2025年にトランプ大統領が政権についてから、もはや政治を自らの私有財産価値底上げのために使うことを隠さないスタイルも新常識になり始めた感がありますね。

今回の記事では、今のように政治が私利私欲に走る限り、ビットコイン価格の上昇基調がとまる理由はないよね・・・ということを書いてみたいと思います!

トランプ大統領の政治決定は、自己保有する財産価値に基づいて行われている?

2025年に入ってからトランプ大統領が、米国大統領という史上最強のポジションをマネタイズに使っていることは、もはや「いまさら何をわざわざ」という感じでもあります。

2025年1月に発行されたトランプ大統領の公式トークン「TRUMP」は、発行直後には時価総額で14 Billionドル、日本円にして21兆円を超える時価総額を達成しました。

発行総量の80%がトランプ氏関連企業「CIC Digital LLC」と「Fight Fight Fight LLC」によって保有されているそうですから、知名度のマネタイズとしては最強でしょう。

また直近では、米国の金利が急騰したことで関税の90日間延期を決定しました。

トランプ大統領の相互関税政策発表(4月2日)後、世界の株式時価総額が約10兆ドル(約1478兆円)も消失します。

4月6日にトランプ氏は「何かを治すために『薬』を飲まなければならないこともある」と発言し、株式の下落を華麗にスルーしています。

ところが従来ならこうした局面で買われる米国債が売られ、金利が急騰し、これが相互関税の90日間停止という方針転換をもたらします。

参考:トランプマネー蒸発 方針転換 背景に金利急騰か(NHK)

株価が下がっても気にしないのに金利上昇で方針転換って、なぜ?

もちろん米国が抱える多額の借入金の利払い費用を下げる必要があることも事実でしょう。

ですがもう一つの可能性としては、トランプ大統領の保有する資産ポートフォリオ構成が金利の影響を受けやすい・・・という点も挙げられそうです。

10年金利が1% 上がれば不動産の評価額は1割下がる:トランプ所有不動産の事例

トランプ大統領の保有する不動産価値は、およそ33億ドルと推計されています。

参考:Vol.305 株安も影響なしのトランプ資産〜利下げロックオンの理由(2025年4月7日)

では金利が上下すると、トランプ氏の保有する不動産の評価額は、どのくらい変動するのでしょう?

先に答えを書いてしまうと、ざっくり金利1%の上昇で不動産の評価は1割程度産下がってしまいます

下の図は、金利が上昇した時に期待される、一般的な不動産評価額の変化です。

ポイント:

  • 基準点(金利上昇0%、国債金利3.5%)から不動産評価額の変化を明確に表示
  • 金利が1%上昇することに、不動産評価額は約7-9%ずつ下落
  • 金利上昇と不動産評価額の下落には明確な相関関係がある
  • 最初の1%上昇(3.5%→4.5%)で9.1%下落、4%上昇時点では28.6%下落
  • 金利上昇による影響は累積的かつ加速度的に不動産価値を毀損する

トランプ大統領の不動産評価額は33億円程度ですから、金利が1%上がることで3億円ほど評価が下がってしまうわけですね。

もちろん不動産の評価方法はそれぞれ異なっているので、あくまで目安でしかありません。

それでも上記を見れば、なぜ今の米国政治が金利に最も敏感なのかを感じることができるのではないでしょうか。

そう、ボスの保有財産に直接の影響を与えてしまうから…ですね。

米国債は中央銀行(FRB)が買い支えるしか方法がない

先週は米国金利の急上昇を受け、農林中央金庫が米国債を大量売却したとの市場噂が流れました。そして同機関はこれを完全否定しています:

農林中金、4月の米国債大量売却否定 運用改革は中長期に(日経新聞)

農林中金にこのような発表をすることを迫った背景には、同機関が約60兆円規模の外債を保有する世界有数の機関投資家である点が挙げられます。

さて今回、米金利が上昇したことで報復関税の実施が延期される…という事態が現実に起こりました。

当然、最も関税政策の影響を受ける中国は、米国債市場を「政治的な武器」として認識することになります。

具体的には、以下のような手段ですね。

  1. 報復措置:米国が高関税を課した場合、米国債を売却し金利上昇を誘導
  2. 政治圧力:流動性の低い時間帯を選んだ戦略的売却による市場混乱
  3. シグナリング:政策変更を促すための象徴的な売却

