日本人はビットコインを否定しているのか、それとも知らないだけなのか。

Cornell Bitcoin ClubやBlock社による国際調査で、日本のビットコインへの信頼度・将来への見通しはいずれも世界最下位でした。しかし「否定している」と「知らない」は全くの別物です。

日本人のビットコインへの捉え方について実際に検証するため、ネットリサーチサービスを活用し、バイアスを排除した形で日本人1,000人を対象に独自調査を実施しました。

結果として見えてきたのは、日本人の多くはビットコインを積極的に否定しているわけではなく、そもそも接点がないという実態でした。

本記事では調査データをもとに、日本人のビットコインへの認識を年代・性別・世帯年収の軸で分解し、普及に向けて業界として取り組むべきことを提言します。

「日本人のビットコイン認識調査」の背景と仮説

以前「日本人がビットコインを信頼しない本当の理由:認識調査で世界最下位の実態」の記事で、Cornell Bitcoin ClubやBlock社のレポートから、日本は世界的に見てもビットコインに対する認識が最下位であることを示しました。

また、単にビットコインを否定しているのではなく「日本人はビットコインを知らないのではないか」という仮説を立てました。

日本人がビットコインを信頼しない本当の理由:認識調査で世界最下位の実態
日本人はビットコインを嫌っているのではなく、知らないだけかもしれません。コーネル大学とBlock社による2つの国際調査で、日本のビットコイン信頼度・見通しはいずれも世界最下位。その背景を、安全・安定・安心という日本特有の社会構造と文化的な同調思考から読み解きます。

国際的な認識調査では、世界から見た日本の立ち位置がわかるものの、日本人がビットコインをどのように考えているかであったり、細かい傾向などは捉えづらいです。

2026年現在、実際に日本人がビットコインをどのように捉えているのか、より解像度を高めるためネットリサーチサービスを活用して調査を実施しました。

主に下記の仮説について検証します。

  1. 日本人はビットコインを否定しているのではなく、知らないだけではないか
  2. 知識が増えるほど、ビットコインに対して前向きになるのではないか

加えて、下記についても実態をデータから確かめ、ビットコインを日本で普及させるために業界として取り組むべきことについて考察します。

  1. 年代・性別・世帯年収によって、知識や信頼度に差があるのではないか
  2. ビットコインに接している私たちは、一般からかけ離れているのではないか

本調査の回答者と回収概要

ネットリサーチサービスを使用し、可能な限りビットコインに対するバイアスを取り除く形で調査しました。

  • ネットリサーチサービス「Freeasy」にて回収
  • 回答日:2026年03月25日
  • 合計件数:1000
  • 回答者:日本全国、20歳以上 79歳以下、男女
    • 年代別・性別で均等に回収しています
男性 女性
20代 100 100
30代 100 100
40代 100 100
50代 100 100
60代以上 100 100
合計 500 500

※ Xにて実施したアンケートとの比較については後述しています。

日本人はビットコインをどう見ているか

既存のCornell Bitcoin Club、Block社の調査との比較

まず、既存の国際的なビットコインに対する認識調査(Cornell Bitcoin ClubBlock社)と、今回の調査にどの程度差分があるかを確認します。

信頼度の比較(日本)
Cornell Bitcoin Club 2025 vs 今回調査
不信 (0–3) 中立 (4–6) 信頼 (7–10)
将来性の比較(日本)
Block 2022 vs 今回調査
楽観 中立 悲観

※ グラフにタッチまたはカーソルを合わせると、詳細な数値が表示されます。

グラフを見てわかる通り、既存の調査結果とかなり近似していることわかります。

ビットコインへの信頼度に関しては、Cornell Bitcoin Clubの調査と比較して「信頼(7〜10)」に該当する方が4.2%から8.4%へと増加しています。しかしながら、「信頼(7〜10)」が10%を明確に下回っているのは日本のみなので、依然として8.4%は少ない数値であると考えられます。

ビットコインの将来性に関しては、Block社の調査と比較して悲観の割合が増加していることがわかります。

既存調査との整合性から、本調査は一般的な日本人の認識を反映していると考えられます。

日本人のビットコインに対する捉え方

本調査において、以下のような質問を行いました。

  • Q1:あなたはビットコインをどの程度信頼できると思いますか?
    • Cornell Bitcoin Clubと同様な質問
  • Q2:ビットコインの将来についてどう思いますか?
    • Block社と同様な質問
  • Q3:あなたはビットコインに対してどのような印象を持っていますか?
  • Q4:あなたはビットコインについてどの程度知っていると思いますか?
  • Q5:あなたはビットコインを保有したことがありますか?
  • 知識スコア:ビットコインに関する知識クイズ10問
    • 「○(正しい)」「×(誤り)」「わからない」の3択
    • 正解数をカウントし、知識スコア(0〜10点)で評価

