今回はBlock (元Square)のJackも使っていると公言してるCompass Miningについてご紹介します。

Compass Mining: https://compassmining.io/

Jackの発言: https://twitter.com/jack/status/1427664937862717441

Compass Miningは、自身が所有するASICマイナーをホスティング運用してビットコインのマイニングを行ってくれる米国のサービス事業者です。

ASICマイナーってとてもうるさいです。自宅に設置している方の動画がありましたので是非視聴してみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=w4KGewMcoME

こんなの家に置きたくないですよね。

また、消費電力も半端なく、例えばBitmain社のAntminer S19 Pro 110THは1台で3250Wで、入力電圧は220Vとなります。

日本の一般家庭のコンセントは1つにつき1500Wまで、100Vですので簡単には設置できません。

ということで、どっかの事業者が代わりにマイニング装置を預かって電気供給も面倒みてくれないかなあ、というニーズを巻き取ってくれるのがCompass Miningのようなところとなります。

さてさて、今回はこちらのサービスがどんな感じなのかを体験レポートというかたちでお届けします。

先に一言感想を漏らしておくと、”やんちゃだなあ”です。

よくある注意事項ではありますが、本レポートは情報の共有を目的としており、利用を推奨したり助言しているわけではない点ご留意下さい。

マイニングを始めるまでの流れ

手順自体はシンプルで分かりやすいです。大体、以下のようなかんじです。

1.アカウントを作る

2.マイナー装置を選ぶ

3.ホスティング地域を選ぶ

4.対価を支払う

5.F2PoolなどのMining Poolでアカウントを作る

6.Compass MiningにMining Poolのアカウントを伝える

7.いつの間にかマイニングが始まる

8.Mining Poolから自身のウォレットにビットコインが送られてくる

9.ホスティング料金を毎月支払う

サービス設計上の特徴としては、現状ここで購入したマイナーしか設置してくれず、持ち込みはできない、という制限があります。

また、あくまでマイナーを運用してくれるだけなので自身で適当なMining Poolでアカウントをつくり、そちらと連携させる必要があります。

マイニングをやめる際は、マイナーを送ってもらう、マーケットプレイスで中古として出品する、などの選択肢があるようです。自分はまだ未体験です。

では、私自身の体験を踏まえ順番に見ていきましょう。

1.アカウントを作る

名前、メールアドレスを入力して完了。とてもシンプル。いたって普通のSaaSというかんじです。

でも、装置を購入するにしては簡易すぎないか、という印象。

Apple Developer IDですら提出を求められる本人確認書類とか、DUNS法人ナンバーなどの確認とかないの、とびっくりです。

2.マイナー装置を選ぶ

自分が試した頃は、人気がありすぎてそもそも在庫0だったりする毎日でした。

日々、装置一覧ページにいっては入荷してないなあと眺めていたりした記憶があります。

たまに在庫がでてきてもほぼ1択。

今はマーケットプレイス機能がリリースされ、中古のマイナーが沢山登録されていたりします。

どれも強気値段設定でビビります。

でも、装置売買市場に流動性があるのって面白いです。

しかもホスティング場所に設置済みで、数日後には稼働できるよ、と。

税金対策を考えたい方にとってはハックしがいがあるかもですね。

3.ホスティング地域を選ぶ

自分が試した頃はアメリカ、カナダ、ロシア、カザフスタン、アイスランドといった選択肢がありました。

今見てみると、ロシア、カザフスタンがなくなっていますね。

残念ながら日本は選択肢にありません。

さて、地域によって何が違うかというと

  • ホスティング料金(電気代含む)
  • セキュリティ要素(監視カメラ体制など)
  • エネルギー源(クリーンエネルギーか、など)

などを詳細画面から確認出来ます。ですが、大事なのはここに載っていないことかと思います。

例えば、

  • その地域の自然災害発生率(ハリケーンきたりしない?)
  • その地域の治安・情勢(戦争などによってアクセスできなくならないか)
  • 安定稼働しているのか(場所によっては半月以上停電ダウンしてるとかあります)

などはしっかり考えとかないと後悔しそうです。

安定稼働しているか、については最近実装されたステータスページより確認出来ます。

https://status.compassmining.io/

見てもらうと分かるのですが、普通のSaaSやIaaSではあり得ないほどダウンしてて笑えます。

さて、こんな状況ですと保険を掛けたくもなりますが、実は掛けられなかったりします。

米国在住者で頑張って保険会社を自身で探してきた強者もいるようですが基本出来ない、と思ったほうがよいです。

4.対価を払う

マイナー、設置場所を選んだら、対価の支払いです。

この辺は普通のECサイトと同じ。

違いがあるとすれば、銀行送金の他、ビットコイン払いを当たり前で選べる点は面白いですね。

CoinPaymentsという決済代行を利用しているようです。

ビットコイン支払いを選択すると、CoinPaymentsが入金先アドレスと数量を画面に出してくれます。

あとはそのアドレスにLedger Nano S等から送金するだけです。

20分ぐらいかかって2confirm程度で着金完了となるようです。

そうでした、もう一つ違いがありました。

100万円〜数千万円のお買い物商品をカートに入れ(ビットコインで)ポチっと決済する。

この、規模感!