当然、米国の財務省は上記への対抗措置も考えることになります。技術的な可能性としては、以下のような手段がテーブルに乗ります。

  1. 売却制限措置:特定国(中国)向けの取引制限
  2. 透明性規制:大口保有者の取引開示義務化
  3. 流動性保証:FRBの常時買いオペ準備

ただですね、1と2に関しては、現実的に選ぶことは不可能に近いんですね。

なぜなら、米国債のように世界中で広く大量に取引されている資産に上記のような制約を課すと、市場の流動性を低下させてしまうからです。

市場参加者が米国債を買う理由の一つは、「いつでも」「大量に」「即座に現金化できる」、つまり流動性が半端なく大きいからです。

この市場に売買の流動性を下げる施策を持ち込んでしまうと、新規の買い手が怯んでしまい、今までのような資金の流入が期待できなくなります。

すると、制約を課したこと自体が米国債の売却理由になってしまい、結果的に金利が上がってしまう(米国債が売られる)のです。

結局、米国がとれるのは「3. 流動性保証:FRBの常時買いオペ準備」しかないんですね。

ビットコイン価格は通貨流通量の先行指標になる

さて最後に興味深いスライドをシェアさせていただきます。

下チャート内の青線は米国のマネタリーベース、オレンジ色の階段チャートはビットコイン価格ですね。

マネタリーベース(Monetary Base)とは、中央銀行が供給する通貨の総量を指し、現金通貨(流通現金)と民間銀行が中央銀行に預けている当座預金(準備預金)の合計を指します。

図の中の①を見ると、2019年にはビットコイン価格が上昇を始め、それを追うようにマネタリーベースが上昇していることがわかります。

私たちの直感としては、米ドルが増えることでビットコインが後から上昇してくるイメージだと思うんですよ。

でも実態としては真逆です。先にビットコインが上昇し、それを追うようにマネタリーベースが上昇しています。

ビットコインのような24時間365日営業の自由な市場は、金融政策の変化を誰よりも早く察知して折り込んでしまうんですね。

そして②現在というと…マネタリーベースが横ばいの中、ビットコインが上昇していることがわかります。

市場参加者は、もはや米国に残された手段が「3. 流動性保証:FRBの常時買いオペ準備」しかない前提で行動しているということですね。

言い換えれば、市場参加者は米国の政治は、今後も変わらず私利私欲で決定されていくことを一ミリも疑っていないということかもしれません。

AIまとめ:政治と市場の新たな常識

今回の分析から見えてくるのは、以下のような重要なポイントです:

  1. 政治決定と個人資産の直結:トランプ政権下では、大統領個人の資産ポートフォリオが政策決定に直接影響を与える新たな政治スタイルが定着しつつあります。
  2. 金利と不動産の密接な関係:金利1%の上昇で不動産評価額が約10%下落する関係性は、不動産を多く保有する政治家の意思決定に大きく影響します。
  3. 米国債市場の選択肢の限定:米国債市場の制約として、最終的には「FRBによる買い支え」以外の選択肢がないことが明確になっています。
  4. ビットコインの先行指標としての役割:ビットコイン価格はマネタリーベースの動きを先取りする傾向があり、市場が将来の通貨供給量増加を予測していることを示しています。
  5. 市場の前提:投資家たちは、政治決定が私利私欲で行われることを前提に行動しており、この状況が続く限りビットコイン価格の上昇基調は続くでしょう。

これらの要素が組み合わさることで、現在のビットコイン価格上昇は単なる投機ではなく、世界の政治経済構造の変化を映し出す鏡となっています。

政治が私利私欲に基づいて動く限り、ビットコインのような中央集権から独立した資産への需要は今後も続くと考えられます。

今週は以上です。

引き続き、、ハッピー・ビットコイン!