知識クイズ10問を見る

  1. ビットコインは、特定の国の政府や中央銀行が発行・管理している(×)
  2. 日本では、ビットコインの売買は法律で禁止されている(×)
  3. ビットコインには発行上限があり、約2,100万枚を超えて発行されることはない(○)
  4. 2014年に日本で起きたマウントゴックス事件では、取引所がハッキングされ大量のビットコインが盗まれた(○)
  5. 2024年にアメリカで、ビットコインの現物ETFが証券取引所に上場した(○)
  6. ビットコインの送金履歴は、特定の管理者だけが確認・変更できる(×)
  7. ビットコインは約4年ごとに新規発行量が半分に減る仕組み(半減期)がある(○)
  8. ビットコインの送金は、銀行を通じて承認される仕組みになっている(×)
  9. ビットコインはインターネット環境があれば、世界中どこでも同じ条件で送受金できる(○)
  10. ビットコインは投資・投機目的にしか使えず、実際の買い物や送金には利用できない(×)

そして、回答の集計結果は以下のようになります。

Q1. 信頼度(0〜10)
Q2. 将来性
Q3. 好き嫌い
Q4. 自己評価(知識)
Q5. 保有経験
知識スコア(0〜10点)

n=1,000。クリーニング済みデータ。縦軸は人数(人)。

Q1の信頼度についてはCornell Bitcoin Clubと同様に0〜10の11段階で入力いただいたため、なだらかな下落ではなく、一定のばらつきがあります。しかしながら、0点が32.8%であり信頼度が低い人数が多いことがわかります。また、5点の人数が15.5%と2番目に多く、どちらでもない人が一定数いることが確認できます。

Q2, Q3の将来性と好き嫌いについては近似しており、「どちらでもない」を選択した方が42%〜43%となっています。ビットコインがよくわかっていないため、判断ができない可能性があると推察されます。

また、将来性の悲観側(44.4%)に比べて好き嫌いの嫌い側(48.5%)の方4.1ポイント高いです。ニュアンスレベルではありますが、将来性は客観的な捉え方、好き嫌いは主観的な捉え方であり、主観的にややネガティブに捉えられている可能性があります。

Q4の自己評価と知識スコアについては、それぞれなだらかに減少しており、概ね自己評価と実際の知識については一致しているものと考えられます。「ほとんど知らない」は57.7%、0〜3点は59.6%となっています。「わからない」を選択肢として設定したのもありますが、○×問題であるのにも関わらず0点が飛び抜けて多く25.7%となっていたことが個人的に驚きでした。

📝
後述しますが、ビットコイン研究所のXで集計した回答者の平均知識スコアは9.25点であり、大きな乖離が見られます。(本調査の平均は3.07点)

最後に、Q5の保有経験について、過去も含めた保有経験者は13.7%であり、保有なしと回答した方は83.9%と飛び抜けて大きい割合となっています。日本におけるビットコイン保有者数は依然として限られており、逆に見ればビットコイン経済圏の伸び代があるとも捉えられます。

日本人のビットコインの捉え方としてネガティブ寄りではありますが、「どちらでもない」の選択割合が高く、知識スコアが低く、8割以上がビットコインを保有していないことから無関心な層が一定存在すると考えられます。

ただし、無関心な層がどこにいるかがまだわからないので、以降の知識スコアとの組み合わせや年代、性別、世帯年収ごとの集計により確認します。

知識スコアと組み合わせた評価

「知識が増えるほど、ビットコインに対して前向きになるのではないか」について評価するために、知識スコアごとのビットコインの認識についてグラフ化しています。

信頼度 × 知識スコア
知識スコア別の信頼度平均
将来性 × 知識スコア
知識スコア別の将来性平均(1=悲観〜5=楽観)
好き嫌い × 知識スコア
知識スコア別の好き嫌い平均(1=嫌い〜5=好き)
保有経験別 知識スコア分布
各保有区分内での知識スコアの分布(%)
現在保有 (n=84) 過去保有 (n=53) 保有なし (n=839)

「信頼度 × 知識スコア」について知識スコアが0から10に上がるにつれて、信頼度の平均は1.89から5.38まで上昇しています。知識が増えるほど、信頼度が上昇する傾向があると考えられます。