ECで本人確認もなしにこれをやっちゃうか、とちょっと新鮮です。

さて、数confirmたって着金が完了すると、自身のアカウント内のダッシュボードよりInvoice記録を確認できます。

ビットコインを使った課金に関しては、かなり良い導線が設計されているなと感心です。

ですが、色々と不安を感じる点もありました。

  • 請求額が間違っている。問い合わせると、直したよ、ともっと違う請求がくる
  • 請求額の検証にあたり契約書を確認しようとしたら、そもそも契約書が存在しない(得体の知れないAgreement的なものはある)
  • Invoice履歴ページがアップデートされたと思ったら、旧記録が見えなくなっている
  • 旧記録について問い合わせると、アップデートに際し記録は合算しちゃったから分からないよ、と言われる
  • 得体の知れないキャッシュバックが突然来る。問い合わせるとサポートもよく分かっていない

などなど、お金周りがめちゃくちゃです。

2月くらいが特にひどく、恐らく課金システムのアップデートに際し、大変大きなバグが入ったんだと思われます。

そんなせいかサポートもパンクしており、優先順位低そうなチケットは返信が1ヶ月後とかだったりします。

公式Discord内では、毎日のようにオレのチケット番号****を早く確認してくれ、とスタッフにメンションが飛ばされています。

ただ、サポート自体はとても丁寧です。彼らは誠意を持って対応しているのは伝わってきます。いかんせん人手が足りなさすぎるのと、課金システムが信用ならない点が不安ですね。

F2POOLなどのMINING POOLでアカウントを作る

自身のマイナーがブロックを掘り当ててマイニング報酬を得られる確率はとても小さいです。

そのため、装置の設置自体はCompass Miningのようなホスティングサービスを利用したとしても、どこかのMining Pool (ギルドのようなもの)に属し、そこのメンバーにて掘り当てた報酬を山分けするスタイルが一般的です。

自身のマイナーが提供するハッシュパワーの量に応じて、報酬であるビットコインを得ることができます。

F2Poolなど、PoolによってはCompass Miningとの連携に特別ボーナスを上乗せしてくれるところもあります。

Poolは報酬を1週間に1回などの頻度で自身のウォレットに送ってくれます。

場所によってはLightning Networkを使って毎日送ってくれるところ等もあるようです。

過去にはNiceHashのようにPoolのウォレットがハッキングされたこともありました。 https://jp.techcrunch.com/.../08/2017-12-06-nicehash-hack/

Poolからはできる限り細かい粒度で取り出したいですね。

さて、こうしたボーナスや出金スキームなどを鑑みて好きなPoolを選んでアカウントを作り、Compass Miningと連携しましょう。

以上で基本的なセットアップは終わり。

あとは、Compass Miningがマイナーをセットアップし、Poolと連携もしてくれます。

気がつくと、Pool上の自身のアカウントに報酬がどんどん入ってきます。

そして1週間もすれば最初の報酬が自身のLedger Nano Sに届きます。

あとはほっとくだけですね。

まとめ

以上がCompass Miningでのマイニング体験となります。

やってみて感じたのは、めちゃくちゃ事業者へのトラストがあるなあ、という点と、課金周りが不安定でやんちゃだなあ、という点です。

めちゃくちゃ事業者へのトラストがある点

これはマイナーのホスティング事業者全般の話になりますね。

事業者が破産した場合、或いは、なにかトラブルに遭遇した場合、正直、自身のマイナーを回収なんてできないと思います。

また、設置エリアの選定、ケアする人の選定、マイナーの設定・故障時の対応などなどなんでも事業者を頼るしかありません。まあ、それがマネージドサービスの醍醐味なわけですので、事業者選びは大事だね、という話ですね。

課金周りが不安定でやんちゃだなあ、という点

こればかりは気楽に構えているつもりの自分でもちょっと不安です。

急成長に伴いヒューマンリソースが足りてないんだと思いますが、あまり長くこんな状態ですと評判が落ちゃいますね。

マイアミで開催されたBitcoin Conferenceでもマイニングコーナーが大盛況だったようです。

今後、太陽光パネルのようにより一般の人々からも投資商品として選ばれる存在になるのかは、こうしたホスティング事業者の実績も大きく影響しそうですね。