの出金は、フェデレーションのパーミッションが必要なので、特定の会社を通してしか出金できません。 Liquid自体は、ビットコインベースで、ブロックの間隔が1分間だったり、トランザクションのプライバシーが強化されており、送ったものの金額が見えなくなっています。

また、スマートコントラクトプラットフォームでもあるので、様々な機能を使ったスマートコントラクトが可能で、トークン発行も行えます。これがLiquidと呼ばれるサイドチェーンの特徴です。

東: サイドチェーンって何かみたいな話で、ビットコインのメインチェーンがあって、そこと関連している子チェーン、または関連チェーンみたいなイメージだといいのかなと思っています。

その関連チェーンの台帳に、例えば1 BTC持ってますっていう風に記述されて、よりスピードが早いとか、コストが安いとか、スマートコントラクトが使えるとか、いろんなことをやって、それが終わったら、メインチェーンの方に自分のビットコインを戻すこともできます。

サイドチェーンをレイヤー2と呼ぶか呼ばないかみたいな、定義の問題の話もあるんですけど、Liquidの場合は、別の台帳と、それを承認するバリデータ群がいるってことです。

新しく入ってきた人とかだと、サイドチェーンってそもそも何?っていうような人もいると思うんで、より噛み砕いて説明してみました。

レイヤー2の定義: ライトニングとLiquidの違いを解説

加藤: 一般的にはレイヤー2って、単独で元のチェーン上に資産を戻せるか判断してるところが多いんです。だから、ライトニングだと協力無しでオンチェーンに戻せるんですけど、Liquidだと、フェデレーションの許可がないとマルチシグから出てこないから、1人では戻すことができないっていう感じの整理になると思います。

東: でも、最近Liquidも、レイヤー2って言ってるんですよね。バズワード取ろうとしてるのもあると思うけど、これは定義の問題で、何をもってレイヤー1とかレイヤー3とかするって、結構バラバラですよね。

加藤: ポジトークの世界でもあるんで。

東: あります。Liquid以外にも、似たような構造のサイドチェーン的なもの、ロールアップも、ある種似てる部分があると思うんですけど...。

単独で、他の人の許可を得ずに、メインチェーンに戻すことができるかっていうところが、1つの違いになっていて、Liquidだと、そこが、Liquidフェデレーションっていう50社とかのマルチシグの3分の2の承認がないとメインチェーンに戻せません。

で、 果たしてロールアップも中央の管理者なしでメインチェーンに戻せんの?みたいに思ったりするとこあるんですけど、そこらへんは自分もあまり詳しくはないです。

加藤: どうなんですね。現状。理想と現実がまだ解離してるやつがほとんどなんで。

Liquidとビットコインとの違いは?

東: Liquidはビットコインをベースに動いてるという認識なんですけど、ビットコインとの違いを教えてほしいです。特にスマートコントラクトのところはコベナンツっていうものが入っていると思うんですが、どういうものでしょう?

加藤: コベナンツはこのアドレスからどのような送金ができるか、どのような条件でどのような数量とかあて先の送金ができるか、というのをあらかじめ指定するコントラクトが書けます。また、トークンを発行する機能もあります。トークンという概念自体がビットコインにはないけど、Liquidにはあるという違いがあります。

加藤: Liquidでやってるコベナンツは、今ビットコインで議論されてるコベナンツとはちょっと違うんですね。例えば、トークンにも対応していたり、レンディングのプロトコルだとか、オプション取引のプロトコルだとか、もう少しビットコインより発展したDEXが実現できるってのが1つの強みというか、特徴ですね。

東: ただ、コベナンツっていうのは、例えばEthereumとかでいうSolidityとは全然構造も違うので、似たようなことはできるけど、同じものではないってことですよね。

加藤: そうですね。Ethereum上のコントラクトはEVMっていうもので動くコードで、一般的にSolidityで書くんですけど、Liquid上はEVMではないので、全く違う書き方をしなくちゃいけない違う癖があります。

Liquid上で開発されているプロジェクトには何があるのか?