一方で、概ね右肩上がりに見えますが、知識スコア6, 7点あたりに信頼度が減少しています。一定の知識を持ちつつも、ビットコインへの信頼度が低い場合もあることがわかります。

「将来性 × 知識スコア」について、将来性の最大値と最小値の幅は0.85ポイントと差分が大きくはないものの、知識スコアが8点以上になると将来性が楽観寄りになっていることがわかります。

「好き嫌い × 知識スコア」について将来性と近似していますが、最小値2.24を示すのが知識スコア7点となります。信頼度と同様に、概ね知識スコアが増加すると好き寄りになるものの、知識スコア6, 7点あたりで一旦落ち込んでいます。

「保有経験別 知識スコア分布」では保有なし、過去保有、現在保有をそれぞれ絶対数が異なるので、100%で基底化しています。知識スコアが増加するごとに、保有なし、過去保有、現在保有と移り変わっていることがわかります。

因果関係は断言できませんが、「知っているから持っている」か「持っているから知識が増えた」のどちらかが働いていると考えられ、いずれにせよ知識と保有経験が強く結びついていると捉えられます。

全体的に、ビットコインの知識が増えれば増えるほど、ビットコインに対して前向きに捉える傾向がある一方で、一部減少することもあることが確認できました。

ビットコインを信頼しない理由

「Q1:あなたはビットコインをどの程度信頼できると思いますか?」で信頼度0〜5点を選択した方に対して、なぜビットコインが信頼できないかをチェックボックス形式(複数回答可)で確認しました。

また自由回答欄も設置し、一部の自由回答について原文を抜粋しています。

ビットコインを信頼しない・どちらともいえない理由(複数回答)
n=867人(信頼度0〜5と回答した人)、回答者に対する%
その他 自由回答(原文)
「ビットコインに興味がないから」
「金ドル本位制に似ているから」
「お金ではないから」
「投機目的でありえない変動があるから」
「必ず暴落する」
「興味ないしビットコインも株みたいに失敗する人は失敗すると思うから」
「無価値になる可能性がある」

「よく知らないから」が最も多く(51.3%)、回答者の2人に1人以上がよく知らないからビットコインを信頼していないということがわかります。

次いで、詐欺犯罪のイメージや、価格不安定のようなネガティブイメージが不信理由として続きます。

特徴的なのは「特に理由がない」が「過去に損をした・損した話を聞いた」を上回っている点です。「特に理由がない」を選択すると複数回答ができない設計のため、13.5%の方はなんとなく不信であることがわかります。また、「保有なし」が約84%もあるため、周りで実際に損をした話を聞く機会もないと考えられます。

自由回答については、ビットコインが投資的に失敗する内容も多くあり、ビットコインを信頼することと投資することが混在していることがうかがえます。

年代が上がるほど知識は増えるが、嫌いになる

次に年代別に集計し、ビットコインの認識に差分があるかについて確認します。ちなみに冒頭で記載しましたが、20代から60代以上まで10歳刻みで同じ人数の回答を集計しています。

年代別:知識スコアと信頼度平均

まずは、年代別の知識スコアと信頼度の平均値となります。

年代別 知識スコア・信頼度平均
知識スコア 信頼度

おもしろいことに、年齢が上がるにつれて知識スコアが上昇する一方、ビットコインへの信頼度は減少傾向にあります。

全体の「信頼度 × 知識スコア」においては、概ね知識スコアが増えるごとに信頼度が上昇しましたが、年代別の整理では逆相関として捉えられます。

歳を重ねるごとにビットコインの一般的な知識に触れる機会が増える一方で、「信頼」という言葉の重みが強まり、高齢ほど自身の意思で判断を下せるようになってくる、という可能性があります。

年代別:好き嫌い、保有経験

好き嫌い、保有経験はそれぞれ年代別の推移がわかりやすく見えます。

年代別 好き嫌い分布
嫌い どちらでもない 好き
年代別 保有経験
現在保有 過去保有 保有なし わからない

年代別の好き嫌い分布のグラフは非常にわかりやすく、20代が最もビットコインに好意的であり、年齢が上がるにつれて嫌いの割合が32%から74%まで増加しています。年齢が上がるほど知識スコアは増えているので、ビットコインのネガティブニュースとの接点が増えている可能性があります。

また保有経験については、過去を含めた保有経験は20代が最も大きく21%であるのに対し、60代以上は5.5%しかありませんでした。現在保有が多いのは30代、40代であり、20代は現在保有よりも過去保有の割合が大きいのが特徴です。

