Vol.222 ナイジェリア主導の30年が来る~日本では評価できないビットコイン実需(2023年8月21日)
今から30年後、ビットコインはどのような役割を果たしているのでしょうか?日常の決済に組み入れられて普通に通貨として使われているのか、それとも、やはりイーロンマスクの売却報道で下落したりしているのでしょうか?
2001年に「BRICs」という言葉を提唱した元ゴールドマン・サックスの資産運用部門の会長で、英国の経済学者ジム・オニール氏が残したコメントが興味深かったので、紹介してみます。
”特に目を引く新興国は3、4カ国ある。アフリカでは人口の最も多いナイジェリアが魅力的だ。50年までに米国の人口を上回るとの予測もある。これからの30年、地政学的見地から世界で最も重要な新興国であることは間違いない”
ナイジェリアは、GoogleTrendでBitcoinに関する検索インタレストを国別にランキングすると常に上位の常連国です。

2023年現在のナイジェリアの人口は2.2億人で、年齢の中央値は17.2歳。日本の年齢中央値49.1歳は同国の2.85倍であり、自分は高3の娘がいますが、まさに親と子供ほどの差となっています。
参考:ナイジェリアと日本の人口推移
https://www.worldometers.info/world-population/nigeria-population
https://www.worldometers.info/world-population/japan-population/
2050年までに、ナイジェリアの人口はアメリカを追い越し、世界で3番目に多い国となるとの予測があります。

これを見ると、2030年にビットコインが通貨の主役となっている可能性を感じずにはいられなかったりします。その理由を少し見ていきましょう。
ナイジェリアがビットコインに与える影響は圧倒的
それぞれの国におけるビットコインへの関心度を測るために、Googleトレンドの国別の検索インタレストデータに各国の人口を乗じてみました。
エルサルバドルは確かに高い検索インタレストを示していますが、人口670万人と小さな国なので、全体的な影響は限定的です。
人口にインタレストを掛け合わせれば、その国でビットコインを調べている人の数をおよそ把握することができます。

ビットコインへの関心を示す「影響人口」の合計は、現時点で約7億人です。
日本はインタレストが1でしたから、影響人口は127万人となります。筆者の住んでいるさいたま市人口が134万人ですから、影響という意味では誤差の範囲ですね。
さて、このグラフはナイジェリアがビットコインに与える圧倒的な影響を明示しています。
では、ナイジェリアがビットコインに関心を持っている理由は何でしょうか。以下はそのいくつかの要因を挙げてみました。
① 銀行の口座保有率の低さ
② 高いインフレ率と通貨ナイラへの信頼性欠如
③ 社会的な不安定さ
①は、よく聞く話なのでパス。② は、同国の通貨が米ドルに対してどのような推移をたどっているかを見ると明らかでしょう。
こちらはナイジェリアの通貨であるナイラの対ドル価格推移です。2014年には1000ナイラで6ドルほどだったのが、今は1.3ドル。1/4以下となっています。もちろん、この間に米ドル自体も価値が毀損していますから、単純に「ナイラを持っていた人の負け」となります。
アルゼンチンの通貨切り下げが問題になっていますが、ナイジェリアの人にしてみれば「何を今さら」という感じでしょう。
では②の「高いインフレ率と通貨ナイラへの信頼性欠如」を解決するためにどうすれば良いかという話には、価値の裏付けがあるゴールドを買うという選択肢も考えられそうです?
いえ、③の問題をみると、それが無理な選択肢であることが分かります。だってナイラを売って仮にゴールドを買ったとして、持っていることがバレたら命を狙われてしまいます。下の図は外務省が発表しているナイジェリアの渡航危険度です。半分以上は退避と中止勧告となっています。いくらゴールドが重たいといっても、命の方が重いです。
日本でよく聞くのは、「ビットコインとか価値の根拠も形もないものに投資できない」という言葉です。これが言えるのは、日本は治安が高く、安全で、命を狙われない国だからです。
だから日本では、インタレストが「1」なんですね。必要に迫られる環境にないから興味は持たれない。でも2050年にかけてナイジェリアのような新興国が幅をきかせてくることは、人口の構成比から見ても明らかです。
ビットコインは国籍のない通貨と呼ばれることもあります。私たちは日本を拠点に考えることも普段は多いですが、改めて2050年から今を振り返って考える重要性を再認識させられた数字でした。
まとめ
2050年の世界を人口構成比から考えてみると、ナイジェリアでビットコインへの関心が高まっていることは無視できそうにありません。同国の銀行口座保有率の低さ、通貨の不安定性、そして社会的な問題は、ビットコインを実需として評価する可能性を高めることにつながります。
私たちは今こそ、未来から現在を振り返り、今からのビットコインの役割を考えるときかもしれません。以上、参考になりましたら幸いです。ハッピー・ビットコイン!
ココスタ
佐々木徹
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