ETH2.0のトレード機会
来年の1月に、ETH2.0への移行が始まるという話しがちらほらでてきています。そこでは、ETH2という別個のコインが生まれ、現ETHとの価格差が生まれそうです。
価格差があればトレード機会が生じます。
今回はこのトレードについて簡単に解説します。
念の為、移行についても、簡潔にまとめておきます。
<ETH 2.0 移行について>
まず、前提として、今回は既存のイーサリアムのネットワークとは「まったく別」に、2.0ネットワークというものが「新設」されます。
これは仕組みがまったく違うものになります。前者はPoWで動き、後者はPoSで動きます。
BCHなどのハードフォークによるアップデートでは、既存のネットワークが捨てられ、新しいHF後のものに一斉移動しますが、イーサリアムの移行はそうではありません。
新しいネットワークが立ち上がって、5年〜の時間をかけて、徐々にユーザーの移動を促すというものになります。
1.スケーラビリティは何ら解決しない
今回のアップデートでは、速度と手数料は変わりません。スケーラビリティは全く解決しません。
そもそも今回の2.0のネットワークでは、スマコンが実行出来ません。
2.0がスマコンを処理できるようになるには、クロスシャードと新VMの実装が必要で、これはロードマップですら2〜4年後になっています。
つまり、イーサリアムの処理性能があがるのは最も楽観的に見積もって2年後です。
それまでは現在の速度と手数料が継続します。ユーザーとしては何ら変わらないという状況がつづきます。
2. ETH2.0トークンができる
新設される2.0ネットワークでは、あたらしく2.0トークンが発行されます。ETH2とでもしておきましょうか?
ETH2は、ステーキングができるようになっています。最低32ETHをロックアップするとバリデータになることができ2.0ネットワークのブロックを承認することができるようになります。
承認はPOSで行い、ブロック毎に新しく発行されるコインが手に入るようになります。
ステーキングの利率は、ロックアップされるETH2が少なければ高くなり(その分だけ新規参加者のインセンティブになる)、ETH2が十分増えると、最終的には1%台になるといわれています。(このあたりの数字はコロコロ仕様がかわっているようです)
ETH2トークンを手に入れるためには、現在のETHから変換する必要が有ります。これは一方通行で、一度ETH2に変換すると元に戻せません。
ETH2は今の所ステーキングしか用途がありませんから、一度ETH2にしてしまうとGASとしては使えなくなります。
3. 移行の概要
ETH2は今の所、POSのステーキングをするだけのネットワークです。
2年後〜を目処に、これにクロスシャードと、スマコンの処理機能を付けて、ETH2.0完全版をつくるというのがロードマップです。
そうすればより便利になるので1.0からみんな引っしてくるだろうということです。そして1.0が使われなくなったら、そちらはひっそりと閉じましょうという移行のやり方になっています。
そのため、長期の移行プランであり、最低でも5年程度、1.0の終了までには10年かかるのではないかという人もいます。
<ETH2トークンの価格はどうなるのか?>
さて、ETH2トークンは別のネットワークで動く別のトークンです。取引所では別のものとして取引されることになるでしょう。
この2つのトークンは性質が全く違います。
ETHは、Powで産出され、Gasとしてスマコンに使うことができます。
ETH2は、PoSステーク以外機能は持たず、一定のインフレ率にしたがって無から産出されます。
1. 利用価値から考える
利用価値の観点から考えると、ETHはスマコンのGasとしての用途があります。一方でETH2は、ステーキングにしか使えず利用価値はまったくありません。
ETHの価値は、スマコンが使えるという利用価値だという説に従えば、ETHには価値はあるがETH2には価値がないことになってしまいます。
もちろん将来的にはETH2でもスマコンが使えるようになるわけですが、現時点では、利用価値にもとづくと、
ETH > ETH2 ということになります。
2. インフレ・希釈化から考える
次にインフレ率に注目します。
ETH2はステーキングにより、当初は年10〜18%ほど希釈化します。
ステーキングはコインがもらえるので、利子のように価値がふえていっているように見えますが、本当は逆です。株式でいうと、株主への無償割当の希釈化と一緒です。時価総額は変わりませんが、株数だけ増えるので、1株あたりの価格は希釈化すると考えるのが正しいです。
一方でPoWによるマイニングは価値が外部からきますので、彫りだされたコインは希釈化ではなく、価値の増大となります。エコノミクスが違うのです。
ETHはPoWを採用し、現在は5%程度のコインが新しく発行されています。PoWですので、年5%の時価総額の追加があると見てよいでしょう。
ETH2は希釈化モデルです。(ステークされるETHの量にもよりますが)当初は10〜18%程度になる可能性もあります。
となると理論価格は、当然ながら、
ETH > ETH2 となります。
利用価値、インフレ率、どちらの観点からもETHのほうがETH2より価格が高くなるというのがお分かりかとおもいます。
(そうしたなかで、ETHをETH2に変換するひとがどれだけ出てくるのかというのは、大きな疑問があります)
3. トレード戦略
最も単純なのは、
a. ETHを証拠金にして、ETH2をロングすることです。
ETH2が長期的に希釈化率が下がり、ユーティリティが増せば、ETH2の価格は上がるでしょう。しかし、いままでの理論から ETH < ETH2 にはなりえず、よくてパリティ(等価)です。
ですから、ETHを証拠金にしてETH2をロングしている限り、必ず勝てるはずです。
ただし、ETH2の価値を市場がすぐに正確に反映するとは限りません。たとえば希釈化しても、ETH2のほうがよりコインが増えるから価値があるというように読み取るひともいるかも知れません。
むしろ、当初はETH2が10%のおまけコインがつくということで殺到するかもしれません。
つまり、
b. ETH2に価格がついた時点で、ETHと等価になっていたり、ETH2が高い状態であれば、ショートします。
理論が反映されるに従い、 ETH > ETH2になりますから、ショートした分だけ利益がでます。
さて、ETH2へ変換する行為は、変換た時点で価値がかならず棄損しますので、技術検証目的以外ではやらないほうが賢明です。
逆に交換してくれる人がいれば利益がでます。
c. 将来、ETH2とETHを等価交換してくれるスワップ契約を結ぶと同時に、ETH2をステークする。
ほかにもいろんなストラテジーが考えられるとおもうので、考えてみてください。いずれにしても、ETHとETH2のトレードは来年もっとも面白いトレード機会を提供してくれるものとおもいます。
※なお、ETH2は1年程度コインの移動すら出来ないようです。ですので、ETH2の取引は、先物もしくは、IOU取引となる可能性があります。
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