若いほどビットコインに対する考えは中立に近づく一方、20代の時点では資金力や投資経験、価格変動への耐性の低さから手放してしまっている可能性があります。

年代別:不信理由

これまでのグラフから、年齢が上がるにつれてビットコインに対してネガティブな印象が増加しました。具体的な理由について確認します。

年代別 不信理由(複数回答)
信頼度0〜5と回答した人(20代n=150、30代n=173、40代n=173、50代n=182、60代以上n=189)に対する%
20代 30代 40代 50代 60代以上

全世代のトップは「よく知らないから」であり、40代以上については不信理由回答者の50%以上の方が「よく知らないから」を選択しています。

「詐欺・犯罪イメージ」「必要性を感じない」は歳を重ねるごとに顕著に増加しているように見えます。特に60代以上では回答者189名の過半数がビットコインに対して詐欺・犯罪のイメージを持っています。2014年に発生したMt. Gox事件や、ビットコインという名前を利用した暗号資産詐欺、ハッキングニュースなどが詐欺・犯罪のイメージを助長しているように考えられます。

そして、特徴的なのは「特に理由はない」であり、20代など若いほど理由なく不信であることがわかります。その他の選択肢は上の年代になるほど割合が増加しているのに対し、「特に理由はない」だけは下の年代になるほど増加しています。

そのため、年齢層が低いほどビットコインをまず知ってもらうことが重要であり、年齢層が高いほどビットコインの不信を解く時間が必要となると考えられます。

ビットコインの捉え方は男女でこれだけ異なる

男女におけるビットコインへの認識も差が顕著です。本調査の回答者において男女はそれぞれ500件ずつであるため、男女差は同数での評価となります。

性別 知識スコア・信頼度比較
知識スコア 信頼度
男性 嫌い / 好き
41% / 13%
女性 嫌い / 好き
56% / 6%

知識スコアについては、男性の方が高く3.95点、女性は2.18点であり、約1.8倍の差があります。信頼度、好きの割合も男性の方が高く、女性は嫌いの割合が過半数を占めています。

ビットコイン並びに暗号資産投資は大部分が男性であるイメージと一致しており、多くの女性はビットコインとの接点が少ないものと捉えられます。

性別 不信理由(複数回答)
信頼度0〜5と回答した人(男性n=413、女性n=454)に対する%
男性 女性

不信理由については、「よく知らないから」が男女差として最も顕著です。女性の不信理由回答者の約6割が「よく知らないから」を選択しており、やはり女性はビットコインとの接点が低いと考えられます。

その他の項目については男女差がほとんどありませんでした。

高年収層ほどビットコイン保有経験が多い傾向

世帯年収については、年代別、男女とは異なりそれぞれ人数が異なります。平均値をもとに評価を行います。

世帯年収別 信頼度・知識スコア平均
知識スコア(/10) 信頼度(/10)
世帯年収別 好き嫌い
嫌い% 好き%

概ね世帯年収が上がるほど知識スコアも上がっています。しかしながら、500〜700万円、700〜900万円では知識スコアが300〜500万円より下がっています。

信頼度も知識スコアと似た推移をしており、基本的に世帯年収に伴い増加しています。900万円以上では特に信頼度が上昇しているようにも見られます。

好き嫌いについては、900万円以上で「好き」の割合が約20%付近まで増加しています。

世帯年収別 保有経験(%)
現在保有 過去保有 保有なし わからない

保有経験についても、概ね世帯年収が高いほど過去・現在含めたビットコインの保有経験が増加しているように見えます。高年収であるほど金融資産や投資に関する検討機会が多く、ビットコインの情報との接点が多いのではないかと考えられます。

しかしながら、700〜900万円の層については一つ前の500〜700万円と比較して保有経験が少ないです。仮説ではありますが、700〜900万円の層はビットコインのようなリスクが高いとされる資産に踏み込みにくいのではないかと考えられます。

私たちは、一般からかけ離れている

最後に、ビットコイン研究所のXにて回収したアンケート結果をもとに本調査との比較を行い、ビットコイン関心層とどの程度差分があるかを確かめます。

  • ビットコイン研究所のX経由で回収
  • 回答期間:2026年3月27日〜2026年3月30日
  • 合計件数:67

件数は本調査の1000件と比較して67件は少なく、参考程度の情報ではありますが、平均値の差分が大きいことが確認できます。

一般調査 vs ビットコイン関心層(X経由)の比較
一般調査 n=1,000(Freeasy、2026年3月)/X経由 n=67(ビットコイン研究所フォロワー、2026年3月)
一般調査 X経由(関心層)
信頼度平均(0〜10)
知識スコア平均(0〜10)
保有経験あり(現在+過去)

