Vol.188 ビットコイン2023年を予測する(前編)|3~5月の底打ちも上値は重い(2022年12月22日)
2022年も残すところ10日間。まもなく年越しカウントダウンが始まる時期となりました。ビットコインは執筆時点で17,000ドルを少し割る水準にあり、年始の46,000ドルと比較すれば、およそ6割減で着地しそうな雰囲気にあります。
さて弱気なニュース量産で売り込まれた2022年に対し、2023年のビットコインはどのような年になるのでしょうか?
将来の値段が誰にも予測できないことは、2022年初頭を振り返ってみると明らか。ほとんどの論調は「ビットコイン10万ドルいつ?」というものでしたし、私自身も年末17,000ドル割れまで売り込まれるなど、予測していませんでした。
そんな中ではありますが、いまある手元の材料から見える2023年のビットコイン市況を(自己ログの意味も含めて)あえて書いてみたいと思います。
もちろん主観も多分に混ざってしまうものですから、「こういう考え方をしている市場参加者もいるんだな」くらいに留めておいていただけたら幸いです。
ビットコインは買い手不在が続く
1月からビットコインは上昇の波にのり一気に10万ドルへ!と言いたいところですが、そうも問屋が卸しそうにはありません。
もちろん理由の1つは、2022年11月のFTX破綻事件。とくに大口資金の出し手である年金基金がロスカットした案件が痛手だったように思います。
2022年11月18日、カナダのオンタリオ教職員の年金基金がFTXに投じていた 95 millionを全損処分するとの報道がありました。
同基金によれば、損失は運用金額の 0.05%であり影響は限られるものの、やはり「全損」には落胆したとのこと。
Ontario Teachers’ statement on FTX
https://www.otpp.com/en-ca/about-us/news-and-insights/2022/ontario-teachers--statement-on-ftx/
こうした大口のお金は、何よりも「激変」を嫌います。どう考えても、オンタリオ教職員の年金基金が暗号通貨関連の会社に資金を預けることは、もう二度とないでしょう。
95 million USDは手付金みたいなもの。激変がなければ運用金額の1%(1.9 billion!)を超えるところまで進んでいたであろう将来価値が、ほぼすべて吹き飛んだ結果となっています。
どれだけ底値が堅くても、大口の資金が入ってこないかぎり、上値は限定されることになります。
2023年の前半、やはりビットコインの上値は抑えられる形になりやすいのではないでしょうか?具体的な価格水準については、後編で考察を進めてみます。
ビットコインが底値を打つのは2023年3月という市場織り込み
ではビットコインが底値を打つ時期は、いつ頃なのでしょうか?あくまでも2022年12月22日現在、市場が織り込んでいるスケジュールだけ見ておきましょう。
ビットコインが野生動物だったのも一昔前の話。いまのビットコインは、法定通貨の借り入れコストに値段が左右される存在となっています。
法定通貨が「高く」なればビットコインには重荷であり、逆もまたしかり。つまり金利が上昇すると市場が考えている間は、ビットコインの上値も重たいままとなりやすい可能性があります。
以下は市場が織り込んでいる、米国の政策金利と時期。
これをみると、赤線を引いた2023年3月22日のFOMC会合までは「利上げ継続」。最大金利は5%(500 bps)となっていることが分かります。
つまりビットコインも2023年3月までは「重い」?
以下はOKEXで取引されている先物価格です。
https://twitter.com/btc_status/status/1605833431715557376/photo/1
(2022年12月22日)
取引の最終期日と価格とが、以下のように並んでいます。
- 2022年12月限 16,827
- 2023年3月限 16,764(最安)
- 2023年6月限 16,774
何か飛行機の座席料金みたいですが、現時点では2023年3月のビットコインが最安となっています。
先ほど出てきたFOMCの利上げ最終月も2023年3月、同じですね。
これらを重ねていくと、今の市場がビットコインの底値を「2023年3月あたり」とみていることは、特定できそうです。
全員が注目するイベント・・・ビットコイン半減期
され、これで市場が現時点(2022年12月22日)で織り込んでいるビットコインの底値時期感は、ある程度把握をすることができました。
では次に、ビットコインを見ている全員が絶対に無視できない半減期(ブロックの採掘報酬が半分に減少するタイミング)を確認しておきましょう。
https://bitcoin.clarkmoody.com/dashboard/
仮にブロック生成度が標準速度で推移して2024年5月。採掘速度が上がって2024年3月末という時期感です。
過去の半減期では、およそ1年ほど前から価格が上昇を始め、そして半減期の日には材料出尽くしで売られたり、何も動かず過ぎ去ってしまうことが定番となっています。
仮に2023年も過去と同じパターンに収束するのであれば、3月末から5月末を起点として上昇を開始し、2024年の半減期にはおとなしく横ばいで通過することとなります。
もちろん2023年が過去と同じである保証は1ミリもありません。それでも市場参加者の脳みそには、過去の半減期前にビットコインがえげつないほど上昇してきたことが刻み込まれています。
意外と「市場の記憶」は強く反応するもの。あまり期待しすぎても逆効果ですが、全無視するのも現実離れかもしれません。適度な距離感でつきあいたいイベントですね。
前編のまとめ
今回の記事では、今のビットコインが大口資金の獲得を逃してしまったこと。また市場が織り込んでいる底打ちの時期を、複数の角度から検証してみました。
後編では、2023年の価格動向やゴールドとの関係などについて、書いていきたいと思います。
では本日はこの辺で。引き続き、よい年末をお過ごしくださいませ。
ハッピー・ビットコイン!!
ココスタ
佐々木徹
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