東: すでにCovenantsを利用して、Liquid上でスマートコントラクトやDappsを開発しているプロジェクトも存在しています。

加藤: 最も面白いと思うのはオプション取引です。オプションは、さまざまなパラメーターが存在し、流動性が分散しやすいんですよね。

この問題はまだ解決されていませんが、例えば、コールオプションやプットオプションを生成し、それをオンチェーンで指定価格で売るという形のオーダーブックが可能になります。これは分散度の高いDEXとなり、非常に面白いと思ってます。

ただし、欠点としては、Liquidを利用する人がまだ少なく、流動性がほとんどないという状況があります。

東: 既にそのようなプロジェクトが出ているんですね。

最近注目されている他のLiquid上のプロジェクトとしては、フジマネーがあります。個人的には、フジマネーがとても気に入っています。

実際にLiquid上でコベナンツを利用し、例えばMakerDAOのようなものを作っています。具体的には、L-BTCをコントラクトに入れると、その入れた金額に応じてFUSDが発行されます。ただし、これは全額ではなく、入れた金額の150%分を基準にしています。つまり、1.5ドル分のL-BTCを入れると1FUSDが発行されるという仕組みです。

東: ただ、現在はまだテスト中で、正式なローンチには時間がかかると思われます。テストネットでは問題なく動作していますが、このような新しいコントラクト形式のものなので、資金が取り出せなくなる可能性などを考慮し、非常に慎重に進めています。それでも、Fuji Moneyというプロジェクトは頑張っており、そのユースケースも非常に面白いと感じています。

今後Liquidは普及されるのか?想定されるユースケースや課題について

加藤:ただ、Liquidはまだネットワーク効果を得られていないため、DeFiのようなアプリケーションがあったとしてもそれを十分に活用することは難しいですね。結局、Liquidがスマートコントラクトプラットフォームとしての存在感を示すためには、イーサリアムなどの競合と比較して独自の価値を提案することが重要でしょう。

東: そうですね。Liquidについて多く話しましたが、現在のところそれほど使われていない、あまり普及していないというのが、率直な印象です。技術的な側面を考慮すると、例えばUSDTはすでにLiquid上で発行されていますし、十分に使えると思います。ただし、それを受け入れている取引所はまだそれほど多くないというのが現実です。

技術的な視点から見れば、かなり理にかなったことを行っていると感じますが、一方で普及が進んでいないというのがLiquidの課題となっています。今後どう変わっていくのか、あるいはこのまま普及しないで人気が下がってしまうのか、個人的にはとても興味があります。

自分自身、特に最近はLiquidが前よりも使われる可能性、ユースケースがあるのではないかと思い始めています。例えば、LNの流動性を調整するのにBitcoinではなく、L-BTCを使ってスワップするといったユースケースがすでに出てきています。これからの半年から1年で利用が徐々に増えていくのではないかと考えています。

Liquidの未来: 技術の魅力とマーケティングの難しさ

東:Liquidに関して他に何か追加する点はありますか。

加藤: そうですね。あの、売り方が本当に下手くそ。

東: まだプロダクトマーケットフィットしてないんですよね。色々できるし、匿名性も高いし、ただ、手数料がすごい安いわけじゃない。

加藤: データサイズが大きいんですよね。

東: それに対して、例えばポリゴンとかは、イーサリアムの弟分みたいな感じで、手数料が安い。それでNFTに使われたりしてる。Liquidはちょっと中途半端な感じがあって、これをなんとかしないと使われないんじゃないかと思います。

加藤: 本当はプライバシーが重要とか思わない。

東: プライバシーは高いんですよ。でも、フェデレーション程度だとやっぱり怒られちゃうんで。

これからどういう戦略を描くのかはわからないですけど、うまくやらないと使われないで終わる可能性がありますね。ただ、技術的には面白いことをやってるので、Liquid上で色々実験されたプロジェクトがメインチェーンで使えるようになる可能性はあります。

東: 今日は色々なトピックをカバーして、思ったより話すことができました。ありがとうございました。