信頼度、知識スコア、保有経験、ともに一般と比較して3〜7倍の開きがあります。ビットコインに興味を持っている私たちがいかに特殊であり、ビットコインに対して一般とはかけ離れている集団であることがわかります。

これだけ離れていれば、オレンジピルが大変かつ時間がかかる行為であることに納得できます。むしろ、一般の方々に対して寄り添うことが大事であると私は考えます。

データから見えてくる、ビットコイン普及に向けて業界として取り組むべきこと

グラフは以上です。調査結果と考察をもとに、ビットコイン業界全体として取り組むべきことについて提言します。

① FUDの払拭に業界全体で取り組む

年齢が上がるほど「詐欺・犯罪のイメージ」「価格変動への不安」がビットコインへの不信理由として増加します。過去の稚拙な報道や投機マネーが生んだイメージが今も残っている可能性が高く、個人の努力で払拭できる問題ではありません。

取引所・メディア・研究機関が連携して、以下の誤解を継続的に解いていくことが業界全体の課題だと考えます。

  • ビットコインと犯罪・詐欺の関係が誇張されている
  • 価格のボラティリティは長期的に低下傾向にある
  • 今後の日本において価値保存手段としての必要性が高まる可能性がある

これらを信頼できる情報源から発信し続けることが、特に高齢層の認識変容につながります。今回の調査でも「信頼できる情報源がない」が不信理由の上位に入っており、業界として正しい情報の提供が重要となります。

② 手軽な保有・体験の入口を業界全体で整備する

保有経験と知識スコアには明確な相関があります。知識があるから保有するのか、保有するから知識が増えるのかは断言できませんが、いずれにせよ「体験」が認識を変える力を持っていることは確かです。

だからこそ日本ビットコイン産業は「ビットコイン研究所」の情報発信に加え、ヤップアイランド」や「UseBitcoin」のような体験型サービスを推進しています。業界全体で「まず持ってみる・使ってみる」という入口を増やすことがビットコインをまだ知らない日本の大多数の取り込みにつながると考えます。

③ 年代・性別によって伝え方を変える

20代や女性層は「よく知らないから」が不信理由の中心であり、ネガティブというより無関心です。この層には否定を解くより先に、ビットコインの存在を知ってもらう入口作りが優先です。

一方、40〜60代は「詐欺・犯罪のイメージ」「価格変動への不安」が明確で、感情的なネガティブさが既にあります。この層には対面でのコミュニケーションや、信頼できる情報源からのインプットが効果的だと考えます。

また、ビッ活アプリ「ヤップアイランド」では年齢が上がるほど継続率が高いというインサイトがあります。年齢が上がるほどネガティブな先入観がありつつも、不安解消に対する興味が高く、一度興味を持てば継続学習につながる可能性があります。

④ 私たちは一般からかけ離れていることを自覚する

今回最も印象的だったのは、X経由の関心層と一般調査の差です。信頼度・知識スコア・保有率のいずれも3〜7倍の開きがあります。

私たちがビットコインについて「当たり前」と思っていることは、一般の人にとっては全く当たり前ではありません。捉え方が異なる自覚なく発信を続けても、届く相手は限られてしまいます。

これまでのビットコインに関心を持つ層は思想への共感から入った人々が中心でした。しかし今やLightning NetworkやLayer2、ウォレットやビットコイン関連サービスの発展により、思想抜きで体験から入ることが可能になっています。体験を起点にした普及活動へ移ることが、業界全体の次のステップではないかと考えます。

まとめ:日本人はビットコインを知らないだけではなかった

「日本人はビットコインを知らないだけではないか」という仮説は、概ね正しかったと考えられます。不信理由の過半数が「よく知らないから」であり、知識スコアが上がるほどビットコインへの評価が前向きになる傾向も確認できました。

一方で、年齢が上がるほど詐欺・犯罪のイメージや価格変動への不安が増加しており、単純に「知ってもらえばいい」という話でもないこともわかりました。

また、X経由のビットコイン関心層と一般の差は信頼度・知識・保有率いずれも3〜7倍と極端で、私たちがいかに特殊な立場にいるかが数字として明確になりました。

今回の調査が、ビットコインの普及に向けて現実を確認するための一助になれば幸いです。ビットコイン研究所ではビットコイナーに重要な発信を念頭に置きつつも、一般の方々の目線に立った情報発信にも取り組んでいきます。